国政報告

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那覇空港における航空自衛隊のトラブル、12条の改正問題、諸外国への防衛装備品輸出

第189回国会 2015年6月9日 外交防衛委員会

糸数慶子君

無所属の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。

まず、防衛省設置法第十二条の改正についてでありますが、これまで、当委員会におきまして文官統制が過去にあったのではないかとの議論がありましたが、政府は一貫してその存在を否定し、十二条の改正理由については、衆議院安全保障委員会における議論の中で、今般、統合幕僚監部の改編、また防衛装備庁の新設を行う、防衛省の組織構成が変更されることから、この十二条につきましても、新たな組織構成に適切に反映した規定とするものであるというふうに答弁をしています。

そこで、組織構成が新たになるとなぜ十二条の改編が必要になるのか。つまり、過去にも組織改編があったにもかかわらず、なぜ今回十二条を改正するのかを御説明いただきたい。その上で、統合幕僚監部の改編と防衛装備庁の新設がなぜ十二条の改編につながるのかを個別に説明をお願いいたします。

国務大臣(中谷元君)

まず、過去の組織改編と異なりまして、今回の組織改編におきましては、内部部局以外に防衛装備庁という政策の企画立案機能を有する組織が外局として新たに初めて新設をされると。もう一つは、実際の部隊運用に関する業務につきましては、統合幕僚監部、これが一元的に実施することになりまして、必要な連絡調整を実施することになるといった、内部部局とその他の省庁の機関との業務上の関係が変わるということになります。そこで、今回の設置法十二条の改正は、言わば政策的な見地、軍事専門的見地双方から防衛大臣の補佐の調整、吻合という従来の十二条の趣旨自体を変更しないままで、新たな組織構成に適切に対応した規定とするものでございます。

そこで、今回の新設につきましてなぜ十二条かということにつきましては、まず、統合幕僚監部の改編、防衛装備庁の新設によって組織構成が大幅に変更をされるということで、この十二条につきましても新たな組織構成に適切に対応した規定とするものでございますが、従来からの同条の趣旨は、変更はないということでございます。

具体的には、改編後の統合幕僚監部が実際の部隊運用に関して対外的な連絡調整、国会答弁を含む対外説明を行うことを踏まえた上で、統合幕僚監部の改編後も、政策的見地からの大臣補佐が部隊運用を含む防衛省の所掌事務全般にわたり行われることを明確化をいたしました。また、政策的見地からの大臣補佐と軍事専門的見地からの大臣補佐の調整、吻合が引き続き適切に行われるということを明確化をいたしました。

一方で、防衛装備庁、これが政策の企画立案を担うということを踏まえた上で、防衛装備庁長官も、官房長や局長と同様に政策的見地からの大臣補佐の主体として明記をいたします。また、防衛装備庁の新設後も、政策的見地からの大臣補佐が防衛装備行政を含む防衛省の所掌事務全般にわたって行われることを明確化いたしまして、政策的見地からの大臣補佐と軍事専門的見地からの大臣補佐の調整、吻合が引き続き適切に行われることをより明確化をしたためでございます。

糸数慶子君

次に、航空自衛隊の航空総隊の改編について。

先週の六月の三日、沖縄県の那覇空港で、自衛隊のヘリコプターが滑走路を横切って全日空機の離陸を妨害し、さらにその直後、日本トランスオーシャン航空機が後方から同じ滑走路に着陸するトラブルが起きました。

このトラブルの概要と要因について、まず、現在政府が認識している状況の説明をお願いいたします。

政府参考人(深山延暁君)

お答え申し上げます。

御指摘の六月三日の重大インシデントでございますけれども、十三時二十四分頃、那覇空港で御指摘のような事案が発生いたしたところでございます。

原因というお尋ねでございましたけれども、現在調査中でありますが、現時点までのところにおきましては、自衛隊のヘリコプターの方が、全日空機に向けられた離陸の許可を自己に対するものと誤認をして着陸をしたことが原因だと理解しております。政府といたしましては、調査を行っております。現在、国土交通省の運輸安全委員会による調査が行われているものと承知しております。

また、一方、航空自衛隊といたしましても、事実確認を目的として、航空救難団及び航空安全管理隊の自衛官ら八名で編成した調査チームを、当日六月三日の二十二時に那覇に到着いたしましたが、隊員に対する聞き取り等、事実確認を目的とした調査を併せて行っているところでございます。以上でございます。

糸数慶子君

私、昨日、那覇の基地司令であります鈴木康彦司令に対しまして、この件に関しまして抗議をいたしました。

御存じだと思いますが、那覇空港といえば、お分かりのとおり、今、沖縄県内の観光客のまず空路での到着をするメーンな場所であり、それから、そこへ自衛隊がいわゆる軍民共用という形での使用になっておりますけれども、やはり那覇空港でのこの民間定期便のダイヤで、トラブルの起きた午後一時台の発着というのは計三十四便で、これは二分に一回以上のペースであるというふうになっております。

現状におきましては、那覇空港の滑走路が混雑しているのは、前回私が質疑をいたしましたけれども、そのときにも指摘をいたしましたけど、今回の第九航空団の新編によって那覇基地所在のF15 が四十機体制というふうになれば、混雑状況というのはより一層激しさを増すことは想定されるわけです。

ですから、今以上に発着回数が増えればその分事故の起こる確率も高くなることは明らかでありますが、防衛省はこの事故の発生リスク、どのように考えていらっしゃるんでしょうか。

政府参考人(黒江哲郎君)

第九航空団の新編に伴いまして、今先生御指摘のように、F15 の機数というのは増加するわけでございます。それに従いまして離発着回数自体は一定程度増加するというふうに我々も見積りを行っておりますけれども、これによります事故の発生リスクについて、現時点で確たることを申し上げるということはできないと思っております。

他方、当然のことながら、第九航空団の新編に当たりましては、事故等が起こることのないよう、自衛隊自身の運用上の安全対策に万全を期すということは当然でございます。また、那覇空港の空港管理者である国土交通省とも十分調整を行いまして、周辺の航空交通あるいは地域への影響といったものに配慮した形で新編作業を進めていく必要があるというのが我々の認識でございます。

糸数慶子君

五月二十六日の、私、この外交防衛委員会におきまして、黒江防衛政策局長にも、やはり今回の第九航空団の新編は那覇空港の第二滑走路の増設を前提としたものではないというふうに答弁されたことがあるわけですが、しかし、今ありましたように、一本の滑走路でダイヤが過密状態にある那覇空港の現状に照らせば、第九航空団の新編によりその事故の蓋然性は高まる、つまり第九航空団の新編と第二滑走路の建設は明確にリンクすると言わざるを得ません。

こうした重大インシデントが起こっても、まだ第九航空団の新編と那覇空港の第二滑走路の建設は関係ないというふうに思っていらっしゃるのでしょうか。第九航空団の新編について、那覇空港の第二滑走路の建設後にどのような状態でこの那覇空港の中身が変わっていくのか、これは防衛大臣の明確な答弁をお求めいたします。

国務大臣(中谷元君)

今般の第九航空団の新編、これは那覇空港の第二滑走路の増設を前提とするものではありません。また、近年の南西地域における緊急発進回数の増加傾向等を踏まえれば、南西地域における防空態勢の強化を図ることは喫緊の課題でございます。

そして、平成二十七年度に那覇基地における戦闘機部隊を二個飛行隊化することとともに第九航空団を新編することが必要不可欠であると考えておりまして、いずれにしましても、第九航空団の新編に当たりましては、事故等が起こることがないように引き続き自衛隊自身の運用上の安全対策に万全を期すとともに、那覇空港の空港管理者である国土交通省とも十分調整をした上で、周辺の航空交通や地域への影響に配慮した形で進めていく必要があると考えております。

糸数慶子君

今回のこのトラブルの件なんですが、自衛隊のヘリコプターは、滑走路脇の誘導路から離陸したというふうに聞いておりますけれども、この滑走路と誘導路の使用方法について防衛省の見解を伺います。

政府参考人(深山延暁君)

お答え申し上げます。

御指摘のとおり、このインシデントの際、CH47J、このヘリコプターは誘導路から離陸をいたしました。

滑走路と誘導路の使用方法でございますが、ヘリコプターが那覇基地において離発着いたします際には、通常、誘導路を使用して離発着をしておるところでございます。

糸数慶子君

このようなトラブル、本当に二度と起きることがないように、政府にはしっかりとした事故原因の分析、そして事故が発生いたしますと、再発防止、その対策を取っているというふうにおっしゃいますけれども、過去に起こったことから考えていきますと、本当に実効性のある対策を行っていただきたいというふうに強く要望したいと思います。

また、私は、昨日は那覇市議と同行してこちらへ申入れをしたんですけれども、お隣の那覇市とそれから豊見城の市議会の方でも何度も新しい滑走路に関しては軍民共用ではないということをきっちりと申入れをしておりますけれども、その件に関しても再度防衛大臣の答弁を求めたいと思います。

国務大臣(中谷元君)

今後の運用等につきましては、まず安全面におきましては運用の安全対策に万全を期すということと、那覇空港の空港管理者であります国土交通省とも十分調整の上、こういった周辺の航空交通や地域の影響に配慮した形で進めていく必要があると思いますので、しっかりと国土交通省と調整をしてまいりたいと思っております。

糸数慶子君

改めてまたお伺いをしたいと思います。この事故の原因の分析、そして再発防止の対策を行っていただくように強く申し入れたいと思います。

次に、防衛装備庁の諸外国への装備品の輸出推進についてでありますが、五月二十八日の参考人質疑におきまして、西川参考人は、防衛装備移転三原則は、要するに日本が武器輸出三原則から足を洗ったというか、撤廃したということを意味するものである、また、この移転三原則ができることによって、防衛装備庁がまさに発足する基盤ができたということだろうと述べておられます。

これについて、防衛大臣の見解を伺います。

国務大臣(中谷元君)

昨年四月一日に閣議決定しました防衛装備移転三原則、これは従来のとおり、平和国家としての基本理念を堅持した上で、これまで積み重ねてきた武器輸出三原則の例外化の実例を踏まえまして、これを包括的に整理をしつつ明確な原則を定めたものでございます。

また、同原則を踏まえた国際的な防衛装備・技術協力の進展への対応は防衛装備庁の新設の背景の一つでございますが、これに加えて、防衛生産・技術基盤の維持強化、また、厳しさを増す安全保障環境を踏まえた技術的優位の確保、防衛装備品のハイテク化、複雑化等を踏まえた調達改革などを拡大する防衛装備行政に適切に対応するために同庁の設置が必要と考えたところでございます。

糸数慶子君

中谷防衛大臣は、三月三十日、インドのパリカル国防大臣と会談をし、海上自衛隊の救難飛行艇US2のインドへの輸出に関する協議を継続し、早期の進展を目指すことを確認したと報じられています。

US2は、防衛装備移転三原則の決定後、完成品を輸出する最初のケースになるかもしれず、装備品輸出の目玉とも言われていますが、現在インドとの交渉がどこまで来ているのか、現状の説明を伺います。

国務大臣(中谷元君)

US2における日印の協力の在り方については、まず、平成二十五年の十二月以降、両国の次官級の合同作業部会、JWG、これを三回開催をし、US2のインドへの移転を通じた産業間協力など幅広い議論を行ってまいりました。

昨年九月に日印首脳会談において議論を加速することで一致をいたしまして、本年三月三十日、日印防衛相会談において、私とパリカール・インド国防大臣との間で引き続き協議をしていくことで一致をしたところでありまして、今後ともJWGや様々な協議の場を通じて議論を進展させてまいりたいと考えている次第でございます。

糸数慶子君

国内企業が防衛装備品を他国政府に売却して、防衛省が訓練や維持整備のノウハウを伝える必要が生じた場合、US2のケースならインド軍に対して自衛官やOBを派遣することもあり得るのでしょうか。

また、他国に自衛官を派遣する場合、現行法で派遣する根拠があるのでしょうか。今回の法改正によって防衛省の所掌事務に国際協力に関することが追加されれば、この派遣は可能になるのでしょうか、説明を伺います。

政府参考人(吉田正一君)

US2に関する協力につきましては、今大臣が申し上げましたような協議中の状況でございまして、具体的な協力の態様について何か具体的に決まっているということはございません。

このため、教育訓練や維持整備に関する協力についても具体的な方針があるわけではございませんが、US2は、我が国が独自に開発し、海上自衛隊のみが運用する航空機であるため、US2をインド政府に仮に移転するとした場合、自衛官等の知見や経験の活用を含め、何らかの支援を求められる可能性があると思ってございます。

インド政府のUS2の教育訓練や維持整備に関する支援は、自衛隊が調達し運用する航空機には当たらないため、現行法で対応が難しいケースも想定されます。そのような場合には、今度の設置法の新たな四条三十二号、先生御指摘の国際協力に関することを根拠として対応することとなることもあるというふうに考えているところでございます。

糸数慶子君

次に、四月二十八日、高知県足摺岬から三十五キロ沖で、訓練中の海上自衛隊岩国基地所属のUS2が離水の際にエンジンが脱落するなど機体が破損する事故が発生しました。乗組員は、救命艇で脱出し、近くを航行中のタンカーに救出されたと聞いております。

US2は波の高さ三メートルでも着水できる能力の高い救難飛行艇として政府は説明してまいりましたが、この事故の原因分析、どのようにされたのか、またどのような改善策が施されたのか、政府の説明をお伺いいたします。

政府参考人(深山延暁君)

お答え申し上げます。

御指摘のとおり、四月二十八日に高知県の足摺岬北東約四十キロの洋上におきまして、US2が離着水訓練中に波をかぶりまして機体を損傷するという事故が起きました。乗員等は脱出したことは御指摘のとおりでございます。

この事故の原因分析及び改善策につきましては、事故発生当日に海上幕僚監部に監察官を長とする事故調査委員会を設置し、現在行っております。

この機体はその後、事故の後、水没をいたしまして、現在、引揚げの検討も行っているところでございますが、そうしたこともありまして、まだ原因については分析は終了しておらないところでございます。

糸数慶子君

今後、防衛装備移転三原則によって防衛装備品の輸出が拡大されれば、当然、他国における日本製防衛装備品の事故や、さらには騒音問題などといった問題が生じることも予想されるわけです。補償問題も含めて、こうしたことに政府はきちんと取り組んでいただくことを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

ありがとうございました。