国政報告

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辺野古集中協議、はえ縄切断、米軍ヘリ墜落事故

第189回国会 2015年8月27日 外交防衛委員会

糸数慶子君

無所属の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。

まず、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への新基地建設の移設作業の中断についてお伺いいたします。

政府は、八月十日から九月九日まで海上ボーリング調査等に関する工事を中断しています。これは、辺野古埋立承認手続に瑕疵があると結論付けた県の第三者委員会の報告書を受け、翁長知事が埋立承認を取り消す方針を決めたことから、政府が中断を余儀なくされたということだというふうに思います。

政府と県は、作業の中断期間中、集中協議を行っていますが、八月二十四日までに行われた三回の協議は平行線のままであります。集中協議に先立つ安倍総理と翁長知事との会談で、この集中協議において事態の打開を目指すことで一致したとされていますが、これは、沖縄県民の意思は明確に示されており、打開するには新基地建設を中止するしかありません。一か月の中断で打開できると思われたのでしょうか。県民の間には、集団的自衛権行使を可能とする法案審議に影響しないよう一か月先送りしているだけではないかと、そういうふうなこともあります。また、知事の判断を先送りすることで県民と知事との間に疑心暗鬼を生じさせようとしているのではないかと、そういうふうにして政府の対応を疑問視する声もあります。

こうしたことを踏まえ、中断期間を一か月とした根拠、また何のために中断をしたのか、中谷防衛大臣にお伺いいたします。

国務大臣(中谷元君)

政府と沖縄県とは、翁長知事の就任以降、何となく角を突き合わせるような状況でありましたが、今年の四月に菅官房長官が初めて翁長知事にお会いして以降、対話を進めるという道筋ができました。

そのような中で、沖縄県では第三者委員会の報告書を受けて、埋立承認、これの取消しを検討しているとの報道があるほか、辺野古沖の臨時制限区域における立入調査を行いたいとの申請が在日米軍にあったところであります。そこで、政府から沖縄県に対して、辺野古沖での工事を一か月中断して立入調査を行うことができるよう米側と調整するので、集中的に協議を行いたいと申し入れたものでございます。

政府といたしましては、やはり一定期間冷却の期間を置いて、落ち着いた雰囲気の中で、普天間の危険性の除去と辺野古移設に関する政府の考え方、そして沖縄の負担軽減を目に見える形で実現するという政府の取組につきまして改めて丁寧に説明をいたしたいという思いから、このような申入れを行ったわけでございます。

この一か月という期間は、集中的に話し合う期間として適当な長さと考えたものでございまして、政府として沖縄の皆様方の考えに真摯に耳を傾けていくとともに、改めて、普天間の危険性の除去と辺野古移設に関する政府の考え方、沖縄の負担軽減を目に見える形で実現するという取組につきまして御理解いただけるように、丁寧に説明を行っていく考えでございます。

糸数慶子君

今、負担軽減というふうにおっしゃいましたけれども、この協議の中で具体的にその負担軽減をどのような形で話合いがされているのでしょうか。例えば、今までにも出ておりますけれども、普天間基地の五年以内の閉鎖であるとか、それから、これまで国の方から提示をされました環境の問題などにいたしましても、全くそれが進んでいないという状況ではないでしょうか。

何をして負担軽減というふうに具体的にお話をされているんでしょうか。

国務大臣(中谷元君)

私も、この一か月の期間中に沖縄を訪問いたしまして、名護市の市長さん、また知事さんにもお目にかかってお話を聞きましたが、その中でも、沖縄市におきましてサッカー場で土壌の汚染が分かりまして、その土を早期に除去する場所、そして返還予定をされております弾薬庫地域を視察をいたしまして、関係者の方々からもお話を伺いまして、基地を所有している市町村長さんやまた沖縄の関係者からも意見を伺いまして、こういった負担の軽減、また地元の御心配が少しでも軽減されるような努力をしながら、こういったことが実現できるように今進めているわけでございます。

糸数慶子君

先ほども申し上げましたけれども、国側の以前にお話がありました環境補足協定の締結、これは具体的に進んでいますか。

政府参考人(冨田浩司君)

この協定につきましては、これまでも委員会の方で御報告させていただきましたけれども、昨年十月に協定自体については実質合意を行っております。その上で、現在、立入りの手続等関連の文書の調整を行っているところでございまして、米側とは鋭意交渉を進めてまいりましたところでございまして、まだ結果を予断することは差し控えたいと思いますけれども、私どもの見通しとしては、遠からず妥結に持っていける状況に行きつつあるのではないかというふうに考えているところでございます。

糸数慶子君

期間の明示もなく、遠からず妥結に持っていけるのではないかということではちっとも負担の軽減にはならないと思います。

今までのその話合いが三回行われておりますけれども、この話合いの議事録や協議概要を残さなければいけないと思いますけれども、議事録は作成されていますでしょうか。

政府参考人(冨田浩司君)

当然のことながら、協定に係る政府間の交渉でございますので、しかるべく記録を残す形で交渉は行っておりますけれども、事柄の性質上、その内容についてつまびらかにすることは差し控えたいと思っております。

糸数慶子君

政府と沖縄の協議の議事録ですが、その件についてお伺いしておりますけれども。││県と政府の双方が今回のこの協議に関しては議事録を作成していないというふうに聞いておりますけれども……(発言する者あり)いや、日米の話ではないです。

委員長(片山さつき君)

北米局長、御趣旨はお分かりですか、委員の御質問の。

政府参考人(冨田浩司君)

大変失礼いたしました。私、質問を取り違えておりまして、先ほど御答弁申し上げたのは日米間の環境補足協定に係る交渉の記録に関することでございます。

他方で、政府と沖縄との……

糸数慶子君

結構です。時間がありませんので結構です。

私は、この環境補足協定に関しては進んでいないとはっきり申し上げました。そして、今回の県と政府の双方が交渉の関係で議事録を作成していますかということを伺ったんです。

政府参考人(中島明彦君)

今回の協議につきましては、先ほど中谷大臣からお答えいただきましたとおり、一時冷却期間を置いて、落ち着いた雰囲気の中で普天間の危険除去、それから辺野古移設に関する政府の考え方などにつきまして改めて丁寧に説明すると、かつ、沖縄県と政府の側で闊達な議論を行って胸襟を開いてお話をするということで設定されたものでございまして、現在のところ議事録は作っておりません。

糸数慶子君

やはりこの議事録、議事概要、これはちゃんとやっぱり残して検証しなければいけないと思います。今回の対応は、国民の知る権利、それから情報公開法、条例の精神、行政の説明責任に反しているものであります。これからでも結構です、是非議事録を残すように要望したいと思います。

次に、はえ縄切断について伺います。

今年六月に沖縄本島から約百キロ南の海域で那覇地区漁協所属のマグロはえ縄漁船二隻のはえ縄が切断される被害に遭ったこと、これが八月十四日に分かりました。被害に遭った漁業者は米軍らしき艦船を目撃していたと報じられていますが、はえ縄の切断事案は昨年六月にも起きております。

たった一年間でこのように再発したことについて深い憤りを感じ、強く抗議したいと思います。米艦による切断ということも含め、事実関係及び経緯を詳細に岸田大臣に説明していただきたいと思います。

政府参考人(冨田浩司君)

事実関係について私の方から御説明をしたいと思います。

米艦船によると思われるはえ縄切断被害の事実関係でございますけれども、昨年五月に発生いたしました事案につきましては、沖縄本島南西部の沖合において八隻のマグロ漁船のはえ縄が切断されたものと承知をしております。その後、当事者である漁業者の方から米軍に対して申立てが行われ、現在、米側において調査、検討が進められているところでございます。

また、ただいま御指摘もございましたけれども、本年六月、七月に沖縄本島南方の海域で二隻の漁船がはえ縄を切断される被害を受けたというふうな情報に接しているところでございます。本件については、米側に現在事実関係を照会しているところでございます。

糸数慶子君

昨年、沖縄県の漁連は、被害に遭った九隻の漁具の補償とそれから休業補償、合わせて千百六十四万円を米側に請求したということになっておりますが、米軍は切断の認否も責任も明確にしておりません。

昨年のこの委員会でも私質問させていただきました。当時の小野寺防衛大臣は、対策を徹底し、再発防止に努めてまいりたいと答弁されていますが、残念ながら再発をしてしまいました。

再発を防止することは、まず原因を究明し、未然に回避するための対策が必要ですが、この一年間で一体どのような対策を徹底して、どのような再発防止に努めたのでしょうか。そして、今後具体的にどのような対策を実施されるのか、岸田大平成27年8月27日 外交防衛- 46 -臣にお伺いいたします。

国務大臣(岸田文雄君)

まず、昨年五月に発生した事案につきましては、政府として、まずは米側に対して事実関係などの照会を行ったわけですが、あわせて、沖縄県や地元漁協などに対し、米軍に対する申立て手続などに関しまして情報提供、そして助言を行い、様々な支援を行ってきたわけであります。また、本年六月の事案につきましても、得られた情報をお伝えするなど、できる限り支援を行っていきたいと存じます。

再発防止につきましては、これは当然のことながら、この実態を米側に対してしっかりと把握するべく、調査、検討を進めるべく申入れをしているわけでありますが、施設・区域使用に当たりましては安全面に最大限配慮する、これは当然のことですが、あわせて、地域住民に与える影響を最小限にとどめる、こうした配慮をするということも当然のことであると考えております。

そもそも、この訓練水域そのものにつきましても不断の検討をしていかなければなりません。例えば、昨年三月、ホテル・ホテル訓練区域の使用制限の一部解除等を行ってきたわけでありますが、こうした米軍の施設・区域の在り方について不断に検討していく、こういった姿勢も、地域住民の方々に対する影響を最小限にとどめるという観点からも重要な取組ではないかと考えています。

糸数慶子君

岸田大臣は、私の昨年の質問に対しまして、漁業者から米軍に対して事案の申立てを行ったりしていただくことが重要であり、その上で政府としてできることをしっかり検討し、しっかりと支援していきたいというふうに答弁されたんですね。

しかし、漁業者が米側と直接協議することは難しく、泣き寝入りせざるを得ないのではないかとの声もあるわけで、昨年の事案に対して、政府、外務省として具体的にどのような支援をされてきたのか。今回の事案に対しても積極的に支援をすべきだと考えますけれども、改めまして外務大臣の決意をお伺いしたいと思います。

政府参考人(冨田浩司君)

昨年の事案に関する支援のお尋ねでございますけれども、先ほど御答弁申し上げましたように、本件につきましては、当事者である漁業者の方から米軍に対して既に申立てが行われております。それを受けまして、現在、船舶の運航を担っておりました民間会社が、当該申立てを受けて調査、検討を行っているところでございます。

在日米海軍司令部も、漁業者側と連絡を取りながら処理に努めているところでございますけれども、必要とされる資料の作成や確認などについて一定の時間を要しているというふうに聞いております。

政府といたしましては、引き続き、当事者の方の申立てがスムーズに処理されますように必要な支援を行っていきたいというふうに考えております。

糸数慶子君

残念ながら、対策を徹底し再発防止に努めていきたいという政府の姿勢とは裏腹に、現実にはこういう状況でまたはえ縄の切断が起こっているということ、大変私といたしましては、漁業者の生活保障も含めて、この地域で漁業をせざるを得ない方々、これは米軍の訓練海域の近くでのこういう事案でありますので、しっかりと対応をしていただくように強く要請をいたしまして、要望をいたしまして、次の質問に移りたいと思います。

次に、米軍ヘリ墜落事故についてでありますが、これは先ほど井上委員からもありましたけれども、今月の十二日、米陸軍のMH60 ヘリコプターが沖縄本島東側の海上の米軍艦船への着陸に失敗し墜落をいたしまして、乗員十七人中七人が負傷するという事故が発生しております。地元への連絡が遅かったこと、定員オーバーしていたこと、乗員に自衛隊員が含まれていたことが指摘されておりますが、これまで共同訓練が行われていたということを承知しております。米特殊部隊と共同してということで、国民からは何をやっているのか不安だという声と怒りの声が上がっております。

この事件について米側からどのような報告を受け、事実確認をされたのか、中谷防衛大臣、説明をお願いいたします。

国務大臣(中谷元君)

八月十二日に米陸軍特殊部隊が特殊作戦能力を自衛隊に実演をしていた際に、米陸軍所属のMH60 ヘリが沖縄県うるま市の浮原島東約八マイル付近の海上で米海軍戦艦レッド・クラウドへの着艦に失敗をしたということでございます。また、ヘリに搭乗していた陸上自衛隊の特殊作戦群所属の自衛官が二名負傷いたしまして、一人は骨折全治六か月、もう一人が擦過傷全治二、三週間と診断をされ、一名は自衛隊中央病院に入院、もう一人は同病院に通院治療中でございます。この特殊作戦群の所属の陸上自衛官は、米陸軍が実施をする訓練を研修をしていたということでございます。

この後の対応につきましては、私、沖縄を訪問をいたしました際に、在沖米軍のウィスラー四軍調整官に、この事故の原因究明、再発防止、情報提供を要望いたしました。その際、ウィスラー調整官からは、在日米陸軍の調整官に対しても訓練を実施する際にはよく調整をしてまいるというようなことで、こういった情報提供を速やかに地元の方に伝達できるように努力をするという発言がございました。

また、アメリカの国防省のワーマス次官にも直接原因究明、再発防止を要望したところでございまして、現在米側が調査中の事故原因等につきまして今後米側から説明が得られた場合には、関係自治体等に適切に情報提供を行ってまいりたいと考えております。

委員長(片山さつき君)

糸数慶子さん、そろそろ、お時間終了しておりますので、おまとめください。

糸数慶子君

はい。

時間がないので、もう意見だけ申し上げて終わりたいと思いますけれども、再発を防ぐためには、やっぱり事故の原因究明、そして、何が原因だったかということを改めてきちんと整理した上で発表するというのが常識だと思いますが、それもしないうちに訓練をしているということ。それからもう一つは、やはりこの事故が発生して六時間後にやっと県の方やあるいは新聞社、いろんなところに、防衛局に通報があったということなんですが、要望といたしましては、やっぱり地元に情報を迅速に伝達をするシステム、その機能がないということでありますが、それについては、是非今後、やはりきちんとした情報が伝達されるシステムを作っていただきたいということを強く要望いたしますが、大臣、一言何かありましたらよろしくお願いしたいと思います。

委員長(片山さつき君)

では、一言だけ。

国務大臣(中谷元君)

沖縄県知事からも、県庁に速やかに直接防衛局から連絡してくれというような要望もございましたので、速やかに情報を伝達、また提供、またその対策等を講じてまいりたいと思っております。

糸数慶子君

終わります。