国政報告

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おもいやり予算、日米地位協定、2016年度おもいやり予算に対する反対討論

第190回国会 2016年3月31日 外交防衛委員会

糸数慶子君

無所属の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。通告をいたしましたその順序が多少違いますけれども、よろしくお願いしたいと思います。まず、在日米軍駐留経費に係る特別協定、いわゆる思いやり予算についてお伺いをしたいと思います。日米地位協定第二十四条の規定による日本側が負担すべき経費は何か、お伺いいたします。

政府参考人(森健良君)

日米地位協定第二十四条でございますが、我が国は同条二項の規定によりまして米国に負担を掛けないで施設・区域を提供する義務を負っております。この規定に従い、我が国は従来から国有財産の無償提供を行うとともに土地の借料等を負担しております。さらに、昭和五十三年度以降、我が国は労務費の一部及び提供施設整備、いわゆるFIPでございますが、これに係る経費を地位協定の範囲内で順次負担してきているところでございます。

より具体的に申し上げますと、労務費のうち福利費等及び格差給等については、日米地位協定第二十四条一の規定により、米側に負担義務がある経費に該当しないものであって、雇用の安定という政策上の判断を踏まえて、日米地位協定の範囲内で我が国が負担することとしているものでございます。FIPについては、米側の要望を聴取するとともに、日米安保条約の目的達成との関係、我が国の財政状況等を総合的に勘案の上、個々の施設ごとに判断して措置をしております。我が国が措置することとした案件の経費については、日米地位協定第二十四条二に従い、我が国が負担しているところでございます。

糸数慶子君

日米地位協定の範囲を超えて日本側が負担しているものは何か、お伺いいたします。

政府参考人(森健良君)

日米地位協定に基づかずに、したがって特別協定に基づいて日本側が負担しているもの、これは、まず一つは基本給等の労務費、それから二が光熱水料、そして三番目に訓練移転費がございます。昭和六十二年度以降、安保体制に不可欠な在日米軍の円滑かつ効果的な運用を確保するため、その時点での諸情勢に鑑み、地位協定により米側に負担義務がある経費の一部について協定の特則でございます特別協定を締結して負担しているものであります。

糸数慶子君

いわゆる日米地位協定には規定されていない経費を、思いやりというその名目で一九八七年からおよそ三十年間も特別に支払い続けているわけです。思いやり予算は本来暫定的なものであるはずですが、現在一千兆円もの赤字を抱える日本が支払わなければならない理由は何か、岸田大臣に改めてお伺いします。

国務大臣(岸田文雄君)

我が国は、日米安保体制にとって不可欠な在日米軍の円滑かつ効果的な活動、これを確保するために、日米両国を取り巻く様々な情勢に鑑みて、昭和六十二年以降、この特別協定を締結して、米側に負担義務がある経費の一部について我が国が負担する、こうした対応を取ってきております。我が国の厳しい財政状況を踏まえること、これは当然のことですが、あわせて、北朝鮮を始め、現下の厳しい安全保障において在日米軍の活動を支えるHNSが不可欠であることなど総合的に勘案をし、米国と協議をした次第であります。

日米地位協定第二十四条に定める経費負担の原則は原則として維持しています。それに加えて、その時々の状況に対してやはり機動的に円滑的に対応しなければならない、一方でこうした在日米軍の活動は安定的に支えなければならない、そのバランスの中で、暫定的、限定的、特別な措置としてこの特別協定を締結し、一定の期間、日本がこの原則部分を超えて負担する対応を用意しているということであります。

糸数慶子君

一定の期間といっても三十年を超えているという現実と、それからバランスといってもこの日本の財政事情、それを考えていきますと、今の答弁では納得はできません。財務省も縮減を図る、その必要があるというふうにおっしゃっているわけですね。次に、報道によりますと、この思いやり予算によって建設された米軍住宅は、広さが被災者用仮設住宅の五倍から八倍という状況であります。大変広々として、戸建ての住宅などでは、街路が整い、庭も広く、日本の一般的な住宅に比べても大変な厚遇となっている状況です。

一方で、東日本大震災の仮設住宅生活が長引く中で、カビや雨漏りなどの劣悪な状況が現在問題となっておりますが、このような中で他国の軍隊の方が厚遇されている状況は異常ではないかというふうに思いますが、改めて岸田大臣の御所見をお伺いいたします。

国務大臣(岸田文雄君)

住宅のありようについて具体的な御指摘がありました。それにつきましては防衛省の方からお答えさせていただきたいと思いますが、基本的な考え方としては、御指摘のように厳しい財政状況があり、そして何よりも国民の理解の得られるしっかりとした協定の中身でなければならないと考えています。ただ、その一方で、我が国を取り巻く厳しい安全保障状況ですとか、それ以外にも為替のありようですとか、様々な条件を加味した上で、我が国としてどのような負担を考えていくのか、こういったことでしっかり考え方を整理し米側と協議していかなければならないと考えています。今回の協定につきましても、まず、規模としましても、これ、平成二十七年度、今までのこの五年の協定の最終年度と比較した場合、同規模の協定であると認識をしております。そして、その規模自体も、ピークの平成十一年度と比べますと三〇%減の水準であると認識をしております。

そして、さらに、この中身につきましても、内容としまして、必要とされる労働者の上限は増加する一方で、福利厚生施設で働く労働者の上限は削減する、経過措置は段階的に廃止をする、あるいは光熱水料等の日本側負担も引き下げるなど、めり張りを付けた内容になっております。要は、規模においてもしっかりと吟味するのと併せて、内容におきましてもしっかりめり張りを利かせている、量、質ともにしっかり吟味した上で米側と協議をしたということであります。是非、引き続きまして、こうした日米安全保障体制を支える上で重要な在日米軍の活動を支えるHNSですが、国民の理解を得られるような形でしっかり維持していくことがこうしたものを安定してしっかり維持していくことにもつながると考えます。是非、そういった態度で引き続き米側とも協議していきたいと考えます。

政府参考人(中島明彦君)

提供施設整備によりまして整備した家族住宅の日本の住宅との比較の件でございます。これは、過去の国会審議などにおきましても、我々が提供施設整備によりましてアメリカ側に提供した施設が日本の施設と比較して過大又は豪華であるというふうな指摘があったということで存じ上げております。

この提供施設整備によりまして米側に提供する施設、これは米軍の基準でございます統一施設基準、UFCと呼んでおりますけれども、これによりまして面積の所要が定められているところでございます。この基準は、米軍が全世界的に駐留する米軍の施設の基準として採用しているものでございまして、日本における施設のみが過大又は豪華なものとなっているわけではございませんで、米軍の福利厚生として必要かつ適切なものと認識をしているところでございます。したがって、米軍の家族住宅につきましては、この基準、それから米側との協議の結果を踏まえまして、その基準に基づきまして整備をしているところでございます。

糸数慶子君

私は、アメリカにはこういうふうな対応をしている、しかし、東日本大震災の仮設住宅など、ああいう状況の中で、カビや雨漏りなど本当に劣悪な状況が問題になっている、このことを解決せずに、世界基準だからといってアメリカに対して厚遇している、それが異常ではないかというふうに指摘したわけであります。

次に、米国防省の報告を基に財務省財政制度等審議会が作成をいたしました米軍駐留国における経費負担の国際比較によりますと、これは先ほども質問がございましたけど、ドイツ、イタリア、韓国など他の米軍駐留国と比較して日本は非常に大きな割合で経費負担を行っているわけです。ドイツが約三三%、イタリアが四一%、韓国約四〇%という中で、日本の負担の割合が七四・五%と突出しているわけです。ドイツ、イタリア、韓国レベルに引き下げる必要があるのではないかと思いますが、その努力はされているんでしょうか、岸田大臣にお伺いいたします。

国務大臣(岸田文雄君)

まず、各国が負担している米軍駐留経費の規模につきましては、比較、評価、大変難しいと考えております。御指摘の資料につきましても、これは二〇〇四年の報告書、二〇〇二年のデータですが、二〇一五年で申し上げるならば、例えば在韓米軍の規模は二万五千人に対し年間九百三十二億円の負担を行っている、そして我が国の場合は米軍の規模五万二千人に対して一千八百九十九億円を負担している、こういったことであります。在留している米軍の人数も異なります。置かれている安全保障環境も異なります。それぞれの国が負担している防衛費そのものの額も大きく異なります。また、経費に含まれる範囲も異なります。ですから、単純な比較というのは大変難しいと思います。

ただ、御指摘のように、各国の状況についてしっかり把握をし、我が国が米軍の駐留経費についてどう考えるかということにおいて参考にすることは大変重要だと思います。そうした参考にするための材料、情報はしっかり集めていきたいと思いますし、その上で、我が国においては、日米同盟において大変重要である在日米軍を支えるHNSをどのように考え、どうするのか、しっかり議論をする際の材料としていかなければならないとは考えます。

糸数慶子君

光熱水費、光熱水料金なんですが、ドイツ、イタリア、韓国の三か国では負担をしていません。米側が負担する能力が十分にある経費をなぜ日本が負担しなければならないのでしょうか、お伺いいたします。

政府参考人(森健良君)

これまで特別協定の国会審議等におきまして、日本だけが光熱水料等の負担をする必要があるのかといった指摘をいただき、議論がなされてきているところでございます。これを踏まえまして、先般の日米の協議におきましても、国会などにおいてそのような指摘や議論がなされてきていること、我が国の財政状況が厳しいことについて米側に丁寧に説明をいたしまして、米側としてもそうした点については理解をしてきているものと認識しております。その結果、協議を経て、今回、日本側の負担割合を平成二十八年度に現行の七二%から六一%に引き下げるということにいたしまして、節減できるところは節減したということであります。

いずれにしましても、政府としては、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中で、米国政府がリバランス政策の下で我が国に最新鋭の装備の配備等を進めてきていることなどを総合的に勘案いたしまして、一定の光熱水料等の負担を継続することは在日米軍の円滑かつ効果的な運用を支える上で必要であると判断をいたしまして、引き続き光熱水料等の一部について負担を継続するということにしたものでございます。

糸数慶子君

これらは全て国民の血税を使うわけですから、これは国民が納得する必要があるわけですが、今のような状況であるととても納得できないということを改めて申し上げたいと思います。

次に、財務省の諮問機関であります財政制度等審議会の財政制度分科会では、日本の財政赤字が深刻なことから、財務省は思いやり予算の減額が必要だというふうにしております。この財務省見解がありながら、今回、在日米軍駐留経費を減額せず微増した理由は何でしょうか。米側と交渉していると伺っておりますが、米側はどのように答えているのか、中谷大臣にお伺いいたします。

国務大臣(中谷元君)

今般のHNSの規模につきましては、我が国の厳しい財政事情も踏まえつつ、国民の理解が得られる内容とするという観点から、主張すべきは主張し、協議を行った結果、日米間で一致をしたものでありまして、予算規模におきましても、協定期間の最終年度において、今年度の賃金水準をベースとした試算で約千八百九十九億円であり、これは現行の特別協定の最終年度である平成二十七年度予算額千八百九十九億円、これとおおむね同じ水準でございます。

この点につきまして、必要なものに限定をして、また削減すべきものは削減をいたしておりまして、その結果、最も金額が大きかった平成十一年度に比べまして本年度は約三〇%の減となっております。例えば、労務費のうち娯楽性の高い施設で働く労働者の日本側の負担は廃止をし、また光熱水料等について負担上限額を設定するなどいたしまして、削減努力を行ってきました。その上で、今回の交渉においても、我が国の厳しい財政事情を踏まえて協議を行いまして、この中で、例えば労務費について、MLC労働者の日本側負担上限数を増加をする一方、福祉厚生で働くIHA労働者の日本側の負担上限数を更に削減をし、また、こういった駐留軍等労働者に対する格差給等についても経過措置を段階的に廃止するとともに、光熱水料等も日本側の負担割合も七二%から六一%に引き下げるなど、めり張りのある経費項目を実現したところでございます。

糸数慶子君

毎年約千八百九十三億円となるその思いやり予算以外にも莫大な米軍駐留経費を日本は払っています。土地、施設の借り上げ、米軍再編や訓練移転の経費など、思いやり予算以外の在日米軍関係費、この経費の予算をお示しいただきたいと思います。

政府参考人(中島明彦君)

お答え申し上げます。今先生御指摘なされましたように、日本側といたしましては、在日米軍駐留経費負担のほか、在日米軍が駐留することにより必要となる経費を負担しているところでございます。平成二十八年度予算におけるこの在日米軍駐留経費負担以外の在日米軍関係経費の計上の状況について御説明申し上げますと、五つございます。

一つは米軍再編経費でございまして、例えば空母艦載機の移駐などに必要となる岩国飛行場の施設整備などに使われる経費でございますけれども、これに約千七百六十六億円、先生御指摘いただきましたSACO関係経費、沖縄県道の百四号線越えの訓練移転などの経費といたしまして約二十八億円、それから米軍施設の設置運用に生じる障害防止、軽減のため、例えば住宅防音事業など各種事業を実施するための周辺対策経費として約五百七十億円、四つ目に、これも御指摘いただきましたが、米軍施設用地等の民公有財産の借り上げ経費といたしまして約九百八十八億円、五つ目に、地元自治体の返還要請を踏まえまして提供している施設・区域を移転するということで、その移設のための経費、また水面を使用して行う訓練に伴漁業補償等に関する経費、これが約二百九十四億円といった状況でございまして、これらの全てを合わせますと、二十八年度予算におきましては約三千六百四十六億円を計上しているところでございます。

糸数慶子君

この安全保障について米国に払っている費用というのは、この思いやり予算だけではありません。例えば、グアムの移転経費やこれまで辺野古の新基地建設に掛かった経費もあります。また、オスプレイは自衛隊も平成二十八年度予算でアメリカから四機、およそ四百四十七億円で購入する予定であり、やはり米国に対する装備品の購入費用も多額であります。政府は、思いやり予算について聖域化せずに、我が国が支払うべき費用は何かを根本的に考えて、大幅な減額を前提に米国と交渉する必要があるのではないでしょうか。例えば、日本国内を考えてみますと、子供の貧困やワーキングプア、そして格差の拡大、弱者を思いやらなければならない事項が山積しております。米国との間で合理的な説明が付かない経費をずるずると払い続けるべきではないというふうに申し上げたいと思います。

時間がありますので、通告をいたしました前半の部分について、細かくなりますが、改めてお伺いいたします。現在、在日米軍の軍人軍属等が日本国内で事件、事故を起こした場合、被害者への補償など、誰が、どちらの国が負担するのか、それから公務内、公務外、それぞれお答えいただきたいと思います。

政府参考人(中島明彦君)

米軍人などによります公務上のまず事故につきましては、日米地位協定第十八条五項及び民事特別法の規定によりまして、我が国が被害者からの賠償請求を受けまして米国政府と協議の上で賠償金額を決定し、被害者の同意を得て賠償金の支払を行っているところでございます。この賠償金は、米国のみが責任を有する場合は米国が七五%、我が国が二五%を、また日米双方が責任を有する場合は日米両国がそれぞれ五〇%を負担するということとされておるところでございます。

公務外の事故などにつきましては、原則として加害者が賠償責任を負い、当事者間の示談により解決されることとなりますけれども、示談が困難な場合は、日米地位協定第十八条六項の規定によりまして、米国政府が慰謝料の額を決定し、被害者の受諾を得た上で支払を行っているところでございます。

糸数慶子君

関連いたしまして、通告はしておりませんけれども、三月に沖縄で発生いたしました米軍人によります女性に対する性暴力事件のその後の状況を、御存じの範囲で結構ですが、教えていただきたいと思います。

政府参考人(中島明彦君)

先生御指摘の今般発生した事件の事実関係、それから現在の状況につきましては、これ現在捜査中でございまして、今我々として確たることを申し上げられませんけれども、先ほどの質問との関連で被害者に対する補償ということで申し上げますと、一般論として、加害者が賠償責任を負い、当事者間の示談により解決されることとなりますけれども、それが困難な場合の流れにつきましては、先ほど御説明申し上げました十八条六項の規定に従いまして、今後とも、捜査の推移に注意をしつつ、防衛省といたしましては丁寧に対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。

糸数慶子君

被害者に対する謝罪は、米国あるいはまた日本政府、どのような形で行ったんでしょうか。

政府参考人(中島明彦君)

恐縮でございます、ちょっと手元に資料がございませんけれども、被害者の方に対してどういう形で謝罪といいますか、行うにつきまして、被害者の方の御心情にも配慮して行うということになろうかと思います。現段階で被害者の謝罪について、ちょっと今の状況は掌握しておりません。恐縮でございます。

糸数慶子君

大変おかしいと思います。こういう今沖縄にある米軍の基地、それから今のこの思いやり予算に関してもそうなんですが、国の責任で沖縄に米軍の基地がこうやって置かれています。先ほど岸田外務大臣もおっしゃいましたけれども、今諸外国に比べると駐留している米軍の数が多い、だから思いやり予算の単純な金額の比較はできないというふうにおっしゃいましたけれども、実際に沖縄に駐在するこの米軍の、しかもキャンプ・シュワブの所属する米軍人のこういう犯した女性に対する性暴力です。それ、その後どうなったか、こういう状況も把握しない、そういう状況でよろしいんでしょうか。

政府参考人(森健良君)

本件に関しましては、政府から米側に対して累次抗議をいたしておりますけれども、米側からは、大変残念な事態であり、深刻に受け止めている、警察の捜査に全面的に協力する、引き続き日本側と意思疎通を密にしていきたいといった反応がございます。また、米国国務省の報道官は、会見において、米政府として本件を深刻に捉えており、詳細を明らかにするために徹底的な調査を行う、仮に容疑が事実であれば、容疑者を適切に処罰することになるというふうに述べております。現段階におきましては、事案は法的には捜査中でございまして、その捜査の進展を一同見守っているところであると承知しております。

糸数慶子君

残念ですが、きちんと皆さんの所管の事件や事故に関してちゃんと答えられるように調査をしていただくということを強く要望したいと思います。それから、在日米軍関係経費の一部である辺野古新基地建設の総事業費三千五百億円が見込まれていますが、二十九日の藤田委員の三千五百億円以上の大幅に超過するおそれがあるとの指摘について中谷防衛大臣は、施設の仕様や構造などを日米間で調整し、具体的な設計を経て決定することに加え、現場の状況などに応じて所要額が変動すると答弁されました。

このようないいかげんな予算計上で、青天井と言わざるを得ない状況です。これ以上増えないうちに中断を決断すべきではないかと思いますが、大臣の御見解を伺います。

国務大臣(中谷元君)

普天間飛行場の移設に要する経費につきましては、大まかな見積りといたしまして、少なくとも三千五百億円以上と見込んでいるところでございます。現時点におきまして、この工事は和解条項にのっとって、判決の確定までは、沖縄県との協議を行っている間は埋立工事を再開をすることはありませんが、本件事業については、安全性など十分に留意しつつも、引き続き各年度の予算要求の段階でも精査をいたしまして、適切な予算執行に努めていく所存でございます。なお、この事業におきましては、この普天間飛行場の危険性除去と考え合わせておりまして、一日も早く普天間の返還に向けて取り組んでいるものでございます。

なお、中止すべきではないかということにつきましては、この普天間の移設に要する経費の平成二十七年度末までの支出済額と支出見込額、これを合算いたしますと約六百三十億円と見込んでおります。また、平成二十八年度予算に計上させていただいた約千七百億円を含めまして、これまでに予算を計上し、今後の契約、精算などを通じて経費を確定していく額につきましては、安全性などに十分留意をしつつも適切な予算執行に努めていく所存でございますが、平成二十九年度以降の必要経費につきましては、環境影響評価等に要する経費、埋立安全対策等に要する経費、滑走路、駐機場、格納庫、燃料施設等の飛行場施設整備に要する経費、またキャンプ・シュワブの既存施設の再編成の工事に要する経費などが必要となると見込んでおります。

この経費につきましては、今後、施設の仕様、構造等、日米間で調整をして具体的な設計を経た上で決定されるものであることに加えまして、現状の状況によりまして所要額が変動し得るものでございますので、現時点でこれくらいの額で収まるかといった見通しを申し上げることは困難でございますが、今後とも、各年度の予算要求の段階で精査をいたしまして、その後の契約など精算を通じまして適切な予算執行に努めてまいりたいと考えております。

糸数慶子君

三月二十二日のこの外交防衛委員会において、私の質問に対しまして中谷大臣は、辺野古へはオスプレイの運用機能のみを普天間から移す、つまり、オスプレイの運用機能のみを普天間から辺野古に移す、普天間よりも辺野古の機能は大幅に縮小されると御答弁されました。辺野古に軍港機能を持つ予定はない、軍港を造る工事は行わないという認識でよろしいでしょうか。

国務大臣(中谷元君)

普天間の移設事業につきましては、現在の普天間の基地の果たしている機能の中で、オスプレイ、これの運用に関わることだけに使うものでございます。この施設におきまして、係船機能付きの岸壁、護岸、これにつきまして、滑走路を短縮することによって故障した航空機を搬出する輸送機が着陸できなくなるために、代わりに運搬船が接岸できるようにするためのものでありまして、オスプレイなどの運用機能を最低限維持するために必要なものでございます。恒常的な兵員や物資の積卸しを機能とするようないわゆる軍港、これを建設する計画はございません。

糸数慶子君

改めて伺います。辺野古に軍港機能は持たないという理解でよろしいですね。

国務大臣(中谷元君)

当該の護岸は、滑走路の短縮によりまして、故障した航空機を搬出する輸送機、これが着陸できなくなるために、代わりに運搬船が接岸できるようにするためのものでありまして、強襲揚陸艦の運用を前提とするものでは全くありません。

糸数慶子君

ここで約束をしていただきました。辺野古の方には軍港機能を持つ予定はない、その工事は行わないということをお答えいただいたと認識をしております。最後にお伺いいたしますが、現在、米軍機の爆音に対する訴訟が普天間と嘉手納で行われております。判決後の米軍機の騒音対策関連の費用はどのような負担割合になっているか、お伺いいたします。

政府参考人(中島明彦君)

米軍機による騒音に係る訴訟に関する損害賠償金などの日米地位協定に基づく分担の在り方につきましては、日本国政府の立場と米国政府の立場が異なっておりますことから、いまだ妥結を見ていないものというふうに承知をしております。いずれにいたしましても、日本国政府は米国政府に対して損害賠償金などの分担を要請するとの立場で今後とも協議を重ねていくものと承知をしております。

糸数慶子君

あと一分ありますのでお伺いしたいと思いますが、在沖米軍基地が原因の環境汚染が発生した場合、環境調査や汚染除去、原状回復のために掛かる経費はどちらの国が負担するか、提供中と返還後、それぞれお答えください。

委員長(佐藤正久君)

中島地方協力局長、簡潔にお願いします。

政府参考人(中島明彦君)

はい。米軍に提供中の施設・区域におきまして米軍に起因する環境汚染が生じて汚染除去の実施が必要となった場合には、これまでも原則として米側が経費を負担して汚染除去を実施してきております。また、区域が返還された後に環境汚染が確認された場合につきましては、日米地位協定の規定によりまして、特に沖縄の場合は跡地利用特措法第八条に基づきまして、在日米軍の行為に起因するものに限らず、沖縄における跡地の区域の全部につきまして、土地所有者に引き渡す前に日本側におきまして土壌汚染調査などの支障除去措置を講ずるということになっております。

糸数慶子君

終わります。ありがとうございました。

委員長(佐藤正久君)

他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。防衛大臣は御退席いただいて結構でございます。これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

糸数慶子君

私は、在日米軍駐留経費負担に係る特別協定について、反対の立場から討論を行います。本特別協定は、日米地位協定上、米国に負担義務がある在日米軍の維持的経費の一部を我が国が米国に代わって負担するものであります。日本がこうした負担を行う契機となったのは、一九七〇年代後半の急激な円高や米国の財政状況の悪化を背景に、本来米国が負担すべき費用の一部を負担したことが発端であり、一九八七年以降は特別協定という形で日米地位協定の範囲を超える負担を受け入れています。

しかしながら、現在、日本は一千兆円を超える財政赤字に苦しみ、日米の財政状況は逆転しています。このような状況で、広々とした米軍住宅を提供した上で米軍施設内の光熱水料まで負担するといった、至れり尽くせりの負担をする理由があるのでしょうか。こうした経費は、平成二十八年度予算では一千九百二十億円に上り、今後五年間で九千四百六十五億円、つまり一兆円近くもの負担になります。財務省の財政制度等審議会で示された米国防省の資料では、ドイツ、イタリア、韓国など他の米軍駐留国と比較して日本は突出した高い割合で経費負担を行っているとされていますが、我が国だけが高い割合の負担を行う理由は見当たりません。

また、当初五年間とされていた期間も、繰り返し更新されることによって恒常化しています。本特別協定の締結で、一九八七年以降、三十年を超えることになりますが、もはや暫定的、限定的、特例的とは言えず、米国から既得権として受け取られていると考えざるを得ません。このような多大な経費負担と期間の恒常化は、米軍の長期駐留を容易にし、全国の米軍専用基地の七五%を押し付けられている沖縄の負担軽減を阻害する大きな要因となっています。沖縄の立場から一言申し上げれば、本特別協定の交渉過程において、米国はオスプレイ等の最新装備の配備の代わりに日本側に負担増を求めたとされています。オスプレイの配備で負担が増えたのは、米国ではありません。負担が増えたのは、日々オスプレイの墜落の危険と騒音に悩まされる沖縄県民にほかなりません。政府は、なぜ米国の主張を認め、交渉を妥結したのでしょうか。

日本がこれまで負担してきた在日米軍駐留経費負担の総額は、少なくとも六兆円に及んでいます。今後五年間にわたり更に一兆円近くの予算を国民が負担し続けることは、到底認められるものではありません。本特別協定は、日米地位協定を超える過度な負担によって米軍を優遇し、ひいては米軍の長期駐留を容易にするものであり、沖縄県の負担軽減とは相入れないものであるということを強く申し上げ、私の反対討論といたします。