国政報告

議事録議事録一覧へ

沖縄振興について ※参考人質疑

第196回国会 2018年6月15日 沖縄及び北方問題に関する特別委員会

糸数慶子君

沖縄の風、糸数慶子です。

準備しておりました質問なんですが、しんがりになってまいりますとほとんどが出尽くしたという感じもございますけれども、改めまして、参考人の先生方に貴重なお話を伺うことができ、また改めて、ちょっと重なる部分もございますけれども、御答弁をお願いしたいと思います。

まず、安藤参考人の方にお伺いしたいと思います。

先ほどもレジュメいただきまして読ませていただきましたけれども、十五年前に開校いたしまして、今、情報セキュリティーの人材育成、バイオテクノロジーの人材育成、ロボット開発人材育成と、もうそれこそ多分野におきまして今卒業生も在校生の皆さんも本当に御活躍で、大変うれしく思います。先ほど儀間先生からもお話ございましたけれども、沖縄の若い人たちあるいは県外からやってくる若い人たちに対してもすごく大きな希望を与えてくださっているなということをすごく感謝したいと思います。

その一方でなんですが、先ほど紙智子先生からもお話がございましたけれども、やはり今この国立高専のある場所ですね、まあ辺野古にあるわけですけれども、やはりこの校舎が辺野古新基地の周辺に建設をされているわけで、十五年前にそれができたわけですけど、今アメリカの国防総省の策定をしている飛行場建設基準によりますと、制限表面といいますか、海上のその制限、滑走路の周囲二千二百八十六メートルで標高五十五メートルという、そういう制限があるわけですけど、沖縄高専の校舎の最も高いところが標高七十メートルあるというふうに聞いております。この学生寮もその中の五十九メートルということで、これからすると、その基準から建物が随分その制限超えてしまうというのが現実ですね。

今、学生が先生の資料によりますと八百七十六人で、常勤の教職員が百六名、合わせて九百八十二名の方がいらっしゃるわけですけれど、これが、安全のために米軍が定める高さ制限を超えることが判明をしているわけですけれど、これらの建物はやっぱり米軍の基準だけではなくて日本の航空法の基準からも逸脱しているわけですね。

沖縄防衛局は、米側との調整で航空機の航行の安全を害しないとして沖縄高専はこの制限の対象にならないと小野寺大臣もおっしゃったと先ほど答弁ございましたけれど、しかし、こういう状況の中で、子供たちの安全、完全に保証できるのかなということ、すごく疑問なんですけど、どうなんでしょうか。

参考人(安藤安則君)

先ほど紙先生のお話にもお答え申し上げましたが、私どもとしては、沖縄高専の高さ制限に関しての、四月にいろいろございました、ありましたが、今おっしゃっていただいたように、沖縄防衛局からも説明を受けるとともに、小野寺防衛大臣も、国会で本校の高さ制限は法律に対して対象にならないというふうに答弁されていると聞いておりますので、そういう点では、私どもとしては、多少の困惑はあるにしても、ともかく我々のミッションは学生の安全な環境、特に静穏な環境において勉強や研究に専念できる、その環境をつくることが第一と考えておりまして、先ほど申し上げましたけれども、大学コンソーシアム沖縄とか、あるいは関係します琉球大学、名桜大学等と連携しまして、今後もそれぞれの高等教育機関の、私どもの沖縄高専も含めて、その敷地や上空の飛行、これをできるだけ抑える、あるいは中止の方向で検討願いたいということは、今後も学生の安全を考える上で努めていきたいと考えております。

糸数慶子君

今、国立高専だけではなくて、周辺には沖縄電力の送電鉄塔が十三か所あるわけですね。その鉄塔のこういう高さというのもこの基準より超えているわけでして、そこに関しては、やっぱり公的機関の要請で移設をするということの話ができているということを聞いております。

ですから、防衛局の方からきちんと、あるいはまた米軍の方ともきちんとやはりお話合いができて、ちゃんと生徒や学生やあるいは職員の皆さんの安全が本当に守られるような状況になっていかなければいけないというふうに思っております。

それに関しましては、これまで、まず普天間の基地を辺野古に移設と言っておりますが、新基地建設ということになるわけですけど、そういう日本政府あるいは日米両政府が普天間の危険性の除去をするということで辺野古へと言っておりますけれど、辺野古にも住民も住んでいますし、ましてや国立高専も、先ほどから実績を伺っていますと本当に大切な教育の現場であるということも考えますと、やはりこの危険性の除去というよりも、学校の近くにこういう基地が移動するということは、これは危険性の移転ではないかというふうに考えます。

ですから、先ほど御答弁がございましたように、やはりきちんと政府に対して、まさに学校の今の位置をどうするのかということも改めてきちんとお話をしていただきたいということを要望したいというふうに思います。

それでは次に、前泊参考人にお伺いをしたいと思います。

私も実は随分質問を準備してまいりましたけれど、似たような質問が随分出ました。それで、一つに絞ってお伺いしたいと思いますが、現在、国の沖縄に対する五次振計といいましょうか沖縄振興計画は、二〇一八年度までの総額が約十一兆六千八百億円というふうになっておりますが、これまでこのような巨額な沖縄振興予算がつぎ込まれてきたにもかかわらず、県民所得は二百十六万。これは全国と比較しても七割程度で最下位のままであるという状況ですね。本土とのこの所得格差がいまだ是正できないのが現状でありますが、これまで、また今後の沖縄振興の在り方について参考人の御見解をお伺いしたいと思います。

参考人(前泊博盛君)

これまでの沖縄振興も含めて、今、沖縄振興予算という言われ方をされましたけれども、政府予算については、四十七都道府県全部同じように政府予算は出ていますので、沖縄振興という言葉ではなくて、沖縄予算ということだと思いますけれども、その予算の在り方について基地と連動するような形で増減をされるということがやはり大きな課題だと思っています。

それから、新しい振計を作られる時期をそろそろ迎えますけれども、これまで基地と公共事業と観光という旧3K経済と言われてきましたけれども、これから新しい時代へ向けて新7Kというのをまた加えてきました。

観光についても、これまでの従来型の周遊型観光に加えて、新しいMICEとか、あるいは医療ツーリズム、それからエコツーリズム、そういったものの動きが出てきています。それから、公共事業についても、失われた環境を取り戻していくような再生型の公共事業といったものの可能性も出てきています。

それから、レジュメにも入れましたけれども、健康産業ですね、これは国立高専の課題としても出ていましたけれども、機能性食品とか健康食品がぐんぐん伸びてきています。こういったものをどう伸ばしていくか。それから、環境、金融、研究、教育、交通、交易、そしてプラスIということで情報通信についても新しい可能性がどんどん出てきていますので、その辺りについても御審議をいただいて、次なる新しい発展を、沖縄のビジョンを是非あと四年間の間には策定をしていただいて、そして日本全体を引っ張るようなアジアの一つのゲートウエーとして沖縄を位置付けて、日本経済そのものを再生させていけるようなパワーを沖縄からまた発揮できるような、そういう計画を作っていただければというふうに思っています。

以上です。

糸数慶子君

ありがとうございました。

それでは、堀川参考人にお伺いしたいと思います。

堀川参考人に関しましても、実は準備した質問といいましょうか、沖縄県の県民所得が低いことで子供たちに与える影響はどういうことがあるのかということですとか、それから、就学支援制度の利用が低い理由はということですとか、就学支援の拡充の具体的な案をお聞きしたいということを準備をしておりましたけれども、もう既に出ております。

それで、先ほどちょっとだけお話もございましたけれども、例えば保護者の就労状況の改善についてであるとか、あるいはまた高校生の通学交通費の支援、またこれも出ておりましたけれども、それ以外に、今までいろいろ語っていただきましたけれども、これだけすばらしい資料をお持ちですので、言い足りなかったことといいましょうか、改めて残りの時間を使って是非お話をしていただきたいと思います。

参考人(堀川愛君)

貴重なお時間を頂戴いたしまして、ありがとうございます。最後になるかと思うので、言わせていただきます。

十五ページ、参考資料一を見ていただきますと、緑の表ですね、沖縄県と全国との所得差異。こちら、今まで二九・九と一三・八という割合で伝えてきておりましたが、もう金額で見た方が明瞭なんですね。沖縄県の県民所得、こちら内閣府県民経済計算のデータから持ってまいりました。平成二十五年度のデータです。沖縄県の県民所得が二百十万二千円、それに対して全国の平均県民所得は三百六万五千円です。その差異は、年間にしますと九十六万三千円という額になります。

今の皆さんの所得でも、私たちでもなんですが、ぱっと一年間にあと百万円もらえたら何ができるという話なんですね、単純に言うと。本当に、お子さんを育てている世帯でこの百万円がもし年間用意できるのであれば、本当にできることって多くなってくると思うんです。

例えば、やはり子供の育ちの中で経済が影響を及ぼす一番大きな問題として言われておりますのが、体験、経験の格差です。文化体験ですとかそれこそ成功体験、いろいろな体験の欠落によって視野狭窄になる可能性が大変言われております。それが、やはりお金を伴う体験も今、時代の流れの中で多くなってきているわけですから、こうした本当に全国との所得格差が埋まるのであれば、沖縄県の子供を育てている保護者の皆さんが子供たちに投資していくようなものに変えていけるであろうと単純に思うんですね。

本当に、二百十万と言われたら、月にしたら幾らなのというぐらい厳しい状況の中で、沖縄の県民性で何とか踏ん張っているだけで、印象論、全国の方に沖縄の貧困の話すると、本当にサボっているんじゃないかとかおっしゃられる方いるんですけれども、前泊参考人もお持ちかと思うんですが、就労しております、しっかり。

自分で辞めてしまう割合が高いというお話も出ましたが、高校生とお話ししていた際に、修学旅行で内地に行ったときに、自分がバイトしているファミリーマートは最低賃金の七百幾らだったんだけど、東京に行ったそうです、そうしたら、大変急募していたようで、東京都の中で、同じコンビニエンスストアさんで、千三百円の時給で、急募、千三百円と出ていたと。私の二時間は東京の一時間ですかと言ったんです。もうそういう状況になってしまっていることを私たち大人がどう捉えるのか。

やはり、社会の受皿として、例えば今参考人の皆さんもお話ししてくださったような進学の支援ですとかやはり高専の取組なんかは、個々の資質開発また能力の向上という意味では本当に意味のあることで、支援策としては本当にすばらしいものなんですが、その支援をされた子供たち、能力付いた先の受皿がなければやはり経済的に困窮していくしかないわけです。なので、是非こういった場の皆さん、委員の皆さんが、高学歴者が増えていくであろう中で、経済安定が図れるような具体的施策を展開できるような提案をいただけたらと切に願います。

ありがとうございました。

糸数慶子君

ありがとうございました。終わります。