国政報告

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P-1の厚木基地への配備、不具合(エンジン停止)発生事案、財政法の例外としての国庫債務負担行為

第189回国会 2015年4月21日 外交防衛委員会

糸数慶子君

無所属の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。

まず、P1の厚木基地への配備についてでありますが、P1が配備されている厚木基地については、日米共同使用が開始された昭和四十六年、これは当時の横浜防衛施設局長から周辺自治体である大和市及び綾瀬市に対して、ジェットエンジンを主たる動力とする飛行機は緊急やむを得ない場合を除き使用しませんとする内容を含む、いわゆる四六文書が発出されております。P1の厚木基地への配備計画の話が出た当初、大和市及び綾瀬市、両市はこの四六文書を理由に反対しましたが、平成二十五年三月十二日、防衛省南関東防衛局長から両市に対しP1の配備が通知され、その際、引き続き四六文書を尊重すべきものと考えているとの説明がなされております。

両市は、同通知の前後に受入れはやむを得ないと表明はしましたが、一方で、基地の騒音に苦しむ市民団体、厚木基地爆音防止期成同盟からは、国の対応は余りにも横暴、四六文書が無視された、国に毅然たる態度を示すべきだとの意見も上がっております。

そこで、厚木基地にジェット機を使用しないとした四六文書を尊重するとしながらジェット機であるP1を配備し、更に今後も増やそうとしている現状について政府の認識を明らかにしていただきたいと思います。

政府参考人(黒江哲郎君)

いわゆる四六文書でございますけれども、これは、海上自衛隊による厚木飛行場の使用に当たりまして、昭和四十六年に、先生今御指摘になられましたように、当時の横浜防衛施設局長が関係自治体の長に対して通知をした文書でありまして、その内容としまして、ジェットエンジンを主たる動力とする飛行機、ターボプロップ機を除くと、これは緊急やむを得ない場合を除き使用しませんと規定をしておるというところでございます。

この規定につきましては、昭和四十年代に米軍のジェット戦闘機が立て続けに墜落事故を起こしたと、こういったことによりますジェット機の安全性への危惧、また、当時のジェット戦闘機の騒音への嫌悪といったものが背景としてあったものと思われるところでございます。

他方、厚木基地の周辺で市街化が進み、住民の生活環境に大きな影響を及ぼしている現状を踏まえれば、安全性の確保及び静粛性への配慮という規定の趣旨といったものは引き続き尊重すべきものと考えております。

しかしながら、四十六年のこの四六文書が発出された当時とは異なりまして、その後の技術革新によってジェット機の安全性及び静粛性につきましては飛躍的な進歩を遂げておると。そういうことから、厚木基地に配備する航空機がジェット機であるということのみをもって直ちに本規定に違背すると考えるのは適当ではございませんで、本規定の趣旨に照らして個別に判断をしていくということが適切だというふうに考えてございます。

こうした基本的な考え方の下で、厳しさを増す周辺海域の状況を踏まえ、平素からの常時継続的な情報収集、警戒監視をより実効的に行う能力の向上したP1を着実に整備していくことが必要である、現有のP3に比べましてP1が安全性及び静粛性に優れた航空機であることに鑑みれば、P1の厚木基地への配備については四六文書の趣旨を尊重するというこういう考え方に沿ったものであると考えているところでございます。

また、防衛省としましては、このような考え方につきまして、P1の厚木基地への配備に当たって関係自治体に御説明をし御理解を得てきたと、そういうところでございます。

糸数慶子君

P1はP3Cよりも静粛性が高いということでしょうが、やはりこの静粛性を理由としたとしても、文書に記載されているジェット機を使用しないとの文言に反していることは事実であり、市民の方々から文書を無視したと指摘されても仕方がないというふうに思われます。

それでは、平成二十五年三月に南関東防衛局長が引き続き四六文書を尊重すべきと言ったのは何をどう尊重するつもりなのでしょうか。尊重すると言いつつ、今般の長期契約で購入するP1、二十機の多くは厚木に配備されます。ますますこうやって機数が多くなるということから考えましても、政府の明確な答弁をもう一度求めます。防衛大臣にお願いいたします。

国務大臣(中谷元君)

厚木基地につきましては、人口が過密した市街地に所在しておりまして、基地周辺の住民の方々に航空機騒音に係る御負担をお掛けしていると認識はいたしております。

いわゆる四六文書につきましては、安全性の確保及び静粛性への配慮といった趣旨を含めて引き続き尊重すべきものと考えておりまして、P1がP3Cと比べて安全性及び静粛性に優れた航空機であることを鑑みれば、P1の厚木基地への配備につきましては四六文書の趣旨を尊重するとの考え方に沿ったものと考えております。

また、関係自治体に対しましては、厚木基地でのP1の配備に際して、飛行の安全確保に万全を期すとともに、騒音軽減等に最大限配慮することを説明をいたしまして御理解を得てきたところでございます。

また、騒音対策につきましては、周辺住民の方々の御負担を可能な限り軽減できるように住宅防音工事等の各種周辺対策を実施しております。

また、周辺住民の方々への航空機騒音の影響に可能な限り配慮するよう米側に要請するとともに、空母艦載機の厚木飛行場から岩国飛行場への移駐について着実に進めているところでございます。

防衛省といたしましては、今後とも、これらの措置を総合的に実施することによりまして飛行場周辺の騒音を軽減し、周辺住民の方々の負担軽減が図られるように努力をしてまいります。

糸数慶子君

今回の法案では特定防衛調達の対象となっている固定翼哨戒機P1については、平成二十五年五月十三日に、愛知県及び静岡県沖の洋上において高高度における制限速度を超過した高速度での急激な動きを行ったところ、エンジンが停止するといった事案が発生しているわけです。

この事案の概要、特にP1については四台のエンジンが付いておりますが、何台のエンジンが停止したのか含めて、説明を求めます。

政府参考人(吉田正一君)

先生お尋ねの平成二十五年五月十三日でございますが、川崎重工において、当時製造中でございましたP1哨戒機五号機について、洋上で実施した社内飛行試験におきまして機能確認のための高高度における高速度での急激な機動を行ったところ、エンジン四台が停止するという事象が発生いたしました。その後、当該機は、定められた手順に従い、機体の高度を下げ、全てのエンジンを再始動し、無事に着陸いたしました。

なお、当該事象において、当該機は常時パイロットのコントロールの下にありまして、同パイロットも緊急事態の宣言はしておりませんので、墜落が差し迫るといった緊迫した状況にはなかったということを付け加えさせていただきます。

糸数慶子君

この事案では、幸いエンジンが再始動して、航空自衛隊岐阜基地に無事帰還され、事なきを得たというふうに聞いておりますが、それに対してどのような改善がなされたのでしょうか。この不具合の原因、どのような分析がなされたんでしょうか。さらに、周辺住民に対する安全対策の取組については万全の備えを行う必要があると思いますが、政府の認識を改めて伺います。

政府参考人(吉田正一君)

御指摘の不具合の原因でございますが、量産機を製造する際に整備性向上のために一部のエンジン部品の形状変更を開発段階から行ったと、そういったものを機体を急激に機動させるとエンジンの燃焼が一時的に不安定となり発生したと、このように受け止めてございまして、この物理的な対策といたしましてはエンジン制御ソフトウエアの改修と、こういったものを行った上で、実機を用いて不具合が発生しないことをきちんと確認をいたしてございます。

他方、周辺自治体との関係でございますが、本不具合発生後、直ちに厚木基地に配備されている全てのP1哨戒機について安全性が確認されるまでは飛行停止をいたしました。また、防衛省としましては、平成二十五年十月に不具合対策が完了し飛行再開をする際には、事前に関係自治体に対して御説明させていただいたところでございます。

糸数慶子君

次に、今回の法案についてでありますが、国庫債務負担行為による防衛装備品の長期契約の年限を原則五か年度から十か年度へと延長するものでありますが、つまりこれは、国庫債務負担行為それ自体が憲法第八十六条の予算の単年度主義に対する例外であるのに、その例外に更に例外措置を設けようとするものと言えます。

今回、政府は、国庫債務負担行為の年限延長によるまとめ買い効果で装備品の単価が下がり、予算の縮減効果があると説明しておりますが、長期契約を行えば単価が下げられるというのはほかの分野でも同じだと言えると思います。国庫債務負担行為については、施設整備、宿舎整備、道路、港湾、そして空港整備、情報システムの開発等、様々なものが対象分野となっている中で、なぜ防衛装備品が予算の削減を理由に特別扱いをされるのか、防衛大臣にその見解を伺います。

国務大臣(中谷元君)

財政法の第十五条三項の本文は、国庫債務負担行為の年限を五か年度以内とする一方、ただし書におきまして、その他法律で定めるものにつきましてはこの限りでないと定めており、本法律案はこのただし書を根拠としたものでございます。また、長期契約の対象については、防衛装備品の特殊性を踏まえて、防衛力整備を確実に実施していくために必要となる装備品等及びその整備の役務であって、五か年度を超える長期契約によりコストの縮減と安定的な調達が見込まれるものといった要件を満たす必要があると考えております。

この点、お尋ねの道路、庁舎などの公共施設等の整備につきましても、当該ただし書規定を根拠として、いわゆるPFI法により、民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して最長三十年度まで国庫債務負担行為が認められているものと承知をしておりまして、防衛関係費を特別扱いしているという御指摘は当たらないと考えております。

糸数慶子君

まだ通告をしておりますけれども、同じような質問が先ほどもございましたので、私の質問はこれで終わりたいと思います。

以上です。