国政報告

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外国人研修制度の適正化策、出入国管理及び難民認定法改正案 ※参考人質疑

第192回国会 2016年11月10日 法務委員会

糸数慶子君

沖縄の風の糸数慶子です。

本日は、参考人の先生方には本当に貴重なお話をいただきましてありがとうございました。

先ほども佐々木委員からもありましたけれども、実は先日、この委員会で視察をさせていただきました。東京の二か所の研修生を受け入れている施設でありましたが、二か所ともとてもうまくいっているケースで、大変整っている場所でありましたので、こういう状況でうまくいっているといいなと実は率直な感想を持ちました。

例えば大田区の方では、中小企業ですが、食事にも配慮をして、例えばハラルフードを用意をしたり、それから研修生本人たちの意思を尊重して、そして確認をし、雇用主と研修生が互いに助け合って必要としているというような状況がよく見える大変理想的な施設でありましたけれども、今日の議論をいろいろ聞きましても、これまでのこの委員会でのやり取りを見ましても、全てがそういう状況にあるとはもちろん思えないわけですね。でも、この回った二か所の方では、やはり現地での聞き取りにおいて、特に雇用主の側は、今、日本では、高校を卒業してその卒業した人を採用しても、一人集めるのにも大変苦労すると、苦労した人がそのままずっと勤めるという状況にもないので、やはりこうやってきちんと国と国同士が提携をして人を派遣してもらえる、こういう制度があるというのは大変助かるという感想を述べていらっしゃいました。

そして、その中で一人一人の研修生のお話を聞くチャンスがありましたけれども、三年、五年と言わずに、もう少しその期間を延ばしてほしいという、そういう実は企業の方からも研修生からも意見があったわけですけれども、そういう御意見について、今日の参考人三人の方々はどのように思われるか、レロンソン先生からまず最初にお伺いしたいと思います。期間の問題です。

参考人(レロンソン君)

ありがとうございます。

御質問の中では、三年から五年に希望されているかということですね。実際、ベトナムの実習生の中で、三年から五年にもし延長されたら喜んでいる人が非常に多いと実感しております。これ、やはりニーズあると思いまして、まず制度が認められたら、今度、企業さんですね、企業さんレベルで、仕事によって三年だけでいい、五年に延ばしてほしい、こういった実態があると思います。

例えば、特に弊社出している機械系、製造系の企業さんですね、機械加工を三年間でちょうどいいところに、仕事できるようになっている段階でもう帰らなければいけない。もっと本人は高いレベルの仕事を、段取りとかプログラミングとか設計とか、そういったもっと付随の作業、流れの、工程の勉強もしたく、その場合は希望者が多いと思います。その場合、企業さんも是非残ってほしい、こういったマッチングするケースは是非五年に延ばしていっていただきたいと思います。

中で、本人は元々三年だけで計画して、帰ったら仕事の、ベトナム国内で進路をもう既に考えている人は、もう五年は必要ないと考えている人もいるかもしれない。ですから、もし、三年から五年になるのが全員なるとは思えないと思います。そういったマッチング、日本に行く前の段階から、行ってから企業さんと本人の、お互いの、もっと仕事をしたい、もっとトレーニングしたい、そういったケース、マッチングがあれば五年に延長していっていただければと思います。

参考人(旗手明君)

この制度の本音のところで言うと、まあ三年間、比較的安い人件費で人を確保できるというのが、実態としてこの制度の本質だというふうに僕は考えていますが、そういうことだと思います。

それで、どういうことが起こっているかというと、まあ三年間で十分な業種もあるでしょうけれども、むしろこの三年という、要するに限られているということが技能移転の妨げになっている場合がある。どういうことかといいますと、受入れ企業からすれば、その人に投資をたくさんして、どんどん技術、技能を身に付けてもらう。場合によっては資格を取ってもらう。だけど、三年で帰られちゃう。せっかく資本を投下をしても回収ができない。だから、余り技能移転に熱心になれないということがあるわけです。ですので、五年に延ばせば、もしかしたらもう少し本腰を入れてやるかもしれないということはあるかもしれません。これは経済原理として当然あり得ることです。

それから、先ほどの本音からいえば、実習生自身は三年稼働よりも五年稼働で行った方が結局所得が増えるわけですので、それは本音のベースでいえば、五年に延ばすことは労使双方歓迎する可能性は高いと思いますね。

以上です。

参考人(斉藤善久君)

期間を五年程度に延ばすことについては、ベトナム側、実習生さんたちにとっても日本側にとっても需要のあるところであって、特に問題ないと思いますが、ただ一点気を付けたいのは、最初の意見陳述でも申しましたけれども、今、例えばベトナムでいえば、送り出し機関が取るサービス料ですよね、手数料、これが一年だったら千二百ドル、三年三千六百。これがそのまま五年だったら、じゃ六千とか、そんなことになってしまうとすると大変だなと。やっぱり五年間働けるとなったら、どうしても日本に来たいという人も増えるから、増えた分、市場原理でそういう手数料が上がっていく、紹介料、口利き料が上がっていくということは容易に考えられるので、そういうことにならないように送り出し側のベトナムの政府の方とかとよく調整して、ベトナム側と一体的な制度を構築する必要があると思います。

糸数慶子君

ありがとうございました。

続いて、介護の現場の方にも行きました。そこで、言語習得についてなんですが、例えば日本語には擬音語あるいは擬態語があったり、とても表現が難しい部分があるわけですね。ですから、例えば介護現場で、ずきずきするとか、それからもぐもぐしてねとかというような表現などを使うという状況のときには、こうした表現などはやっぱり一般的な日本語能力試験では測るのは大変難しいわけですね。

ですから、現行の言語、日本語の能力試験というのは、やっぱり書く、話すより読む、聞くが優先されているとも言われるわけですけど、それだけではコミュニケーション能力が担保できずに、この法案で規定する日本語能力試験のみでは不備があるように思うわけですけど、それについて先生方はどのような御意見をお持ちですか。斉藤先生の方からお願いします。

参考人(斉藤善久君)

それは現場で判断するしかないと思いますね。採用する段階で採用する施設がその人をちゃんと見極めて、できるかどうかですね、するのがよろしいかと思います。

参考人(旗手明君)

日本語能力のことは非常に重要といいますか、最近私どもの関係の団体に入ってくる相談では、ベトナムのケースで建設分野、ここで暴力事件がかなり多いんですよ。頻発してきている。要するに、中国の方が多かったときは、漢字文化圏ですのである程度いろいろと通じるところがあった。だけれども、それがなかなかうまくいかない。

だから、現場労働者、元々建設というのは荒っぽいところなんですが、そこで現場労働者と技能実習生との間のちょっとした摩擦がそういうことに発展するということが起こっていますので、言語の問題は非常に重要というふうに考えていますし、できれば、技能実習制度全体に、こうした介護で言語の問題が問われていますが、全体の制度としては全く日本語能力、意に介されていないわけです。ですので、逆にこれを、介護で議論されていることを全般化する必要があるんじゃないかと、制度全体にというふうに考えています。

参考人(レロンソン君)

日本語能力に関しては、弊社の対策としまして、まず、今現在一般的に使われている教材をもちろん同じく教えていますけれども、内定後ですね、内定後の教育コースというのがありまして、それ、企業様からのいただいた専門用語ですね、その流れ、加工工程などの、そういったものをいただきまして、クラス別というクラスを設けまして、一般の日本語以外のその専門用語を習得してもらう。例えば、ある企業さんは、社内で黒、ブラックですね、の色は墨と言うんですけれども、それ墨といったら、一般の日本語は教えていないので、そういったそれぞれの企業さんの個別に対応していることもあります。

それと同じく、今後介護の事業展開することになれば同じく、介護の現場で使われている言葉とか、もちろん地方の方言も含めてですね、そういった研究をする必要があると思います。

糸数慶子君

続いて、旗手参考人に伺いますが、送り出し機関に対する罰則規定がないことについて、政府の答弁では、外国にあり対応が難しいので、政府、つまり当局間取決めで不正行為をする送り出し機関を排除するというふうなことを言っておりますが、この点についてはいかがお考えでしょうか。

参考人(旗手明君)

ありがとうございます。

送り出し機関は、日本に送り出し機関の人間を駐在員として常駐させているケースもあります。常駐じゃなくても定期的に日本に来てチェックをするというようなこともやっています。ですから、送り出し機関だから海外にあるから基本的に手が着かないということはないわけです。国内で対処できる部分があります。

もう一つは、形としては、日本人、日本側の人間が送り出し機関の中で何らかの役割をしている、ケースによっては送り出し機関のトップを務めるというようなこともあるわけですので、私ども結構付き合いのあるフィリピンの送り出し機関の方なんかもおられますが、日本人です。私どもにそういう送り出し機関の情報を提供してくれたりする方もおられます。

要するに、日本人であったり日本に駐在をしていたりということですから、罰則規定がなかなか機能しないというふうに簡単に言うべきではないと思います。十分機能する側面があるだろうと。また、それを踏まえて政府当局間取決めに反映をさせていく、こちら側で罰則規定を持つことによって、相手に同様の対応、相手国、送り出し国に同様の対応を求めていくというようなことが必要ではないかなというふうに思います。

糸数慶子君

時間が参りましたので終わりますけれども、冒頭にありましたように、やはり今回の法案に対しては、規制策と拡大策、一緒に、同時にこの法案に入っているということでかなり問題もあるわけで、これからまた今日の参考人の皆さんのお話を参考にして改めて質疑をしてまいりたいと思います。

今日はありがとうございました。