国政報告

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女性差別撤廃条約日本政府報告審査の最終見解、代執行訴訟「暫定和解案」受け入れに係る埋立工事中止

第190回国会 2016年3月23日 外交防衛委員会

糸数慶子君

無所属の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。

まず、女性差別撤廃条約、日本政府報告審査の最終見解について質問いたします。女性差別撤廃委員会が、今月の七日、第七そして八回日本政府報告審査の最終見解を公表いたしました。肯定的な評価がある一方で、五十一項にわたる懸念と勧告が示されました。まず、女性の婚姻年齢の引上げ、それに選択的夫婦別姓の導入、再婚禁止期間の撤廃などの民法改正とマイノリティー女性に対する差別撤廃がフォローアップの対象となっています。

このフォローアップ制度は、勧告の履行を確実なものにするため、特定の項目を二年という期限を区切って報告を求めるもので、民法改正は、前回の二〇〇九年に続き、今回もフォローアップの対象とされました。この制度は二〇〇八年に新たに導入されましたが、日本政府は、フォローアップ対象となっても差別撤廃を行わないために、制度を形骸化させているというふうに指摘されています。批判もされています。このことについて、岸田大臣の御見解をお伺いいたします。

国務大臣(岸田文雄君)

三月七日、国連の女子差別撤廃委員会から、女子差別撤廃条約の我が国における実施状況に対するフォローアップ事項を含む最終見解が発表をされました。最終見解、法的拘束力を有するものではありませんが、我が国は誠実に対応してきております。

前回、二〇〇九年ですが、最終見解が出されています。二〇〇九年の最終見解で指摘されたフォローアップ事項のうち、今回の最終見解でも再度フォローアップの対象になったものが、ただいま委員から御紹介がありました、婚姻年齢の男女差をなくすこと、あるいは選択的夫婦別氏制度の採用、女性に対する再婚禁止の廃止を内容とする民法及び戸籍法改正の勧告、こうしたものに関しましては、前回の最終見解の発出後、二〇一一年八月にフォローアップ事項に関する日本政府のコメントを委員会に提出し、同年十一月に同コメントに対する委員会からの見解が出されました。これに対しまして、さらに二〇一二年十一月に日本政府から追加情報提供を行い、これに対して二〇一三年九月に委員会の見解が示される、こういったやり取りがあった次第であります。

このように、指摘された事項につきましては、累次情報提供を行うなど誠実に対応を行っている次第であります。

糸数慶子君

国連のこの制度を形骸化させ、人権後進国と言われることのないようにしていただきたいということを申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。

次に、代執行訴訟暫定和解案、この受入れに係る埋立工事の中止について質問したいと思います。今月四日、日本政府と沖縄県は、名護市辺野古の新基地建設をめぐる代執行訴訟で、福岡高裁那覇支部が示した和解案を受け入れ、和解が成立いたしました。和解案は沖縄防衛局長に対し埋立工事の即時中止を求めており、これを受けて沖縄防衛局は埋立工事を中止いたしました。和解案受入れに伴う日本政府と沖縄県の協議が本日始まりましたが、政府が県民の声に真摯に耳を傾け、辺野古新基地建設計画を撤回することを強く望み、次の質問をいたします。

まず、協議が公正に行われるためには、議事録の作成と公開が必要であります。議事録を作成し公開されるのかどうか、中谷防衛大臣にお伺いいたします。

国務大臣(中谷元君)

本日、総理大臣官邸におきまして、沖縄、政府の協議会が開催されまして、私も出席いたしました。本日の協議におきましては、普天間飛行場の五年以内の運用の停止、普天間飛行場負担軽減推進会議の存続、北部訓練場の早期返還、和解協議の進め方が取り上げられました。この協議におきましては、普天間飛行場の危険性の除去と辺野古移設に関する政府の考え方や、沖縄の負担軽減を目に見える形で実現するという政府の考え方等につきまして協議をしたところでございます。

この協議におきましては率直な意見交換を行うということにしておりまして、今後政府と沖縄県との間におきまして協議をしていくわけでございますが、お尋ねの件につきまして、これらの点も考慮しつつ、沖縄県と協議しながら適切に対応してまいりたいと思っております。協議の内容等につきましては、会見等で適時お答えすることになると考えております。

糸数慶子君

前回もそうでしたけれども、きちんと議事録の作成を改めてしていただきますように、そしてこれをもう一度、メディアでもちゃんと会見されていますけれども、きちんと公開をしていただくように改めて強く要望したいと思います。

次に、沖縄防衛局は、政府のこの和解案の受入れをした後、大浦湾の埋立工事に関係する全ての工事を中止しているのでしょうか、また埋立工事に関連する資材調達などは中止しているのでしょうか、防衛省にお伺いいたします。

政府参考人(真部朗君)

三月四日でございますが、政府として、福岡高裁那覇支部の和解勧告を受け入れまして、沖縄県と和解することを決定いたしまして、防衛省といたしましても、埋立工事を直ちに中止することといたしまして、資材調達などを含みます各種の現場での作業というものも現時点で中止をしておる状況でございます。また、埋立土砂につきましては、現時点において具体的な採取場所等まだ全てが決まっているわけではございませんこともありまして、これまでも採取とか調達等の実施はいたしていないところでございます。

他方におきまして、この埋立工事とは別に、キャンプ・シュワブ内において代替施設の飛行場区域とは異なる区域におきまして、代替施設の建設事業とは直接関係のない各種の建物の整備工事等も実施してきておるところでございます。和解に伴います防衛省の対応の具体的なところにつきましては、和解の当事者間の認識に異なることがないように、和解条項の内容をよく確認した上で適切に対応していく考えでございます。いずれにいたしましても、防衛省としましては、今回の和解内容については全て誠実に実行していく考えでございます。

糸数慶子君

大浦湾の埋立てには沖縄県内や日本各地から土砂が採取されて調達されることになっているわけですけど、工事の中止を受けて埋立土砂の採取、調達も中止したのかどうかお伺いしようと思っていたところ、もう既にお答えがありましたので、これは元々やっていないということでよろしいんですね。じゃ、次に参ります。

沖縄防衛局は、埋立工事準備のためのボーリング調査の船舶やオイルフェンス、そして臨時制限区域を示すフロート、それからブイ、コンクリートブロック、また、キャンプ・シュワブ前の山形鉄板、フェンス等を撤去されたのでしょうか、防衛省にお伺いいたします。撤去されていない場合はその理由もお示しください。

政府参考人(真部朗君)

ちょっと繰り返しになって恐縮でございますが、防衛省といたしましては、先ほど申し上げたように、和解決定を受けまして埋立工事を直ちに中止することといたしました。その上で、その他のボーリング調査、キャンプ・シュワブ陸上部における工事、そういった各種の現場の作業、これにつきましても現時点で中止している状況でございます。今後の対応ということ、具体的な対応につきましては、和解の当事者間の認識に異なることがないように、和解条項の内容をよく確認した上で適切に対応していくという考えでおるところでございます。

糸数慶子君

今質問を申し上げましたけれども、山形鉄板とかフェンス等は撤去されたのでしょうか。

政府参考人(真部朗君)

現時点では、繰り返しになって恐縮ですが、各種の現場の作業を中止しているということでございます。例えば、フロートとかブイといったものにつきましては撤去という新たな作業は行っていないということでございます。

糸数慶子君

埋立工事、そのことに関する和解案を受け入れて全てを中止するのであれば、是非そういうのも撤去していただくように申入れをしたいというふうに思っております。それから、沖縄防衛局がキャンプ・シュワブ陸上部にコンクリートプラントの設置工事を進めているのではないかというふうにメディアを通して報じられておりますけれども、これはどうなっているのでしょうか。

政府参考人(真部朗君)

キャンプ・シュワブ内におきましては、代替施設の建設事業とは直接関係のない建物を機能的かつ効果的に再配置するということのために、平成十九年度以降、代替施設の飛行場区域とは異なる区域におきまして隊舎等の整備に係る工事を実施してきております。また、そのための生コンプラントの設置も計画をいたしております。一方におきまして、先日の和解決定を受けまして、防衛省として埋立工事を中止することとしたところでございまして、その他の生コンプラントの設置を含むキャンプ・シュワブ陸上部における工事など、各種の現場での作業も現時点で中止している状況でございます。

先ほどの繰り返しになりますが、和解に伴う防衛省の対応の具体的なところにつきましては、和解の当事者である沖縄県側の認識と異なることがないよう、よく確認し、適切に対応してまいります。

糸数慶子君

ただいまお答えがありましたけれども、キャンプ・シュワブの陸上部にコンクリートプラントの設置工事、これがあるのではないかというふうに報じられておりますが、それはないということでよろしいですね。

政府参考人(真部朗君)

先ほどの答弁の繰り返しになって恐縮でございますが、隊舎等の整備に係る工事を従来から実施してきておりまして、キャンプ・シュワブ内におきましてですね、そのための生コンプラントの設置も計画はいたして持っております。

糸数慶子君

沖縄県にとりましては、県知事を始めとして県民の八割が辺野古の新基地建設というのは反対をしております。裁判を取り下げて和解案を受け入れたわけですから、こういうことから考えても、埋立工事は全て中止をする、そしてそれ以外の基地建設工事は進めないというのが、その和解案を受け入れた知事の立場だというふうに思います。そういうことを考えていきますと、今日から話合いが始まっているわけですが、防衛大臣にお願いを改めてしたいと思います。先ほどの交渉の中身に関しましては、しっかりと議事録を作って県民にも国民にも公表することを強く申入れをしたいと思います。

そういうことであれば、この基地建設工事は、和解案は受け入れたけれども、それを進めるというような状況であれば、決して沖縄県民は政府を信用しない、そういう立場に立つと思いますが、その件に関して防衛大臣の御見解を改めて伺いたいと思います。

国務大臣(中谷元君)

今後の進め方につきましては沖縄県側と引き続き話し合っていくということになりまして、政府としても誠実に対応してまいる所存でございます。そして、協議におきましては率直な意見交換を行うことといたしておりまして、今後、政府と沖縄県との間におきましても真摯な姿勢で協議をして対応していきたいと考えております。

糸数慶子君

今後、またこの協議の結果については改めて質疑をさせていただきたいと思います。以上です。終わります。