国政報告

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翁長県知事・菅官房長官会談、在外公館の整備と人員体制の強化、過酷な勤務条件への対応、環境補足協定

第189回国会 2015年4月7日 外交防衛委員会

糸数慶子君

無所属の糸数慶子でございます。

在外公館の整備と人員体制の強化についてお伺いいたします。

我が国の平成二十六年度末の外務省職員数は五千七百八十七人、一方、外務省が平成二十六年一月から三月に行った調査によりますと、アメリカが二万八千五百五人、ロシアが一万一千七百八人、フランスが九千三百三十四人に上るなど、我が国の外務省職員の数を大きく上回っています。

外交実施体制の強化には、在外公館の整備とともに人的体制の強化が不可欠であるというふうに考えますが、岸田外務大臣は現在の人員体制についてどのように評価されていらっしゃるのか、また、今後、人員体制の強化に向けていかなる取組を行うのか、お伺いいたします。

国務大臣(岸田文雄君)

在外公館名称位置・給与法案及び平成二十七年度の予算案が認められたならば、平成二十七年度末の我が国の在外公館設置状況、大使館が百四十五、総領事館六十二及び政府代表部八の合計二百十五公館となります。

また、外務省定員は八十二人増加しまして五千八百六十九人となります。大使館の数ということを考えますと、米国が百六十八、中国が百六十五、こうした各国と比べまして、決して日本の百四十五という大使館数、十分とは言えないと考えています。また、人員数でも、フランス、中国は我が国の一・五倍、ロシアが二倍、米国は五倍、こうした状況にあります。

そして、一方で、外務省を取り巻く外交領事業務、これはもう拡大の一途です。海外で活躍する日本人、年々増えてきています。一方で、邦人保護に万全を期す必要がますます高まっています。

また、情報収集体制の強化が言われています。また、日本企業の支援の要請も高まっています。八本の経済連携協定の締結にも適切に対応していかなければなりません。

こういったことを考えますと、是非国会でのこの御議論を踏まえつつ、主要国並みの外交実施体制の実現に向けて、厳しい財政状況の中ではありますが、骨太の方針二〇一四に定めたとおり、人的体制、在外公館の物的基盤整備に向けて努力を続けていきたいと考えています。

糸数慶子君

ありがとうございました。

情勢が不安定な国やそれから途上国で勤務する我が国の在外職員の中には、犯罪被害やテロなどと隣り合わせでの勤務を余儀なくされている方がいます。中東それから北アフリカにおいてはイスラム過激派の活動等により地域情勢が著しく悪化している状況の中、また、途上国では医療体制の不備やそしてインフラの未整備による断水や停電などによって過酷な勤務を強いられることもあるというふうに聞いております。

過酷な勤務条件は経費として積算が困難ではありますが、外交の現場を担う在外職員の在勤基本手当の水準を在外職員の生活勤務実感に見合ったものとするということは不可欠であると思っております。本法律案により在勤基本手当の基準額が改定されますが、外務省は過酷な勤務条件下にある在外職員の処遇についてどのように認識し、そして措置しているのか、改めて伺います。

政府参考人(上月豊君)

お答えいたします。

在外公館の職員の待遇の問題を考えるときには非常に重要な御質問をいただきました。

在外公館は我が国の外交活動の基盤でございますとともに、邦人保護の最後のとりででありまして、そこで働く在外職員が存分にその職務を果たせるよう、在外職員に対しては、第一に安全対策、第二に健康対策、そして第三にその他の勤務条件の措置、この三つが重要だと思っております。

第一番目の安全対策について申し上げれば、人的、物的面からの安全対策のために必要な警備対策が必要と思っております。特に、今御指摘ありました中東、アフリカ等で増大するテロの脅威を踏まえ、治安上の脅威が高い公館については、防弾車の配備ですとか身辺警護員の配置等を行って警備体制を構築しております。

二番目に、健康管理の問題でございます。現在、九十六の公館に医務官を配置しておりますし、また、定期健康診断のほか、風土病などの現地特有の病気に対する検査の実施や緊急移送体制の充実といったことにも取り組んでおります。今後とも、医務官制度を活用しつつ、在外職員の健康管理に努めてまいりたいと思っております。

第三に、勤務環境のことでございます。勤務、生活環境の厳しさの度合いに応じて、本日御審議いただいている在勤基本手当を加算しております。

また、館員住宅に対する自家発電や浄水器の設置等、支援策を講じているところでございます。今後とも、勤務環境が厳しい在外職員の待遇改善に意を用いたいと思います。御協力よろしくお願い申し上げます。

糸数慶子君

ありがとうございました。

次に、環境補足協定についてお伺いしたいと思います。

昨年の十月の二十日、日米両政府は、環境分野について日米地位協定を補足する環境補足協定の実質合意に至ったことを発表いたしました。私は十月二十八日の外交防衛委員会でこの件について御質問させていただきました。本協定は、日本環境管理基準、JEGSの発出、維持や、そして文化財調査を含む返還予定地の現地調査、そして環境事故の際の調査のための立入り手続の作成、維持などの規定を明確に定めるものであるというふうにされております。本協定の締結が沖縄県の負担軽減につながるというためには、単にJEGSや立入り手続が協定上の基準、制度として策定されるだけでなく、これらが米軍によって適切、確実に運用されることが担保されるような仕組みが備わっていることが必要であると考えます。

環境補足協定の実質合意から半年近くが経過いたしましたが、本協定の署名に向けた日米間の協議の中で、以上のような観点を含め具体的にどのような進展が見られたのか、これを簡潔に説明をお願いいたします。

政府参考人(冨田浩司君)

お答えをいたします。

日米地位協定の環境補足協定につきましては、先ほど先生から御指摘がございましたように、昨年の十月に米側と実質合意に至った旨の御報告をさせていただいたところでございます。

現時点におきましては、協定の下で作成する施設・区域への立入りのための手続を定める文書等の協議を行っているところでございます。現時点で具体的な署名時期はまだ確定しておりませんけれども、引き続き署名に向けて必要な作業をしっかりと進めていきたいというふうに考えているところでございます。

糸数慶子君

前沖縄県知事の仲井眞氏による普天間飛行場の五年以内の運用停止、そして環境に関する日米地位協定の改定など四つの要望について、これは安倍総理を始めとする政府は、これまで政府としてできることは全て行うというふうにおっしゃいました。昨年十月にこの環境補足協定に実質合意した際も、政府は、JEGSの発出、維持を協定として明確に定めることについて、沖縄県知事の要望に応えるものだとしてその成果を強調したところです。

ところが、昨年十一月の沖縄県知事選挙では、この辺野古の新基地建設に反対する翁長氏が当選をいたしました。沖縄県知事が交代しても、沖縄県側が二〇一三年の末に示した四つのこの要望書に対する政府の姿勢は変わらないという理解でよろしいでしょうか。沖縄県知事の交代によって環境補足協定の早期運用開始を含む沖縄県の示した要望に対する政府の取組が停滞するようなことがあってはならないと考えますが、外務大臣の見解を伺います。

国務大臣(岸田文雄君)

日米地位協定の環境補足協定の締結を含む仲井眞前知事からの要望につきましては、同前知事からの強い要請を受け、政府として全力で取り組んできております。これは引き続き、相手のあることではありますが、できることは全て行うというのが政府の基本姿勢であり、こういった姿勢は全く今までと変わっておりません。

環境補足協定につきましても、先ほどこの現状について御報告をさせていただきましたが、引き続き署名に向けて必要な作業を進めていきたいと考えております。

糸数慶子君

時間でございますので終わりますけれども、具体的なその開始の時期、お示しをいただきたいと思います。

国務大臣(岸田文雄君)

今、先ほど申し上げましたような作業、施設・区域への立入りのための手続を定める文書の協議を行っているところであります。できるだけ早く協議をまとめ結果につなげたいと思っておりますが、具体的にいつまでとこの場で申し上げるのはちょっと控えなければなりません。できるだけの努力をいたします。

糸数慶子君

ありがとうございました。終わります。