国政報告

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外国人研修制度の適正化策、出入国管理及び難民認定法改正案

第192回国会 2016年11月15日 法務委員会

糸数慶子君

沖縄の風、糸数慶子です。

十一月の十一日、福岡拘置所において一名に対して死刑が執行されました。日弁連は、本年十月七日に開催されました第五十九回人権擁護大会において死刑制度の廃止を含む処罰制度全体の改革を求める宣言を採択し、二〇二〇年までに死刑制度の廃止を目指すべきであると宣言しております。

犯罪により命が奪われた場合、失われた命は二度と戻ってこないわけですから、このような犯罪は決して許されるものではなく、犯罪により身内の方を亡くされた遺族の方が厳罰を望むことはごく自然なことであり、その心情は十分に理解できます。

人権を尊重する民主主義社会であろうとするこの社会において、犯罪被害者あるいはその遺族に対する十分な支援を行うとともに、死刑制度を含む刑罰制度全体を見直す必要があるというふうに思います。国際社会においては死刑廃止に向かう潮流が主流であり、死刑制度を残し、現実的に死刑を執行している国は世界の中では少数にとどまっているということを申し上げて、質問に入りたいと思います。

外国人研修制度の適正化策についてお伺いいたします。

技能実習生が問題を訴えやすい環境の整備について伺います。

十一月十日の参考人の意見陳述では、旗手明参考人の発言として、下からの規制といいますか、問題があったら技能実習生がそのことを訴えることができるという体制づくりということが重要ではないかというふうに考えておるところです、簡単に強制帰国されないような環境、あるいは問題があれば実習先の変更が可能であるような環境、それから権利行使の場合に、多くの技能実習生は実習実施機関の有する寮のようなところにいることが多いわけですので、非常に声を上げるのは大変です、ですから、シェルターのような、身を守りながら訴え出るということが可能なような措置を具体的に講ずる必要があるだろうというふうに考えておりますと指摘をされました。

法務省、厚労省において、この点についてどのように検討されているか、改めてお聞かせいただきたいと思います。

政府参考人(井上宏君)

旗手参考人から幾つかの提言がございました環境づくりに関しまして、まず最初に、簡単に強制帰国されないような環境づくりという御指摘がございました。この点につきまして、本法案におきましては、実習実施者や監理団体に対し、技能実習生に技能実習を行わせることが困難となったときは、遅滞なく、技能実習継続のための措置等を主務大臣に届け出なければならないこととしております。そして、その届出は技能実習生の帰国前に行わせることを予定しておりますことから、事前に主務大臣がその状況の確認を行うことが可能になると認識しております。また、入国管理局におきましては、本年九月から、空港等で技能実習生に対して入国審査官による出国の意思確認を行っておりまして、帰国を強制されているか否か、経緯も含めて丁寧に聴取することとしております。

もう一つ、問題があれば実習先の変更が可能であるような環境づくりの御指摘もございましたが、新法案におきましては、実習の継続が困難となった場合には、実習実施者や監理団体に実習の継続のための措置を主務大臣に届け出る義務を課した上、主務大臣や外国人技能実習機構において必要な支援を行うこととしております。

政府参考人(宮野甚一君)

残りの御指摘二点についてお答えをいたします。

まず、技能実習生が問題を訴え出ることができる体制につきましては、新たに設立をいたします外国人技能実習機構の相談窓口におきまして、使用する実習生数の多い母国語での相談を受け付け、内容に応じて適切に申告につなげていくよう検討しているところでございます。

続きまして、もう一点、シェルターの関係でございますけれども、実習実施者等による人権侵害等により、実習生がそれまでの受入れ機関が用意した宿舎に滞在し続けることが困難な事情があると認められる場合、新たな実習実施者等による宿舎の確保等までの間、安心して利用することができる宿泊先を確保、提供する等の援助を予定しているところでございます。

糸数慶子君

次に、受入れ人数枠の拡大について伺います。

受入れ人数枠の拡大については、法案第九条十一号において主務省令に委ねられています。受入れ人数枠は、現在、実習実施機関の常勤職員数の数が二十人、これに対して技能実習生が一人、これが原則となっておりますが、特別枠が設けられ、五十人以下の実習実施機関で一律三人、これ三年間で九人の受入れが可能というふうにされております。

この点に関して、有識者懇談会報告書では、優良な受入れ機関では現行の二倍程度まで拡大するとしています。その結果、優良な実習実施機関では、期間延長と受入れ枠拡大の結果、例えば、常勤職員十人未満の企業でも、従来の三人掛ける三年は九人、そして六人掛ける五年、これは三十人の技能実習生を受け入れることが可能となりますが、これではとても制度目的が果たせるとは思いません。ちなみに、団体監理型の実習実施機関の規模を見ますと、二〇一四年で十人未満のところが五〇・九%と半数を超えています。他方、百人以上は六・五%にすぎません。

技能実習制度の目的を達成する観点からは、例えば実習実施機関が受入れ可能な技能実習生総数を実習実施機関の常勤職員を超えてはならないとするなど、受入れ人数枠の上限を法律で定めるべきであるというふうに考えます。適正化策が効果を発揮し、制度改善が確認される状況となってから実施すべきものと考えるが、どうでしょうか、お伺いいたします。

政府参考人(井上宏君)

お答えいたします。

まず最初に、受入れ人数枠の上限を法で定めるべきではないかというお尋ねがございました。

受入れ人数枠の拡大につきましては、技能を的確に修得させることを含め、適正な技能実習の実施が可能かどうかという観点から検討すべきものと考えておりまして、適正に技能を修得させる高い能力を有する優良な実習実施者が、監査等の業務の遂行に高い能力を有する優良な監理団体の下で実施する場合に限り、拡大された人数枠での受入れを認めることを想定しております。

すなわち、優良な受入れ機関の基準を定める中で、技能検定の合格率や技能実習生に対する相談体制、指導体制等を考慮要素とすることによりまして、技能移転による国際貢献という制度の趣旨に沿って適切に技能実習を実施できる機関だけを優良な機関として取り扱うような仕組みとすることを考えております。具体的には、より多くの技能実習生を受け入れた結果、技能検定の合格率が一定程度下がるなどすれば、優良性の要件を欠くことにもなるような優良基準を検討することとしております。

なお、現行制度におきましては、監理団体の法人形態や対象職種によって技能実習一号で受け入れることができる技能実習生の人数の上限を定めておりますが、例えば常勤職員数が五十人以下の場合は三人までなどと定める際には、常勤職員の総数を超えてはならないという要件も付加しているところでありまして、この付加要件につきましては、新制度における優良な受入れ機関の受入れ人数枠についても同様の上限を設ける予定でございます。

それからもう一つ、受入れ人数枠の拡大は適正化策が効果を発揮してから実施すべきではないかとのお尋ねもございました。

受入れ人数枠の拡大等の今回の制度拡充は、優良な受入れ機関に限って拡充を認めることによりまして技能実習制度の活用を促進するものであり、速やかにこれを行うことが国際貢献という制度の趣旨にかなうものであります。また制度の拡充は、技能実習の適正な実施へのインセンティブを高めることにもつながることから、新制度の施行と同時に実施するのが相当と考えております。

糸数慶子君

有識者懇談会の報告書では、実習実施機関の受入れ人数枠の均斉化として、これは、常勤職員数が五十人以下の場合について、三十人以下は三人、三十一人以上四十人以下は四人、四十一人以上五十人以下は五人までという提案もなされています。これは、優良な機関でなくても受入れ人数増を図ることにもつながり、ただでさえ問題山積みの現状のまま、単なる拡大を許容するものとなっています。

こうした拡大策は適正化とも結び付かないものであり、やめるべきだと考えますが、どうでしょうか、伺います。

政府参考人(井上宏君)

お答えいたします。

現行の上陸基準省令で、実習実施機関の常勤職員数を基準として技能実習生の受入れ人数枠を設けているのは、実習実施機関における十分な指導体制を確保するためのものであります。この点、現状で発生している不正行為の多くは賃金不払等の労働関係法令違反でございまして、これは受入れ機関の常勤職員数が少ないために十分な指導体制を確保できていないことに起因して生じているものではなく、指導体制の観点からは、現行制度の受入れ人数枠に特に問題はないと考えられます。

御指摘の有識者懇談会報告書における人数枠に係る提言は、現行制度における受入れ人数枠が五十人以下は一律で三人となっており、よりきめ細かな人数枠の設定が必要であるとの指摘を受けているところでありまして、優良な監理団体に認められる受入れ人数枠の拡大とは趣旨が異なるものでございます。すなわち、現在の枠組みでの技能実習生の受入れ人数枠は、常勤職員数三人から五十人までの場合は一律に三人、五十一人から百人までの場合は一律に六人とされておりまして、その結果、実習実施機関の常勤職員数が五十一人から五十人に一人減少した場合に受入れ人数枠が六人から三人に半減することとなるわけでございます。

このように、実習実施機関の常勤職員数が僅か一名変動することにより技能実習生の受入れ可能枠が大きく変動することは、受入れ機関の安定した技能実習の実施に影響を生じることとなり、好ましくありません。したがいまして、受入れ人数枠の変動が大きくなり過ぎないよう、常勤職員数が四十一人から五十人の受入れ機関については五人、三十一人から四十人の受入れ機関は四人とし、変動幅を抑えたきめ細かな均斉化を図った結果として、受入れ人数枠が現行より増えることとなるものでございます。

このように、受入れ人数枠の均斉化は、安定した技能実習制度の適正な運用に資するものであると考えております。

糸数慶子君

では、次に出入国管理及び難民認定法改正案についてお伺いいたします。

仮放免取消しの際に、入国管理局が禁止するという在留活動があるというふうに伺いました。そのレベル分けについてお尋ねいたします。具体的には、次の活動は禁止されるべき在留活動に当たるのでしょうか。一、呼吸をすること、二、睡眠を取ること、三、食事をすること、四、家族、知人と会話をすること、五、運動すること、六、買物をすること、七、就労すること、以上について伺います。

政府参考人(井上宏君)

仮放免取消しの際の条件につきましてのお尋ねでございます。

退去強制令書が発付された者を収容するのは、送還可能なときまで身柄を確保し、その在留活動を禁止することが目的でございます。仮放免の許可は、諸般の事情を勘案して一時的にその者の収容を解くことですが、あくまで仮の放免であることから一定の条件が付されます。この一定の条件につきましては、入管法の施行規則によりまして、住居の指定、行動範囲の制限、職業又は報酬を受ける活動に従事することの禁止などと定められておりまして、お尋ねの七項目のうち就労活動につきましては、職業又は報酬を受ける活動として当該規則により禁止されるものでございます。そのほかの六項目につきましては禁止するような活動ではございません。

糸数慶子君

次に、難民認定の具体的なプロセスはどうなっているのかをお伺いいたします。

蓋然性の高い案件はどのように検討されるのでしょうか。具体的には、難民調査官が聴き取りを行った後に法務大臣が認定若しくは不認定とするまでの、このプロセスについてお伺いをしたいと思います。

政府参考人(井上宏君)

まず、難民認定の具体的なプロセスについてのお尋ねがございました。

難民認定申請が行われますと、これは地方入国管理局等におきましてこれを受理することになります。そして、難民調査官が面接による事情聴取等の必要な調査を行いまして、その調査の結果を踏まえた難民調査官の意見を付しまして、地方入国管理局長等から法務大臣に対して案件が進達されてまいります。進達された案件につきましては、難民の認定に関する事務を所掌する法務省入国管理局内の難民認定室におきまして難民該当性に係る検討を行って、法務省内での決裁を行って最終決定するということになるプロセスでございます。

次に、難民認定申請の中には今いろいろなレベルのものがございますが、その中で特に、難民認定の蓋然性の高い案件についてどのような取扱いかというお尋ねでございました。

そのような難民認定の蓋然性が高い案件に係る判断につきましては、これは、基本的には他の案件と同様に、先ほど申し上げましたプロセスで事務を行うことになりますけれども、昨年九月に策定いたしました第五次出入国管理基本計画におきまして、「真に庇護すべき者とそうでない者を明確に区別し、事案の内容に相応した適正・迅速な案件処理を行っていく」としておるところでございますので、それに従って、真の難民を迅速に保護する観点から、そのような蓋然性の高い案件は優先的に処理するように努めております。

糸数慶子君

次に、保護対象の明確化についてお伺いしたいと思います。

上川元法務大臣が、二〇一五年の九月十五日に制定した第五次出入国管理基本計画においては、「保護対象の明確化に関しては、いわゆる「新しい形態の迫害」の申立てについて、入管法第二条第三号の二に規定する「難民」、すなわち難民条約の適用を受ける難民への該当性を的確に解釈することにより保護を図っていくべく、そのための仕組みを構築する。」とあります。

この仕組みの構築の進捗状況はどのようになっているのでしょうか。また、新しい形態の迫害により認定をされた人の人数は何人か、そして、どのようなケースがこれに当てはまるのでしょうか、説明をお願いいたします。

政府参考人(井上宏君)

お答えいたします。

委員の御指摘の件につきましては、昨年九月に法務省が公表した難民認定制度の運用の見直しの概要の中で、まず、保護対象の明確化による的確な保護を図る一環といたしまして、いわゆる新しい形態の迫害を申し立てる者が難民条約の適用を受ける難民の要件を満たすか否かの判断に関しまして、難民審査参与員が法務大臣に提言をし、法務大臣がその後の難民審査の判断に用いるようにするための仕組みを構築することとしております。

具体的には、女性に対する重大かつ深刻な性的虐待を始めとしたジェンダーに起因する迫害のおそれが認められるものなどを想定しておるところ、既に幾つか難民審査参与員からの御提言をいただいておりまして、それを恒常的に判断の基準とするか否かについて、諸外国の実例なども参考にしながら検討を行っているのが現状でございます。

なお、個別の事案におきましては、こうした新しい形態の迫害という観点をも考慮いたしまして、人道配慮による在留を認めた案件がございます。

糸数慶子君

今、難民問題について提言するために設置された政策懇談会があるわけですが、第六次政策懇談会難民問題専門部会から提言があった検討内容は実施されているのでしょうか。具体的に申しますと、先ほどちょっとお話もありましたが、新しい形態の迫害、例えばそのジェンダーに起因する迫害なども含む補完的保護制度を活用すべきとの提言があったわけですが、現在、それはどうなっているのでしょうか。

政府参考人(井上宏君)

お答えいたします。

第六次出入国管理政策懇談会の下に設置されていた難民認定制度に関する専門部会からは、保護対象の明確化による的確な庇護、手続の明確化を通じた適正・迅速な難民認定、認定判断の明確化を通じた透明性の向上及び認定実務に携わる者の専門性の向上のこの四分野に関する提言がございまして、入国管理局におきましては、これらの提言を踏まえて運用の見直しを検討し、昨年九月に第五次出入国管理基本計画にその方向性を盛り込むとともに、難民認定制度の運用の見直しの概要としてその内容を取りまとめ、現在、その実現に向けて取り組んでいるところでございます。

委員の御質問では、新しい形態の迫害の点と補完的保護制度の点について特に言及がございましたが、第六次出入国管理政策懇談会の提言におきましては、このうち、新しい形態の迫害の問題と補完的保護の問題につきましてはそれぞれ別の対応が求められているところでございます。このうち、新しい形態の迫害につきましての検討状況は、先ほどの答弁で御説明したとおりでございます。

そこで、補完的保護の関係につきまして御説明申し上げますと、補完的保護につきましては、一般的に、難民条約の解釈によっては難民とは認定されないものの、各種の理由から重大な危害に直面するおそれがあるため本国への帰還が可能でないか望ましくない者に対しまして、国際的な人権、人道上の規範によって国際的保護の機会を付与する考え方と理解しておるところでございます。

当局におきましては、例えば平成二十三年以降、シリア人の難民認定申請者に対しましては、難民認定をしない場合であっても我が国での在留を認めておるところでございますが、このように従来から、紛争避難民など本国情勢等を踏まえて人道上の配慮が必要と認められる場合には我が国への在留を認める措置をとっているところでございます。

また、先ほど申し上げました運用の見直しにおきましては、武力紛争による本国情勢の悪化による危険などから我が国に逃れてきた者等について、我が国での紛争待避機会として在留許可を付与すべき対象を明確にするため、人道上の配慮により在留許可を行った事案及び判断のポイントについて公表するとしておりますが、本年三月、その事案及び判断のポイントについての公表をしたところでございます。

入国管理局といたしましては、引き続きこのような取組を通して、国際的な保護を要する者の適切な保護に努めてまいります。

糸数慶子君

難民申請者の出身国が現在どのような状況にあるかは、難民該当性を判断するに当たり非常に重要なことであります。その出身国情報拡充のために、国連、UNHCRなどとの情報の共有はどこまで図られているのでしょうか、お伺いいたします。

政府参考人(井上宏君)

お答えいたします。

入国管理局におきましては、各国政府機関の報告や出身国に関する報道、UNHCRが保有する情報等、申請者の出身国情報や国際情勢に関する情報を幅広く収集し、それを法務省及び地方入国管理局等が共有しておりまして、難民調査官等はこれらの情報を十分に参照、活用しておるところでございます。  UNHCRからの情報提供につきまして説明いたしますと、例えば、国際的保護に関するガイドライン等の文書の提供を受けて審査に活用できるようにしておるところでございます。また、UNHCR等の国際機関や諸外国の政府等が公表する関連情報にアクセスできるウエブサイトのリストも法務省及び地方入国管理局等において共有しておりまして、審査に活用できるようにしております。

糸数慶子君

第五次出入国管理基本計画では、認定判断に関する諸外国の事例についても幅広く収集、参照することにより、認定実務における調査、判断の質の向上を図るとあります。また、諸外国の事例、これは認定事例、不認定事例などあるわけですが、その資料を有効活用するための仕組みを構築するべきであるとされておりますが、出身国情報の共有、そして翻訳は進んでいるのでしょうか。また、民間に何か公表する予定はあるのでしょうか、お尋ねいたします。

政府参考人(井上宏君)

まず、委員御指摘の提言でございますが、認定判断に関する国内の実務先例や裁判例のみならず、諸外国の事例についても幅広く収集、参照することにより、認定実務における調査、判断の質の更なる向上を図る等、当該資料を有効活用するための仕組みを構築すべきであるという旨のものでございますが、これは第六次出入国管理政策懇談会から平成二十六年十二月に提出された報告書にあるものでございます。

いずれにいたしましても、出身国情報及び諸外国の認定、不認定事例に関する情報の共有につきましては、これは従来より法務省及び地方入国管理局等が取得した情報を共有して、難民調査官等が活用できる環境を整備しております。また、諸外国の政府やUNHCR等の国際機関等が公表する出身国情報や諸外国の難民認定関係の裁判例等にアクセスできるウエブサイトのリストを共有し、難民調査官において最新の情報を審査に活用できるようにしていることも述べたとおりでございます。

なお、出身国情報等の翻訳につきましては、米国国務省報告及びイギリス内務省報告等について翻訳したものを共有しております。出身国情報等の公表につきましては、法務省のウエブサイトにおきまして現在四十三か国に関する米国国務省報告及びイギリス内務省報告を翻訳したものを公表しておるところでございます。

糸数慶子君

今四十三か国の情報があるということでありますが、それを調査官や難民審査参与員が参照する運用は始まっていますでしょうか。諸外国事例からの規範的要素の明確化のための抽出作業は行われているのでしょうか。また、既に構築は終了しているのでしょうか。あわせて、どのようなタイムスケジュールでこのような行程を予定しているのか、お決まりでしたらよろしくお願いしたいと思います。

政府参考人(井上宏君)

順次お答えを申し上げます。

まず、出身国情報等の参照・活用状況でございますが、入国管理局におきましては、積極的に出身国情報を収集しているのは、まさに難民調査官や難民審査参与員が申請者の難民該当性を的確に判断するためでありまして、当然のことながら既に十分に参照、活用されております。また、UNHCRの協力も得つつ、難民調査官等が申請者の出身国情報等を適切に活用できるようにするための研修も実施しております。

次に、規範的要素の明確化に関してでございますが、規範的要素の明確化につきましては、昨年九月に法務省が公表した難民認定制度の運用の見直しの概要における、保護対象、認定対象及び手続の明確化の中で、明らかに難民認定又は難民不認定とすべき事案に係る判断要素、例えば迫害主体や迫害要因などですが、そのような判断要素に関しまして、難民審査参与員が法務大臣に提言をし、法務大臣がその後の難民審査の判断に用いるようにするための仕組みを構築するとともに、難民該当性に関する判断の規範的要素を可能な限り明確化するよう、認定、不認定事案の公表を拡充し、判断のポイントについても公表することとしております。

そこで、当局といたしましては、難民審査参与員から諸外国の難民認定手続に関しても提言をいただくこととしているとともに、本年三月には認定、不認定事案について、事案数を拡充した形で判断のポイントを付記したものの公表を行ったところでございます。

入国管理局としましては、引き続きこのような取組を通して、難民該当性に関する判断の規範的要素の明確化に努めてまいります。

また、タイムスケジュールについてのお尋ねもございました。

規範的要素の一般化、明確化についてでございますけれども、先ほど御答弁申し上げましたとおり、昨年九月に公表した運用の見直しの概要におきまして、明らかに難民認定又は不認定とすべき事案に係る判断要素に関して、難民審査参与員が法務大臣に提言して、それを難民審査の判断に用いるようにするための仕組みを構築することとしておりまして、その際には、諸外国の実例についても提言の中に含めていただいた上で、当局において検討を行っているところでございます。そして、判断のポイントを明確にした認定、不認定等の事例を取りまとめた上で定期的に公表することとしてございます。

いずれにいたしましても、政策懇談会などからの報告書、提言の趣旨を踏まえまして、難民認定申請の審査の適正を期するため、難民該当性に関する判断の規範的要素の一般化及び明確化に継続的に取り組んでまいりたいと考えております。

糸数慶子君

時間が参りましたので終わりますが、通告をしておりますまだ積み残しがございますが、次の機会にお伺いします。

ありがとうございました。