国政報告

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外国人研修制度の適正化策、出入国管理及び難民認定法改正案

第192回国会 2016年11月10日 法務委員会、厚生労働委員会連合審査会

糸数慶子君

沖縄の風、糸数慶子です。

まず、外国人研修制度の適正化策について質問いたします。

技能実習制度の拡大策は、技能実習法案では主に関係省令に委任されており、昨年一月三十日に出された技能実習制度見直しに関する有識者懇談会報告書を踏まえて、法案成立後に詳細が決められることになっています。したがって、国会審議では、省令内容を方向付ける法案修正、附帯決議のほか、基本方針、これは法案第七条ですが、この基本方針への対応が必要ではないかと考えます。

この点に関して、以下質問をいたします。まず、優良の判定基準についてであります。法案では、技能実習三号の創設がうたわれ、優良な監理団体及び実習実施機関、優良な技能実習生について二年以内の実習期間の延長を認めることというふうにされております。この優良の基準を具体的にどのように定めるかが重要であります。有識者懇談会報告書では、優良な監理団体及び実習実施機関の要件例として挙げていますが、技能実習計画等に基づき技能等の修得が着実に行われたこと、これは過去三年間の実習生の技能評価試験の合格率を見るというふうについて書いてありますが、それについてお伺いします。

ここで比較的客観的な判断基準となる過去三年間の実習生の技能評価試験の合格率における技能評価試験について、技能実習一号から二号へ移行する際の技能検定基礎二級、二年目から三年目での基礎一級、二号から三号へ移行する際の三級、三号修了時の二級のうち、どの段階のものを指すのか明らかにしていただけますでしょうか。また、どの程度の合格率をもって優良とするのでしょうか、お伺いいたします。

政府参考人(宮野甚一君)

お答えいたします。

優良な監理団体及び実習実施者の要件としての技能評価試験でございますけれども、法案におきましては、先生御指摘ありましたように、各号の技能実習を修了するまでに技能検定又は技能実習評価試験の受検が義務付けられていること、第二号又は第三号の技能実習に進むための要件として前段階における試験の合格が求められていること、さらに、優良の基準とされる合格率については、法務省・厚生労働省合同有識者懇談会の報告書におきまして、現行制度における受検状況を踏まえつつ適切な水準を設定していくべきというふうにされております。

先生御指摘の二点につきましては、この有識者懇談会の内容も踏まえまして検討してまいりたいというふうに考えております。

糸数慶子君

加えて、技能実習二号から三号へ移行する際の技能検定三級及び三号修了時の二級においては実技試験のみとされておりますが、筆記試験が行われていないことが想定されていますけれども、その理由を明らかにしていただきたいと思います。

政府参考人(宮野甚一君)

お答えいたします。技能実習二号又は三号修了時に実習生に受検させる必要のある技能評価試験につきましては、これも法務省、厚生労働省の合同有識者懇談会の報告書におきまして、本人の負担軽減を図る観点等から、母国でより直接的に活用できる実技面の試験のみを必須とすべきとされております。これを踏まえて検討いたしているところでございます。

糸数慶子君

では次に、出入国管理及び難民認定法改正案についてお伺いいたします。

入国警備官は誰でも調査に従事できるようにするのでしょうか、従事できる警備官を限定しトレーニングを実施する予定はあるのでしょうか、その際に難民保護についてのトレーニングは含まれるのでしょうか。併せてお答えいただきたいと思います。

政府参考人(井上宏君)

お答えいたします。お尋ねは、入管法の改正案にあります新たな在留資格の取消し制度につきましての取消し事由の調査の権限のことであろうと思います。

そこで今回、今まで入国審査官に調査をさせておったところ、入国警備官につきましても調査権限を付与するということにした点でございますが、入国警備官につきましては、なぜそのような改正をしたかということでございますが、これは在留資格の取消し事由があるような事例といいますのは、いわゆる退去強制事由がある事案の摘発という場合に発覚することが非常に多うございます。

この摘発は入国警備官の本来的な業務でございまして、その過程で当初の聞き取りを行うということが非常に重要であるということ、また、在留資格の取消し事由の調査の手法といいますのは、通常の退去強制事由の調査に通ずるものがあるということから、そういう意味ではその調査につきましての十分なトレーニングが行われている者は警備官でございますので、そういう面での資格は十分にあるということでございます。

なお、この在留資格の取消しにつきましては、難民認定申請をしている人に対して不当な圧力にならないかという御懸念を持たれておることだと思いますけれども、入国警備官につきましても、研修の過程で難民認定制度のことについては十分に教育をしてございますので、そのような御懸念はないものと考えております。

糸数慶子君

次にお伺いいたしますのは、お配りいたしました参考資料を御覧いただきたいと思います。この資料に基づいて質問をいたします。二〇一四年の六月五日に、私が法務省入管局長に、日本でも英国の視察基準を参考にその視察基準を作ったらどうでしょうかと質問いたしましたところ、英国におきまして委員指摘のようにこの文書が作成されていることについては承知しておりますが、視察を受ける立場の入国管理局においてそのようなものを作成することが適当であるのかなどについては慎重な検討を要するものと考えておりますというふうに答弁をされました。

その後二年半たっておりますけれども、どのような検討がなされたのでしょうか、お伺いいたします。

政府参考人(井上宏君)

お答え申し上げます。今委員御指摘の視察基準というものでございますが、これはイギリスの刑事施設視察委員会が入管関係の収容施設を視察する際に施設や被収容者の取扱いの状況を評価するための基準として視察委員会自らが作成したものであると認識しております。

ところで、我が国の入国者収容所等視察委員会というものがございますが、これは平成二十一年の入管法改正によりまして、入国者収容所等の適正な運営に資するために、視察等を行い意見を述べる第三者機関として設置されたものでございますが、イギリスのそれと異なりまして、事務局を入国管理局が担当していることもございますので、この視察委員会における視察の基準を視察を受ける立場である入国管理局において作成することにつきましては、今御指摘いただいた、前の入管局長の答弁と同じになりますけれども、それは慎重にあるべきだと考えておるところでございます。

他方、被収容者の一層適切な処遇を検討していくということはこれは大変重要なことと考えてございまして、入国者収容所の施設の視察委員会からの御指摘あるいは御提言につきましては、これを可能な限り実現するなど真摯に対応してきているところでございます。

そこで、委員御指摘の視察基準という形での基準の要否につきましては、今後とも検討を重ねてまいりたいと考えております。

糸数慶子君

同じ答弁で、もっとも、英国の文書で求められているような施設の備えるべき基準につきましては我が国にも当てはまるものと思いますので、それらをも適宜参考にしながら収容施設における処遇の在り方を検討してまいりたいと考えておりますというふうに答弁をされております。

東京弁護士会も、先月、英国の視察基準を参考にした日本版の視察基準を設けるべきという要請が行われましたが、法務省も英国のその基準を参考にしてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。

政府参考人(井上宏君)

お答え申し上げます。今御指摘の東京弁護士会からの要請書は本年十月二十八日付けのものでございまして、同弁護士会がイギリスの視察基準を参考に作成した日本版の視察基準ということでございます。これを採用するように要請するものと承知してございます。

ところで、イギリスの視察委員会につきましては、イギリスの収容施設の実情を踏まえて収容施設の備えるべき基準を定めていると承知しております。したがって、この基準をそのまま我が国に適用することは、我が国の入管の収容施設の実情に沿わない場合もあるところでございます。

入国管理局におきましては、被収容者に対する処遇の在り方につきまして、被収容者からの意見、我が国の入国者収容所等視察委員会の意見等を参考にしながら検討、改善を行ってきておりまして、例えばイギリスの基準で求められているような外部への常時アクセスなどにつきましては、当局におきましても、外部とのアクセス向上を目的として、被収容者が電話を使用できる時間を延長するといった取組を行っているところでございます。

また、被収容者のニーズに合わせた食事を提供するということにつきましても、当局では被収容者の宗教でございますとかアレルギーに配慮した食事を提供しているところでございます。

入国管理局の収容施設における被収容者の処遇につきましては、法令の規定に従い、被収容者の人権に最大限配慮し、保安上、衛生上支障がない範囲でできる限りの自由を与えることとしておりまして、今後とも、被収容者や外部の方からの意見も踏まえ、また諸外国の例も参考にしながら、被収容者の人権に十分配慮した適切な処遇の実施に努めてまいります。

糸数慶子君

ありがとうございました。よろしくお願いいたします。

次に、仮放免の申請から許否判断に至る時間ですが、これはその時間が二か月掛かるというふうに聞いております。これは長過ぎないでしょうか。イギリスでは三日でやっているということも聞いておりますけれども、そこで、その平均処理期間ですが、それはどれくらいなのでしょうか。

政府参考人(井上宏君)

御指摘の仮放免でございますけれども、退去強制手続というものは身柄の収容を前提として行われるところでございますが、その収容されている者につきまして、病気その他やむを得ない事情がある場合など身柄の拘束を一旦解く必要があると認められるときに行うのが仮放免ということになります。

この仮放免の許可の申請から処分に至るまでの平均処理期間につきましては、これ正規に統計を取っておらず、正確なお答えはなかなか困難なところございますが、主要な地方入国管理局における本年四月以降に申請を受理した案件につきまして今回緊急に調査いたしましたところの数字でございますが、平均の処理期間は、収容令書の場合の仮放免は約十日、退去強制令書の場合の仮放免は約五十二日を要している状況でございました。

糸数慶子君

受付からその最終判断までどういう流れでやっているのでしょうか。

政府参考人(井上宏君)

お答えいたします。仮放免の許可申請は現場の方で受理するわけでございます。担当者が事案を個別に精査いたしまして、例えば仮放免を求める理由でありますとか、被収容者の性格、年齢、資産、素行、健康状態、家族の状況、あるいは収容されている期間、次に、身元保証人となるべき者の年齢、職業、収入、資産、素行、あるいは本人との関係、あるいはその身柄を引き受ける熱意など、さらには仮放免を申請した者の逃亡のおそれの有無、そのようなことを総合的に考慮いたしまして、さらに仮放免を認める場合に付すべき条件があるか、どのような内容かというものを検討いたしまして、最終的には入国者収容所長又は主任審査官、これが判断するということになってございます。

糸数慶子君

日弁連との間で合意している郵便による申請を受け付けることになりましたが、その他、被収容者の家族からの申請は持参しか受け付けないということですが、なぜでしょうか。これは改善すべきではないでしょうか。

政府参考人(井上宏君)

仮放免の申請の受理方法についてのお尋ねでございました。御指摘のように、身元保証人となっている弁護士からの仮放免の申請につきましては郵送による申請の受付を可能としているところでございますが、弁護士以外の方からの申請の場合には、関係書類の作成等に誤りが生じている場合が散見され、郵送により訂正や再作成を求めると非常に長い時間を要することとなるところでございます。

このため、関係書類に誤記や不備がある場合にその場で訂正を求めたり説明していただけるよう、直接持参により提出、申請していただいておるところでございまして、現状ではこの手続、方法について変更することは考えておりません。

糸数慶子君

ありがとうございました。終わります。