国政報告

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米軍のF15戦闘機の墜落について、民法の一部を改正する法律案(地方消費者行政、消費者契約法以外の特定商取引法関係)について

第196回国会 2018年6月12日 法務委員会

糸数慶子君

沖縄の風、糸数慶子です。

民法改正案の質問に入ります前に、昨日墜落いたしました米軍のF15戦闘機の墜落について質問いたします。

昨日の午前六時半頃、沖縄県那覇市の南約八十キロの海上に、米軍嘉手納基地所属F15戦闘機が墜落いたしました。沖縄県の統計によりますと、復帰後の県内での米軍機墜落の事故はこれで四十八件目となります。今年は復帰四十六年目になりますから、四十六年になりますから、平均で一年に一機以上が墜落していることになります。

米軍嘉手納基地のF15は、一九七九年、昭和五十四年に配備され、嘉手納町によりますと、昨年三月の時点で五十四機が常駐しているということであります。配備から約三十九年にもなるF15は、二〇一三年五月にも県内のホテル・ホテル訓練区域で墜落しており、これまで合計で二百八十一件もの事故を起こしています。固定翼機、ヘリ等も合わせた航空機の事故件数が復帰後七百三十八件もありますが、そのうち二百八十一件がF15、つまり全事故の三八%がF15によるものであると考えれば、F15の危険性は歴然としています。

このような航空機を日本国内に配備し続けることを認めてよいのでしょうか。沖縄防衛局は米軍に対して原因究明や再発防止を申し入れたということでありますが、相次ぐ事故に対して、その都度同様の申入れをしているにもかかわらず一向に改善されないのは、米軍には事故を防ぐ能力がないからだと考えます。

過重な米軍基地負担を沖縄に押し付け、危険な訓練を行わせ続けているのは日本政府であるということを強く申し上げ、防衛省に来ていただいておりますので、事件の概要と事故防止に向けた今後の対応を伺います。

政府参考人(田中聡君)

お答え申し上げます。

まず、事故の概要でございますが、昨日、六月十一日、午前六時半頃、沖縄本島の南方の海上におきまして、飛行中の米空軍第十八航空団所属F15戦闘機一機が墜落いたしまして、搭乗者一名が緊急脱出を行ったというふうに承知しております。

これを受けまして、航空自衛隊那覇救難隊のU125一機、UH60一機を発進させ、七時二十三分頃、現場海域におきまして搭乗者を発見いたし、七時四十三分頃、救出を完了いたしました。これらの内容につきましては、沖縄県を始めとする関係自治体に対しまして情報提供を行ったところでございます。

なお、委員御指摘の、F15の墜落件数が航空機全体の中でも特に多いという御指摘がございましたが、沖縄県の統計は、墜落だけではなく、飛行中に部品をなくして見付からないといった様々な事案を含んでいるものというふうに思われますし、また、航空機の安全性を議論する際には、各機種の配備機数や飛行時間等、様々な要素を勘案することが必要であることから、一概に事故件数だけをもってF15が危険であるというふうに判断することはできないものというふうに考えております。

ただ、その上で申し上げれば、もとより米軍機の事故はあってはならないものでございます。安全の確保は米軍にとっても最優先の事項であり、これまでの事案においても原因究明や再発防止に自ら徹底して取り組んできていると承知しております。

昨日発生いたしましたF15墜落事案につきましても、米空軍第十八航空団が、運用、整備、安全確保のための手順を部隊関係者と見直す間、一時的に嘉手納基地のF15による現地での訓練飛行を中止いたし、米軍乗組員及び地域住民の安全確保を最優先事項として取り組んでいるというふうに承知しております。

また、防衛省といたしましても、昨日、地方協力局長及び沖縄防衛局長から、米軍に対しまして、安全管理や再発防止の徹底について米側に強く求めたところでございます。

情報が得られ次第速やかに地元の皆様にお知らせするなど、地元の方々に不安を与えることのないようしっかりと対応してまいりたいというふうに考えております。

糸数慶子君

F15は一概に危険とは言えないということを伺って、本当に怒りが沸いてまいります。

こういう事故の、あるいは事件の数多くある米軍のこの問題でございますが、私は、沖縄の基地問題は、人権問題、そして沖縄県民に対する差別問題であるというふうに訴えております。ただいまの答弁伺いましても、まさにそういう気持ちが改めて沸いてまいりますが、日本政府による基地の沖縄への押し付けが沖縄県民の命と暮らしを脅かしているということではないでしょうか。

今回のF15の墜落事故、また沖縄県内への配備継続というのは、県民の人権そして生命をないがしろにするものであり、強く抗議をいたします。

引き続き、民法改正案の質疑に入りたいと思います。

地方消費者行政関係について伺います。

法制審議会の言う消費者被害の拡大のおそれ等の問題点の解決に資する施策には、若年者が消費者被害に遭ったときにすぐに相談できる相談体制が必要であります。そのためには、各地方自治体での相談窓口の拡充や消費生活相談を処理する体制の充実が必要です。

そのような体制づくりのために、地方消費者行政についてどのような財政的支援が予定されているのか、消費者庁に伺います。

政府参考人(井内正敏君)

お答え申し上げます。

委員御指摘のとおり、地方消費者行政の充実に向けては、どこに住んでいても質の高い相談、救済を受けられ、安全、安心が確保される地域体制を全国的に整備することが重要であると考えております。

従来の地方消費者行政推進交付金等におきましては、消費生活センターの設立や消費生活相談員資格の取得促進などの地方消費者行政の基盤となる体制整備の立ち上げ支援を行ってまいりました。

平成三十年度に新たに創設しました地方消費者行政強化交付金におきましては、主として若年者への消費者教育や訪日・在日外国人向け相談窓口の整備などの、国として取り組むべき重要消費者政策の推進に資する取組を支援していくこととしております。

なお、地方消費者行政は自治事務とされており、地方公共団体において地方消費者行政を自らの事務として定着させ、消費者安全法に基づいて安定的に取り組んでいただく必要があり、そのため、自主財源に裏付けられました消費者行政予算の確保を促すということもしておりますけれども、一方で、消費者行政にとりまして、地方の現場の取組というのは極めて重要であることから、三十年度以降も、平成二十九年度までに地方消費者行政推進交付金等を活用し行ってきた消費生活相談体制の整備等の事業を地方消費者行政強化交付金の推進事業としまして引き続き支援することとしております。

糸数慶子君

地方消費者行政についての予算措置はどうなっているのでしょうか。特に、二〇一七年度まで三十億円という規模で行われてきた地方消費者行政推進交付金が二〇一八年度からなくなって、先ほどもありましたが、新たに地方消費者行政強化交付金が二十四億円というふうに減額されています。しかも、地方消費者行政強化交付金は、地方消費者行政強化事業が特定とされていて、その事業の二分の一のみを補助することになっています。

このように、使途が限られているため、地方では自由に地方消費者行政に予算を使えないという状況になっておりますが、センターの規模縮小、消費者教育啓発関係の事業削減などに至っているというふうに聞いております。

成年年齢引下げに対応するための地方消費者行政を充実するという方針と反するのではないでしょうか。上川大臣にお伺いいたします。

政府参考人(井内正敏君)

お答え申し上げます。

消費者庁では、地方消費者行政の充実強化を図るため、消費生活センターの設立や消費生活相談員資格の取得促進などの地方消費者行政の基盤となる体制整備の立ち上げ支援としまして、地方消費者行政推進交付金等により、消費者庁設立以来、総額五百四十億円の支援を行ってまいりました。

これにより、消費生活センターの増加など着実な成果も見られる一方で、人口五万人未満の市町村の五〇%以上で消費生活センターを設置しているのは十九道府県にとどまり、消費生活相談員の資格保有率が七五%以上であるのは二十四都府県、人口五万人以上の全市町で消費者安全確保地域協議会、見守りネットワークと申しますけれども、の設置が進んでいるのは一県のみにとどまっておりまして、目標達成については道半ばというふうに認識しております。

地方消費者行政強化作戦の目標を達成し、地方公共団体において安定的に取組を進めるためには、自主財源に裏付けられた消費者行政予算の確保が重要であるということから、消費者庁としましては、知事等に対しまして自主財源に裏付けられた消費者行政予算の確保を働きかけることにより、地方による消費者行政の安定的な取組を促進してまいりたいと考えております。

あわせまして、国からの地方消費者行政強化交付金による支援につきましても、若年者への消費者教育や訪日・在日外国人向け相談窓口の整備など、地方消費者行政の充実強化に向けて国として支援すべき内容を整理し、地方の現状も踏まえつつ更なる支援の充実について検討を行い、必要な予算の確保にしっかり努めてまいりたいというふうに考えております。

糸数慶子君

全体的には、地方自治体の判断によって予算が使えなくなり、使い勝手が悪くなって、現実に地方消費者行政の縮小につながっているということを強く指摘をしたいと思います。成年年齢引下げに対応するために地方消費者行政を充実するというその方針とは反するのではないですか。これ、上川大臣にお伺いいたします。

先ほども質問いたしましたけれども、今、消費者庁政府参考人が答弁されましたことに対して、上川大臣、どうお考えでしょうか。

国務大臣(上川陽子君)

地方消費者行政に対しての御意見ということで、先ほど来の御質問ございました。

まさに、消費者庁の所管ということでございます。この成年年齢引下げに伴いまして、様々な課題につきまして御懸念も含めて御意見をいただいているところでございます。関係府省の連絡会議におきましても、そうしたことの問題につきましては十分に問題を共有し、また、その対策については進捗管理も含めて十全なる対応をしてまいりたいというふうに考えております。

糸数慶子君

よろしくお願いいたします。

次に、消費者契約法以外の特定商取引法関係について伺います。

若年者の消費者被害防止についてでありますが、消費者契約法以外の法律制度も重要であります。若年者が被害に遭いやすいマルチ取引、エステ、キャッチセールス、インターネット取引などについては特定商取引法の対象となっています。こちらについては法規制が掛かり、違反があれば業務停止や指示など行政処分の対象となります。

十八歳、十九歳の未成年者取消し権を奪うという点からすると、特定商取引法で定められている類型の取引については特にトラブルが起きやすいので、事業者に知識、経験、財産状況に照らして不適当でないことの確認義務を課し、不適当である者への勧誘を禁止し、さらに、確認義務違反の場合は取消しができると定めることも考えられるのではないでしょうか。消費者庁政府参考人に伺います。

政府参考人(東出浩一君)

御指摘の消費者の財産ですとか知識、経験の関係でございますけれども、こちらにつきましては、現行の特定商取引法におきましても、連鎖販売取引などに関しまして、いわゆる適合性の原則と申しまして、事業者が消費者の知識、経験、財産の状況に照らして不適切と認められる勧誘行為を行うということは禁止をされております。これに違反いたしますと、行政処分の対象になるということでございます。

したがいまして、事業者といたしましてはこの規制を守るということが必要でございますので、必要な場合には消費者の方の知識、経験というのを確認するということになると思われますし、消費者庁の調査が入ったというような場合に対しましては、ちゃんとやっていますということを弁明するためにもそういうことを確認するということになろうかというふうに考えております。

一方、これらの取引につきまして、全て確認義務を課すということにいたしまして、なおかつ確認義務違反については取消しということになりますと、消費者の方は、その財産の状況の個人情報につきまして必ずしもその事業者の方に容易に出していただけるということではないということも考えられますので、事業者の方には相当の負担が生じるのではないかというふうに考えられます。そういたしますと、遵法意識の高い事業者につきましては、そういう負担の関係でもうその事業が続けられないということで退出をしてしまって、悪質な事業者だけが残るということも懸念されるところでございます。

そうしたことを考えますと、一律にということではなくて、悪質な行為に限って規制を掛けていくということが適当だというふうに考えておりまして、消費者庁といたしましては、適合性の原則などの特定商取引法の規定に違反した事業者に対しましては厳正な法執行ということを行いまして、若年者を含む消費者被害の防止にしっかりと取り組んでいくこととしております。

糸数慶子君

マルチ商法被害は若年者が被害に遭いやすく、その被害は精神的にも大きく深刻と言えます。マルチ商法は特定商取引法上は連鎖販売取引として規制されていますが、その被害の深刻性から考えると、若年者、特に十八歳、十九歳に対して勧誘を全面的に禁止するということが考えられるべきではないでしょうか。お伺いいたします。

政府参考人(東出浩一君)

御指摘のマルチ取引ですけれども、特定商取引法上は連鎖販売取引ということになっておりますけれども、十八歳、十九歳の若者につきまして連鎖販売取引の勧誘を全面的に禁止するということにつきましては、そういう一定の年齢幅で線引きをいたしますと、そこから外れたところに被害が集中するのではないか、あるいは、全面的に禁止とするということにいたしますと、どういう行為が対象になるかということにつきましてきちんと要件を定めるということが必要になろうかと思いますけれども、そうしますと、かえって脱法という問題が出てくるのではないか。

それから、十八歳、十九歳、民法の年齢が引下げということになりますと、民法上の成年として各種の法律行為が行うことができるということになるわけですけれども、連鎖販売だけについては、そういうものについても、事業者の方に不当な行為がない場合、これも一切駄目だということについてはどういうふうに理由を付けられるかといういろいろな問題があるというふうに考えております。

したがいまして、悪質な行為について規制を掛けていくということが適当だというふうに考えております。

いずれにいたしましても、現行法上、連鎖販売取引につきましては、適合性の原則に違反してはいけないとか迷惑勧誘をしてはいけないというような規定がございますので、そういう規定をしっかりと執行していきたいというふうに考えております。

糸数慶子君

若年者の被害が高額化するのは、クレジット利用やキャッシング利用によります。割賦販売法と貸金業法によってそれぞれ与信審査の規制が行われていますが、若年者については厳格にすべきではないでしょうか。経産省と金融庁にそれぞれ伺います。

例えば、割賦販売法については、収入額の確認については、自己申告ではなく書面を求めるべきだと思います。少なくとも五万円を超えるクレジットについては資力審査を行うべきだと思いますが、いかがでございましょうか。経産省に伺います。

政府参考人(小瀬達之君)

お答え申し上げます。

割賦販売法につきましてお答え申し上げます。

割賦販売法では、契約者が過大なクレジット債務を負担することを防止するため、クレジット事業者に対して、与信審査に際し、申込者がクレジット債務の支払に充てることが可能と見込まれる額を調査すること、いわゆる支払可能見込み調査を義務付け、当該額を超えるクレジット契約を締結することを禁止しているところでございます。

ただいま、議員よりは、その収入額の確認につきましては書面を求めるべきであること、あるいは五万円を超えるクレジットについては資力審査を行うべきではないかとの御指摘がございましたけれども、こういう与信審査につきましては、消費者保護とともに、消費者の利便性の観点、あるいはプライバシー保護の観点も含めて総合的に勘案していく必要があるというふうに考えているところでございます。

なお、クレジット事業者の業界団体でございます一般社団法人日本クレジット協会の調査によりますと、学生など若年者に対しましては、多くのクレジット事業者におきましてクレジットの限度額を少額に設定する取組を自主的に行っているということでございます。

ただ、いずれにおきましても、引き続き状況やニーズを見極めていく必要があるというふうに考えてございます。

成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省連絡会議におきましても、クレジットに係る与信審査の厳格化に取り組むというふうにしているところでございます。割賦販売法の運用状況並びに業界の自主的な取組の状況を注視しながら、若年者を含めた消費者保護に万全を期していきたいというふうに考えてございます。

糸数慶子君

最後になりますが、貸金業法について、自社貸付けで一定限度を超えなければ自己申告で足りることになっていますが、書面を求めるなどすべきではないでしょうか。金融庁にお伺いいたします。

委員長(石川博崇君)

時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いいたします。

政府参考人(水口純君)

お答えいたします。

貸金業法についてのお尋ねでございました。

貸金業法におきましては、貸金業者は、資金需要者に対するいわゆる過度な貸付けを防止するという観点から、いわゆる年収の三分の一を超える貸付けというのは禁止されてございますし、顧客の返済能力調査ということで、顧客に対する自社貸付けの合計金額が五十万円を超える場合には源泉徴収票などの資力を明らかに、書面提出を受ける必要がございます。

金融庁といたしましては、まずは貸金業者にこうした業法上の規定をしっかり遵守させるということが若年者に対する過大な貸付け防止の意味で重要であると考えてございまして、当局の検査監督、さらには自主規制機関である日本貸金業協会の監査等を通じまして法令遵守の実効性確保に取り組んでいるところでございます。

さらに、委員御指摘のとおり、法令上は自社貸付けが一定限度を超えなければ源泉徴収票を提出する必要はございませんけれども、その場合でございましても、貸金業者の中には、若年者につきまして、例えば年収証明を提出する場合がない場合でも、勤務先の在籍確認等を行うことによりまして返済能力を実施する取組ですとか、若しくは、若年者に対する貸付けの上限額を一定額に抑える取組を行っている業者もあると承知しております。

こうした状況を踏まえまして、当局といたしましては、まずはこれらの協会若しくは貸金業者の取組をより一層推進していくことが重要だと考えてございますが、金融庁といたしましては、引き続き、成年年齢の引下げに伴って若年者が過大な債務を負担する事態が生じないように、若年者への更なる啓発活動も含めまして、関係省庁、業界団体と連携し、今後とも適切に対応してまいりたいと考えてございます。

糸数慶子君

終わります。ありがとうございました。