国政報告

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辺野古集中協議と基地問題、在外被爆者

第189回国会 2015年9月10日 外交防衛委員会

糸数慶子君

無所属の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。

まず、通告をしておりましたが、租税協定それから投資協定についてはこれまでの質疑の中で明らかになりましたので、御答弁用意されたと思いますが、今回割愛させていただきまして、次の質問に入りたいと思います。

まず、辺野古集中協議と基地問題についてお伺いをしたいと思います。

米軍普天間飛行場の辺野古への新基地建設問題についてでありますが、県と安倍政権の集中協議は完全な平行線をたどって決裂をいたしました。沖縄県民の辺野古新基地建設反対の民意というのはこれまでの選挙で既に明らかになっていると考えます。

安倍政権は、沖縄に寄り添うという方針を述べ、協議を開始いたしましたが、協議期間中、辺野古が唯一という方針を変えずに、菅官房長官は、工事を再開することをその協議の期間中に明言をするなど、県民を愚弄するような発言をされたということを強く指摘したいと思います。

沖縄の世論は、既に前知事が辺野古埋立承認をいたしましたけれども、それは取り消すべきだというふうな方向に向いておりますが、そこで、中谷大臣にお伺いをしたいと思います。

まず、この辺野古の新基地建設について話し合う集中協議、それは決裂したわけでございますけど、この集中協議の成果、どのように受け止めていらっしゃいますか。

国務大臣(中谷元君)

この一か月の協議におきまして、政府と沖縄県との間で、普天間飛行場の危険性の除去、また閉鎖の必要性につきまして認識を共有することはできました。

私も名護市に参りまして、市長さんともお話合いをさせていただきましたが、その方法論につきましては隔たりが大きくて、残念ながら、政府の立場について沖縄県の御理解をいただくには至らなかったわけでございます。

他方で、集中協議では辺野古移設問題の原点について議論が交わされまして、戦後七十年、米軍基地負担について沖縄県の思い、これを拝聴する機会がありました。また、政府側からも御意見を丁寧に説明をさせていただきましたけれども、戦後七十年たって今なお沖縄に大きな基地負担をお掛けしている現状を踏まえまして、北部訓練場の過半返還、また嘉手納以南の土地の返還を始め目に見える負担軽減、これをしっかり進めていきたいという政府の考え方も伝えてきたところでございます。

集中期間を通じて沖縄県との間で意見交換を行う関係を築くことができたということは、非常に私にとりましても、私なりの人間と人間との関係におきましても得た成果でございますが、今後とも、辺野古移設に関する考え方、負担軽減の取組方について説明を尽くしまして、理解を得る努力を継続してまいりたいと思っております。

糸数慶子君

沖縄の県民に理解を得るというふうにおっしゃっていらっしゃいますけれども、結果的には五回の集中協議は決裂をしたわけであります。

今、政府の方では、そういうものを終わりとせずに、一致点を見出すために継続して話し合う必要はあるということで、沖縄の米軍基地負担軽減策あるいはその振興策を話し合う政府・沖縄県協議会、これ仮称でありますが、その設置を菅官房長官が県の方に提案しておりますけれども、しかし、基地問題と振興策を同じ協議機関で話し合うということを、私は違和感を禁じることはできません。沖縄は基地と引換えに政府から金をもらっているということを、実は国民の中の誤解というのがいまだに根強いわけです。

なぜ私がこのようなことを申し上げるかといいますと、今回のこの話合いの中で、沖縄振興予算は、実は安倍晋三首相がこの集中協議の期間中に新基地建設とは関係のない発言をされておりまして、例えば沖縄振興予算三千億円、それを継続してやっていくというふうにおっしゃっておりますけれども、このことは、多くのマスコミが、やはり政府があたかも沖縄を厚遇しているというふうな印象を読者あるいはまたマスコミの視聴者に与えたということも事実ありまして、今回のこの協議と振興予算、全く関係のないところで話し合われるべきものだというふうに私は思います。

なぜならば、沖縄振興予算は、これは内閣府沖縄担当部局が各省庁で関わる予算を一括計上し、これを財務省に要求し、各省庁と直接予算の折衝をする、これは他府県とは仕組みが異なるわけです。沖縄振興のその文言ゆえに、沖縄だけが別枠の予算をもらっているとの誤解が生じやすいわけです。

それを払拭するために、翁長知事は、今回の第二回集中協議のときに報道陣に対してあえて資料を配付して、地方交付税は沖縄は全国で十六位、そして国庫支出金を合わせても六位であることを説明いたしました。これは、沖縄振興予算について報じるマスコミが少ない、そして、この間の安倍首相の今回の予算に関してそのような発言をしていただきますと、やはり誤解を生じるわけです。

こういうことをこの協議の場で発表するということは、結局は、結果として政府の思惑どおりになった報道が目立ったのではないかという県民の大変な危惧をしている部分もあります。

そのことを政府は、新たな協議会を通して、振興策と絡めて沖縄が基地を受け入れることがさも当然という印象を再び今回国民に植え付けようとした、そういう意図があるのではないかと思えるほどの今回の菅官房長官の政府・沖縄県協議会の設置に対する提案を私ども沖縄県民は大変危惧しているところであります。

先ほど大臣は、目に見える形で沖縄の負担の軽減をするというふうにおっしゃいましたけれども、今回のこの協議の中で、翁長知事は、辺野古に新しい基地は造らせないと、そのことを集中協議の中でおっしゃって、ある意味政府の思惑にはのみ込まれませんよということをはっきりおっしゃったわけです。新たな協議会を設置するということに、私は、そのことそのものは否定するわけではありませんけれども、まず基地と振興策がリンクするようなそういう誤解を国民に与える場にしてはならないというふうに思います。協議はあくまでも合意を目指して行うものであるわけですし、七十年という長い間、沖縄の基地の危険性を放置しておいて、その放置の責任を取らずに、改めてまた新しい基地を沖縄に押し付けるということは本当に許せるものではありません。

そこで、改めてまたお伺いいたしますけれども、安倍政権が沖縄に寄り添うということをおっしゃいますけれども、その言葉の意味は何でしょうか。

国務大臣(中谷元君)

これは、沖縄がさきの大戦において悲惨な地上戦を経験をし、またサンフランシスコ平和条約の発効以降も一定期間我が国の施政権の外に置かれたという苦難の歴史、これを忘れてはならないということ、また七十年を経て今なお沖縄に大きな基地負担を与えている現状、これを肝に銘じて負担の軽減を図るということが政治の責任であるということでございます。

そのようなことから、安倍政権は発足後二年半の間に、普天間飛行場の空中給油機十五機全機、岩国飛行場への移駐を行いました。また、西普天間住宅地区の全面的な返還、基地負担軽減を進めております。また、オスプレイにおきましても県外訓練等を実施をいたしまして、日本全国民で負担を分かち合っていくように政府としてもその受入れ等に努力をいたしているわけでございます。そして、普天間飛行場の緊急時の航空機の受入れ機能、これも九州に移してまいります。

その上で、普天間飛行場の辺野古の移設について、やっぱり一刻も早く、市街地に位置をしました非常に危険な固定化、これは絶対にあってはならないということで、今後とも、沖縄県側と協議をいたしながら、こういった負担軽減の取組について説明をさせていただいて、御理解を得る努力を継続してまいりたいと思っております。

糸数慶子君

残念でございます。

私、先ほど御質問申し上げましたように、本当に沖縄の県民に寄り添う、あるいは負担の軽減というふうに、そういうことをおっしゃるのであれば、沖縄県が埋立承認を取り消して、そして辺野古の新基地を造らせない、そのことこそが沖縄県民の負担を軽減することにつながるわけですが、そういうことをせずに、県の潜水調査後に海上作業を再開するというふうにおっしゃっていらっしゃいます。このことも県民の理解を得られるはずはないと思うわけですが、どうしてもこの作業を再開するというおつもりなんでしょうか。

国務大臣(中谷元君)

この一か月の協議におきまして、政府の立場からこの必要性について御説明をさせていただきましたけれども、沖縄県の御理解が得るに至らず、本日に至っておりますが、今後とも新たな協議会もつくりまして協議は続けてまいるわけでございますけれども、機会を捉えまして、辺野古移設に関する考え方、負担軽減の取組について説明を尽くしてまいりたいと思います。

普天間の代替施設の建設事業につきましては、住民の生活、また環境への影響に配慮しながら、関係法令に従いつつ進めてまいりたいと思っておりまして、作業の具体的な再開時期につきましては、沖縄県の立入調査の状況、気象、海象、米軍の訓練等の現地の状況を見極めつつ判断をすることといたしております。

私の思いといたしましては、やはり普天間基地の抱えている危険性、これの除去のために一日も早く移設が進むことがやはりあの地域の皆様方の心配、懸念、これをなくし、また基地の縮小を目に見える形で進めてまいりたいという気持ちでございます。

糸数慶子君

本当に残念でございます。

近々、沖縄県知事が、前県知事がこの埋立てを承認したわけですが、その取消しを表明をしていただけると思います。

質問を続けます。

次に、在外被爆者問題について伺います。

一昨日、最高裁判所で、在外被爆者が日本国外で医療を受けた場合でも被爆者援護法が適用されると初めての判断を示しました。広島、長崎で被爆した方の十人に一人が朝鮮半島出身者と言われておりますが、被爆後帰国された、いわゆる広島、長崎を持ち帰った人々が原爆症に苦しみ、差別や偏見と闘い、裁判でも闘わなければならなかった長い年月を私たちは重く受け止めなければならないと思います。

戦後七十年たってようやく在外被爆者が救済されるわけですが、報道されている中で、二〇一五年の三月末時点で在外被爆者四千二百八十人に含まれない被爆者もいらっしゃるわけです。どこに住んでいても被爆者は被爆者で、救済されなければなりません。政府も調査をされ、朝鮮被爆者の存在も把握されていると思いますが、一日も早い救済が必要だと考えます。被爆地広島出身の岸田大臣の御見解をお伺いいたします。

国務大臣(岸田文雄君)

まず、広島、長崎への原爆の投下は、おびただしい数の尊い命を奪い、そして健康につきましても、病気、障害、こうした言葉に尽くせない苦難を強いた、人道上極めて遺憾な事態をもたらしたものであると認識をしています。

その中で、今委員から御指摘がありましたこの判決が出ました。八日、最高裁において、在外被爆者に対しても被爆者援護法を適用し、大阪府に対して医療費の支給を認める内容の判決が出たわけですが、今後、厚生労働省と大阪府において、判決の趣旨に沿って速やかに対応がなされるものだと承知をしております。

そして、それ以外の方々についてですが、既に厚生労働省が発出した文書を見ますと、訴訟外の在外被爆者の方々に対しても検討を進めてまいりますと、こういった対応、方針が明らかにされています。

厚生労働省のこうした方針が示されておりますが、外務大臣の立場からは、二度とこうした核兵器が使用されないよう、核兵器のない世界を実現するべく、国際社会をリードしていかなければならないと考えています。

糸数慶子君

ありがとうございました。

時間になりましたので、別に通告もしておりましたが、次回に回したいと思います。ありがとうございました。