国政報告

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執行停止申立書に応じて指示の効力を停止、ヘリパッド問題

第189回国会 2015年4月2日 外交防衛員会

糸数慶子君

無所属の糸数慶子でございます。よろしくお願いいたします。

まず、三月の三十日、林農林水産大臣は、沖縄防衛局から提出された沖縄県知事の辺野古における海底作業停止指示の執行停止申立書に応じて指示の効力を停止する判断を示しました。この判断は、県の主張を一顧だにしない無慈悲なもので、断じて認めることはできません。

そもそも、今回の判断の根拠となる行政不服審査法の趣旨は、行政庁の違法、不当な処分に対して国民に不服申立ての道を開くとされているもので、その目的は行政に対して国民の権利や利益を守ることにあります。その意味で、国、つまり防衛局長が申立てをいたしまして、そして同じ国である農林水産大臣が審査するというこの構図は、公平公正に行われたのかどうか理解できないと翁長知事は述べていらっしゃいますが、私も全く同感であります。

その上で、今回の防衛省の申立てや農水省の判断は、これは沖縄の民意を踏みにじるものであって非常に怒りを感じるところですが、改めて農林水産大臣のこの判断の理由について農水省の説明を求めます。

副大臣(小泉昭男君)

先生御指摘の部分でございますが、沖縄県知事により工事停止指示に対する沖縄防衛局長からの審査請求及び執行停止の申立てにつきまして、農林水産省におきましては、行政不服審査法に基づきまして、三月の二十四日に処分庁である沖縄県に対しまして、沖縄防衛局の審査請求に対する弁明書と沖縄防衛局の執行停止の申立てに対する意見書の提出を求めたところでございまして、三月二十七日に沖縄県から農林水産省に対しまして執行停止の申立てに対する意見書の提出がございました。

本件の審査庁でございます農林水産省といたしましては、行政不服審査法の規定に基づきまして、沖縄防衛局及び沖縄県から提出をいただきました書面の内容を十分検討して、執行停止の要件に該当すると判断をしたところでございます。

糸数慶子君

特に農水大臣の判断では、これは沖縄県が示した意見書について、指示の処分性、これは意見書第一です。それから、申立人の申立て適格、これは意見書第二なんですが、この申立人の申立て適格、及び執行停止の要件、これは意見書第四についてのみ行われて、特に県民が関心を持っております最大四十五トンもの巨大なコンクリート製構造物でサンゴ等の岩礁が破壊されていること、また、戦後七十年を経た今も国土面積の約〇・六%に七四%の米軍の専用施設が所在するというこの異常な状況について、その負担を沖縄県民だけでなく日本国民全体で考えるべきで、これ以上の米軍基地負担を否定するという県知事

選挙で示された民意を無視した政府の姿勢を批判する意見について、この件については何ら言及がなかったことは極めて遺憾であります。さらに、民意への言及どころか、日米関係の影響を優先するという農林水産大臣の判断は断じて容認することはできません。

改めて、農林水産大臣の判断について、サンゴ等の岩礁の破壊、そして沖縄県民の民意に対する言及がなかった理由、及びこうした沖縄の基地問題に関する現状について農水省の見解を求めます。

副大臣(小泉昭男君)

先生の御指摘の部分でございますけれども、今回は、審査請求とその裁決が出るまでの間、執行停止の申立てがございました。このため、審査庁としての、行政不服審査法における執行停止の二つの要件についてのみ、まず判断をしたものでございます。

岩礁破砕行為の有無などにつきましては、沖縄防衛局及び沖縄県から提出されました書面において見解が異なっていることから、今後審査請求の中で更なる審査を尽くしていくこととしておりますので、御理解を賜りたいと思いますし、また、民意の問題、御指摘いただきました。沖縄の本土復帰から約四十三年たっておりますが、今なお国土面積の一%に満たない沖縄県内に全国の約七四%の在日米軍専用施設・区域が集中をしているわけでありまして、これが沖縄県民の皆様の大きな負担となっておることはもう御案内のとおりでございますが、このような状況につきまして大変厳しい声があることは十分承知をいたしているところでございます。

いずれにいたしましても、農林水産省といたしましては、行政不服審査法に基づきまして、審査庁としての公平中立な立場での双方の意見を聞いてまいりたい、こういうふうに考えております。

糸数慶子君

今回の沖縄防衛局による農林水産大臣へ審査請求書及び執行停止申立書の提出は、沖縄の民意を完全に無視し、今後の対話の道も閉ざすという安倍内閣の姿勢の表れであるというふうに考えます。

これまでも、沖縄の民意について、普天間飛行場の移設にのみ言及をしておりまして、何ら意味のある答弁をしてきませんでした。今後も沖縄の民意を無視し続けるという、民意を無視するという、前提の対話は行わないという、そういうことに抗議をして、次の質問に移りたいと思います。

次に、高江ヘリパッドの問題についてでありますが、今、沖縄県内における基地移設問題としては、北部訓練場の一部返還に伴う同基地内のヘリパッドの東村高江地区周辺への移転というものもあります。

現在、新たな六つのヘリパッド建設が強行されていますが、同地区及びその周辺地域への騒音被害や住民の安全に影響を及ぼすものであるだけにとどまらずに、同ヘリパッドの近くの絶滅危惧種でもあるノグチゲラの営巣地にも深刻な影響を与えるなど、環境破壊をもたらすものであります。

特に、一部のヘリパッド、これN4地区と言われておりますが、これは米側への提供手続前であるにもかかわらず米軍機が使用するなど、その運用状況というのは誠にずさん極まりなく、周辺住民も不安を募らせています。本年二月十七日には、N4地区のヘリパッドが正式に米軍へ先行提供されて実際に運用開始されたことも、同ヘリパッドでのオスプレイの運用などにより住民は不安を倍増させています。

このような危険で環境破壊をもたらす施設の建設、運用は即刻中止すべきでありますが、ヘリパッドの移転なしに北部訓練場を返還すべきであるということも申し上げて、質問に入りたいと思います。

そもそも県内移転を伴う基地の返還計画自体について多くの県民が反対していますが、この新たなヘリパッド建設及び米軍への提供は、北部訓練場の一部返還の条件であると認識をしています。

しかし、今回、ヘリパッドの一部が提供されたにもかかわらず、北部訓練場の一部返還については何らの動きも見られません。

現在、事実上ヘリパッドが増設されており、住民の負担軽減どころか負担増になっている状況にあると考えますが、このような状況を踏まえて、周辺住民の負担軽減に関する政府の現状認識を明らかにしていただきたいと思います。防衛大臣に伺います。

国務大臣(中谷元君)

まず、北部訓練場の過半の返還につきましては、これSACOの最終報告に盛り込まれた措置の一つでございまして、できるだけ早期の返還を実現するように取り組んでおります。

これまで、返還条件である六か所のヘリコプターの着陸帯の移設のうち、本年二月に二か所が米側に提供されたところでございまして、提供された着陸帯の使用に当たっては可能な限り周辺住民の方々への影響が最小限になるように、機会があるごとに米側に申入れをいたしております。

これまで二か所完成したところでございますが、残りの着陸帯整備に向けても最大限努力をいたしておりまして、本年二月に完成した二か所を米側に提供したところですが、同訓練場の過半の返還につながる一部でございますが、最終的に早期にこの返還が実現できるように努力をしてまいりたいと思っております。

糸数慶子君

この北部訓練場の一部返還と新たなヘリパッド提供との関係は、これ完全にリンクしているものであり、ヘリパッド先行提供、併せて先行返還も行うべきであるというふうに考えますが、改めて政府の見解を防衛大臣にお伺いします。

国務大臣(中谷元君)

これまで、北部訓練場の返還条件である六か所、これの着陸帯の移設について、現在二か所が完成をいたしたところでございます。

防衛省としましては、基地負担軽減のために残りの工事も急ぎまして、北部訓練場の過半の返還が一日も早く実現できるように引き続き努力をしてまいりたいというふうに思っております。

糸数慶子君

他方で、平成二十二年七月の二十日には、東村の高江区長名で、地域住民の生活環境の担保とそれから迷惑補償の観点から、十八項目から成る北部訓練場へのヘリパッド増設に伴う要請についてとする要請書が東村長を通じて沖縄防衛局に提出されています。この要請書は必ずしもヘリパッド建設を容認したものではないと認識しております。

その上で、現在、高江区の住民におかれては、新たなヘリパッドの先行提供により騒音被害や米軍機の飛行による危険にさらされている状況にあることから、ヘリパッドの建設工事は直ちに中止すべきであるというふうに考えますが、こうした実際の住民への不利益を少しでも軽減するために、不利益に対する補償措置と位置付けられる要請書の十八項目のこの要望事業等について政府は適切かつ早急に対応すべきであると考えますが、この要望事業等の推進に関して認識を明らかにしていただきたいと思います。

国務大臣(中谷元君)

御質問がありましたように、この北部訓練場のヘリコプターの着陸帯の移設工事の実施に当たって、平成二十二年度に、東村長を通じて高江区長から、米軍の活動、また補助事業に係る要望書、いただいているところでございます。

防衛省としましては、高江区からの要請に対しまして、様々な要素を勘案しつつ、引き続き誠意を持って対応してまいりたいと考えております。

糸数慶子君

今、この要請書、十八項目あるというふうに申し上げましたけれど、実際にこれら要望事業等に関してもし着手している事例がありましたら、その進捗状況についてもお伺いしたいと思います。

政府参考人(中島明彦君)

お答え申し上げます。

今先生御紹介いただきました高江区からの要請事項でございますが、これまで防衛省が実施した対応といたしまして、まず平成二十三年三月、東村高江区内の二か所におきまして航空機の騒音測定装置を設置いたしました。この測定結果につきましては、関係自治体に対して説明をしているところでございます。

次に、昨年十一月に高江小中学校の体育館の屋上に進入回避の標識等を設置いたしました。北部訓練場における飛行訓練に当たりまして、住宅及び学校地区上空の飛行をできるだけ回避するなど、地域の住民の方々に与える影響を最小限にとどめるよう米側に申し入れてまいることとしております。

さらに、補助事業についてでございますけれども、平成二十二年から二十四年にかけましてコミュニティー広場の整備を実施しておりまして、これは平成二十四年五月に完了しているところでございます。

糸数慶子君

今、要望書に関して、実際に行っているということとこれからやっていくということをおっしゃっておりましたけれども、実際には、今の答弁にありましたように、測定器を設置をしたり、あるいはコミュニティー広場の整備をやっているということをおっしゃっていらっしゃいますけれど、もう一つ、住民のこのヘリパッドに関する、先ほども質問申し上げましたけれども、米軍に対して、先行してきちんと返還の手続を行った上で飛行させるということに関しましては、全くその手続をやっていないという実態と、それから、あらかじめ要望されております学校の上空を飛行しないということ、そして夜間の訓練はしないということ、これはほとんど守られていないという状況であります。

実際に締結した状態を違反するような状況でのこの米軍の訓練に関しまして、防衛大臣に対して、今後どういうふうなことを米軍に対してしっかり申入れをするか、お伺いしたいと思います。

委員長(片山さつき君)

中谷防衛大臣、お時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いします。

国務大臣(中谷元君)

本年の一月二十一日、の北部訓練場において米軍ヘリが提供前の着陸帯を使用したとの報道を受けまして、沖縄防衛局から米側に事実関係を照会したところ、一月二十二日の午後、米側から、当該機がホバリング飛行を行い、状況判断で新たに完成したヘリコプター着陸帯に着陸したという回答がございました。

本件につきましては、沖縄防衛局から現地米軍に対して再発防止、これを申し入れたところでございます。

糸数慶子君

時間ですので、一応終わりたいと思いますけれど、先ほど御質問申し上げましたように、県民の民意を無視した今の沖縄の辺野古の基地に対する安倍内閣の対応に対しては強く抗議を申し入れて、終わりたいと思います。以上です。