国政報告

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熊本震災におけるオスプレイ輸送、嘉手納基地汚染水問題、沖縄からPCB汚泥が福島に運ばれていた問題

第190回国会 2016年4月21日 外交防衛員会

糸数慶子君

無所属の糸数慶子です。社会保障に関する日本とフィリピン共和国との協定の締結については賛成の立場を表明し、質問に入ります。

まず、熊本地震の被災地へ米軍のMV22 オスプレイが派遣された件について質問いたします。中谷防衛大臣は、十九日の記者会見におきまして、米軍の支援については、米軍の大変有り難い申出を受け、より効率的かつ迅速な救援活動を行うため、自衛隊の輸送力に加え、高い機動力、即応力を併せ持つオスプレイの活用が必要だと判断したと述べられています。

二〇一五年五月、ハワイのオアフ島で、砂ぼこりを吸い込み着陸に失敗し、死傷者も出す事故があったことは記憶に新しいわけですが、今回の熊本地震において、度重なる余震や避難場所でストレスの多い生活をされている被災者の方々に更に不安な思いを駆り立てかねないオスプレイを導入することになった経緯について、中谷防衛大臣の御説明をお願いいたします。

国務大臣(中谷元君)

今回の地震に際しまして、米側からは地震発生直後の十五日未明にカービー米国務省報道官による記者会見において支援の申出がありました。また、米軍からの支援につきましても、同日、在日米軍司令部から統合幕僚監部に対する支援の申出等を受けまして、私より事務方に対して、米軍による支援のニーズがあるかどうか検討するよう指示をいたしました。

自衛隊としては、より効率的、また迅速な救援活動を行うためには、自衛隊の輸送力に加えまして米軍の輸送支援が必要だと判断いたしまして、輸送協力を得るべく米側と調整を実施したところ、十七日に米側から航空機による輸送支援が実施可能であるとの連絡がございました。これを受け、私から安倍総理に十七日に報告したところ、総理より、大変有り難い申出であり、速やかに具体的な輸送ニーズを調整するよう指示がありまして、事務方に更に調整を実施をさせました。

現地におきましては、当時十万人を超える避難所で生活をしておられる方、そしていまだ瓦れきの中で助けを求める方がおられましたが、道路の寸断、また大渋滞ということで、直接、水、食料、毛布、これが被災地に届いておらず、やはりヘリを含む航空輸送が一番求められており、自衛隊も全力で取り組んでおりますが、このヘリによる輸送手段も有する米軍の支援を得て、避難所で不自由な生活を強いられている被災者の皆様方に一刻も早く生活支援物資を届ける必要があると判断をいたしました。米側との調整につきましても、このような状況、ニーズ等も調整をいたしまして、この今回の航空機の機種、その結果、オスプレイを含む米軍輸送機による輸送が実施をされました。

考え方は、一体どのようにして物資を運べばいいのか、防衛省といたしましても、人命救助やまた避難民の救援第一に考えておりまして、救援のためにやれることは全てやるという決意の下に被災者支援を実施をしたということでございます。

糸数慶子君

今、十七日の、米軍から航空機による輸送支援が実施可能であるとの連絡があったというふうに実は十八日の参議院決算委員会で述べていらっしゃいますが、その際、航空機にオスプレイは言及されていたのでしょうか。

国務大臣(中谷元君)

十七日に総理から更に調整をという御指示をいただきまして、その後、調整をいたしました。この調整におきまして、被災地の状況、対応可能な航空機の能力、運用状況、具体的なニーズ等を総合的に勘案し、輸送する航空機の種類を含めた詳細が決定され、その結果、MV22 オスプレイ、これを含む米軍輸送機による輸送が実施をされたわけでございます。この決定は、実施される初日の前日に私の方から記者に公表させていただきました。

糸数慶子君

この十八日、オスプレイは熊本空港から南阿蘇村の白水運動公園の約四十キロ間を飛行したというふうにされておりますが、このオスプレイの特徴と近距離の輸送について他のヘリコプターに比べ優れた点があるのか、御説明ください。

国務大臣(中谷元君)

これは、速度も、また航続距離も、ペイロード、積載可能能力、これも、従来のCH46 の後継機でありますが、非常に、倍以上の能力を有しておりますし、また、垂直離着陸ということで、道路が寸断された、また山間部の中山間などにおいて車などが入ることがないようなところで活動することも可能であるというような能力を持っております。

糸数慶子君

オスプレイにつきましては、二〇一五年五月にハワイのオアフ島で、砂ぼこりを吸い込んで着陸に失敗し、死傷者も出す事故がありました。また、日本でも、二〇一四年十月の和歌山県串本町の防災訓練で離陸時の排気熱で火災が発生し、そして、災害派遣でこういう状況で事故が起こっては取り返しが付かないことになるのではないでしょうか。近距離輸送であれば、万が一に備えオスプレイではなく他のヘリコプターを使用するといった選択が賢明だったと思いますが、政府の見解を伺います。

国務大臣(中谷元君)

自衛隊は、あらゆる装備、また人員も二万六千人体制を目指して懸命に取り組んでいるわけでございますが、現地ではいまだに水や食料、これが避難所に届いていないというような場所もございます。

やはりヘリを含む航空輸送能力が一番求められておりまして、自衛隊も全力で取り組んでおりますが、この輸送力にはおのずと制約もあるために、こういった避難所の不自由な生活をされている被災者の皆様方に一刻も早く生活物資を届けるべく、十八日以降、オスプレイを被災地域の拠点までの物資の輸送、また被災地域内における物資輸送に活用したところでございます。

糸数慶子君

時間の関係もありまして、辺野古埋立土砂搬出については次の機会にお伺いしたいと思います。

次に、嘉手納基地汚水問題についてお伺いいたします。

米軍嘉手納基地で一九九八年から二〇一五年まで、合計四万リットルのジェット燃料、一万三千リットルの軽油、四十八万リットルの汚水の流出事故が発生していた件について、四月十日の英字新聞ジャパン・タイムズが報じておりますが、この件についてお伺いいたします。米軍から通報があったかどうか、外務省に伺います。

政府参考人(山田重夫君)

お答え申し上げます。

米側は、平成九年の在日米軍に係る事件・事故発生時における通報手続に関する日米合同委員会合意に基づきまして、公共の安全又は環境に影響を及ぼす可能性がある事件、事故が発生した場合には日本政府に通報することとされております。この手続に基づきまして、嘉手納飛行場における漏出などの事案についても過去五年間で十三件の事案につき米側から通報を受けております。これらの通報を受けた事案については、その都度米側に対して、原因究明、安全管理の徹底及び再発防止を申し入れているところでございます。

糸数慶子君

同じことですが、防衛省はこの件について承知していらっしゃいますか。

政府参考人(中島明彦君)

まず、報道の件でございますけれども、報道によりますれば、嘉手納飛行場におきまして一九九八年から二〇一五年の間に、先生御指摘のとおり、ジェット燃料、軽油及び汚水が流出されたことに関する文書が米側の情報公開制度に基づいて開示されたとされておりまして、こういう報道がなされたことについては承知をしております。

それと、流出事案の詳細についてでございますけれども、先ほど外務省から御紹介がありましたとおり、我が方が流出事案として平成二十二年度以降米側から通報されたのは十三件というふうになっておりまして、防衛省といたしましても、その都度米軍に対して、安全管理の徹底、原因究明、再発防止について申入れをしてきているところでございます。

糸数慶子君

今年一月に沖縄県の企業局は、嘉手納基地の排水が流れる中で高い濃度のPFOSが検出されたと発表されています。嘉手納基地から比謝川に流出した可能性が高いとも指摘されておりますが、比謝川は那覇市など県内七市町村が水源としておりますけれども、今新聞紙上ではこの未処理の汚水が流出して衛生上も問題になっているというふうに報道されております。

やはり米軍に起因する、川、そして土地、海の汚染等によって沖縄県民の安全な暮らし、そして基本的人権が侵害されていると私どもは受け止めておりますが、この米軍基地周辺に住む県民の安全を守るために、政府として、この基地周辺の環境調査を常に行うこと、そして基地内でどのような有害物質が扱われているか、またその管理についても監視し、環境汚染を未然に防止していく必要があると思うわけですが、その件について政府の見解をお聞かせください。

政府参考人(中島明彦君)

まず、先生御指摘のPFOSの件でございます。防衛省といたしましては、沖縄県が平成二十六年二月から翌年十一月までの間に実施されました水質調査におきまして、北谷浄水場付近の河川等から比較的高濃度の有機フッ素化合物が検出されたこと、また、沖縄県の方で記者会見におきまして嘉手納基地が発生源である可能性が高いという旨発表されたことは承知をいたしております。

これを受けまして、防衛省としては米側に対して事実関係等について累次確認を行っているところでおりまして、この中で、PFOSと呼ばれるフッ素化合物、この含有の可能性がある物質が漏出した場合の封じ込めの措置などの対策に一層万全を期すよう米側に要請をしているところでございます。それから、米軍施設周辺における河川等での水質調査につきまして従来より地元の自治体の方で定期的に実施されているものとは承知しておりますけれども、今回のPFOSに係る事案におきましては、沖縄県から嘉手納飛行場の中の河川における水質調査に係る照会を受けておりまして、米側に対してその可否について照会をしているところでございます。

糸数慶子君

次に、沖縄からPCBの汚泥が福島に運ばれた問題についてお伺いいたします。

沖縄から福島へ、PCB汚泥ドラム缶が二〇一三年から二〇一四年にかけて福島県に運ばれていた問題を週刊金曜日が四月八日に報じております。この週刊誌になっておりますが、こういう福島県に運ばれた、これは恩納村の米軍恩納通信所が返還された際に汚水処理槽内から検出されたものでありますが、日米地位協定によって米軍には原状回復義務がないため、米軍はドラム缶約七百本分の引取りを拒否しています。そのドラム缶を福島に送ったということですが、沖縄の汚泥を福島に運搬したことも驚きでございますが、もう一つ驚いたことがあります。

今お手元に資料をお配りしてございますけれども、これは沖縄から福島への運搬と処理、焼却を受注した業者の落札結果の一覧ですが、照屋寛徳衆議院議員の質問主意書に対する政府の答弁を基にして作成いたしております。一件目の恩納分屯基地は予定価格と落札が同額、落札率が一〇〇%となっております。二件目の恩納通信所分も落札率が九九%以上となっています。一般競争入札で予定価格と落札額が同額あるいは同額に限りなく近い額というのはちょっと不自然に思いますが、中谷防衛大臣、この数字をどう思われるでしょうか。

国務大臣(中谷元君)

このPCBにつきまして、この恩納通信所、そして平成十四年の恩納分屯地の発見をされた上での処理でございますが、このPCBを含む汚泥を処理するに当たりまして、防衛省において会計法の規定に基づいて予定価格の制限の範囲内で最低の価格をもって申込みをした者を契約の相手方として適正に契約が行われたものと承知をいたしております。

落札率につきましては、御指摘のとおり、この旧米軍恩納通信所では九九%、航空自衛隊恩納分屯地では一〇〇%となっておりますが、これは一般競争入札という競争性、透明性を確保した契約手続を実施した結果であると考えております。

糸数慶子君

本日は会計検査院にも来ていただいておりますので、この数値をどう受け止められるのか、お伺いします。

委員長(佐藤正久君)

質疑時間が終了しておりますので、簡潔に御答弁願います。

説明員(岡村肇君)

お答え申し上げます。

会計検査院は、防衛省が発注する役務等の契約については入札契約事務が適切に行われているかなどに着眼して検査を実施してきております。一般論で申し上げますと、例えば見積額を基に積算されている場合などにおいては落札率が高くなるということもあり得るかとは考えられますが、いずれにいたしましても、会計検査院としては防衛省が発注する契約につきまして引き続き関心を持って検査してまいりたいと考えております。

糸数慶子君

時間もありませんので簡潔に申し上げますが、今の御答弁でしたら国や自治体の財政を監督する機関としては極めて問題だと思いますので、この問題は今後引き続き取り上げていきたいと思います。終わります。