国政報告

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県知事選の民意に従い辺野古断念を

第187回国会 2014年11月18日 参議院外交防衛委員会(CSC条約20分)

11月18日、外交防衛委員会で、岸田外務大臣に「沖縄県知事選挙の結果」について見解をただしました。答弁は「辺野古移設は日米合意の既定路線」と政府方針を繰り返すばかり。

私は「ここまできて、なお新基地建設を強行するのは、やはり県民に対する構造的差別であり、民意を尊重しないのであれば、もはや日本は民主主義国家ではないと言わざるを得ない」と主張し、辺野古新基地建設の断念を求めました。

なお、この日は「原子力損害補完的補償条約(CSC)」についての質疑でしたが、知事選直後でもあり、外相に問いただしました。

糸数慶子君

無所属の糸数慶子です。

私は、CSCの質問の前に、同じく先ほど質問がございましたが、沖縄の県知事選挙の結果について岸田外務大臣にお伺いしたいと思います。

辺野古新基地建設を最大の争点としたこの沖縄県の知事選挙ですが、新基地建設反対を主張した前那覇市長翁長雄志氏が、現職の仲井眞弘多氏を含む三人の候補者を大差で破り初当選をいたしました。沖縄県知事選挙の結果について、岸田外務大臣の見解を伺います。

国務大臣(岸田文雄君)

まず、先ほども江渡大臣からも答弁がありましたが、地方自治体の首長選挙について政府としてコメントすることは控えたいと存じますが、その上で申し上げることとして、まずこの普天間飛行場の固定化は絶対避けなければならない。これは政府のみならず、沖縄の県民の皆様とも共有している思いであると認識をしています。そして、政府としては、米軍の抑止力の維持、そして普天間飛行場の危険除去、これを考え併せたときに、唯一の解決策は辺野古への移設であるという考え方を今日まで取ってまいりました。この考え方につきましては今後も変わらないと思っています。

沖縄の負担軽減につきましては、引き続き沖縄県民の皆様方に御理解をいただくべく丁寧に作業を進めていかなければならないと思いますが、一日も早い普天間飛行場の返還が実現できるよう政府としましては全力で努力しながら、この辺野古移設について法令に基づいて粛々と進めていくべきであると考えております。

糸数慶子君

先ほどもございましたように、一月の名護市長選挙においても、やはり埋立承認、それから辺野古新基地建設反対、その強固な意思をもって稲嶺市長が名護市は再選されました。この結果は、やはり名護市民もそうですが、今回の知事選挙も併せて考えていきますと、県民の多数意思が何を求めているのか、このことを明白にした結果だというふうに受け止めております。

同時に実施されました那覇市長選挙、こちらも、県と那覇でオール沖縄の旗を掲げた城間幹子候補が当選をいたしました。これ知事選挙とダブルで勝利を勝ち取ることができたわけですが、実はこのような状況になったのは、仲井眞知事が、御自身の四年前の知事選挙での公約、そのことは、まず埋立てを承認ということではなくて、仲井眞知事は、あくまでも普天間の基地の県外移設、このことを公約にして当選をいたしました。しかし、県民の前に何の説明もないままに、ほとんど独断で去年の十二月の二十七日にいわゆるこの埋立承認をしたことに対する県民の怒りの審判が、このような状況で、私はオール沖縄の候補者が当選したというふうに受け止めております。

こういうふうにして、やはり二度も、名護市長選挙から今回の知事選挙まで、県民が、普天間の基地を改めて辺野古に移すという、いわゆる新基地を造るということに対しては二度も拒否をしている、そのことを政府はきちんと認めるべきだというふうに思います。

元々、政府は、地元の頭越しにこの問題は進めないという、そういうことがスタートでありました。そもそも、普天間の飛行場の閉鎖、返還というのが実は動き出したのは、御存じだと思いますけれども、九五年の少女の暴行事件、このことがあり、九六年の返還合意から十八年間、県民にこういう状況で精神的な負担をずっと押し付けてきた、この日本政府のやり方に対しては、県民の怒りが、仲井眞知事に対する十万票の票差を付けて翁長氏が当選したというような結果になっていると思います。

普天間飛行場の初期の政府方針に立ち戻って計画を見直しをするために、日本政府は沖縄ときちんと話し合うべきではないでしょうか。岸田外務大臣にお伺いいたします。

国務大臣(岸田文雄君)

まず、選挙というもの、これは民意の表れであります。やはり、誰もがしっかりと受け止めなければならないものであると認識をいたします。

その中で、この普天間飛行場の危険除去、これは政府とそして地元の皆様方とも共有する大変重要な課題である、普天間飛行場の危険は一日も早く除去しなければならない、これが政府と沖縄の皆様方との共有する思いであると思います。そして、政府としましては、その唯一の解決策を、辺野古への移設だということで今日まで努力をしてきましたし、これからも努力をしていかなければならないと思っています。

こうした負担軽減につきましては、沖縄の皆様方の声に耳を傾けながら丁寧に進めなければいけない、これは御指摘のとおりであります。是非、丁寧に作業を進めながら、沖縄の負担軽減に向けて政府としましてもしっかり努力をしていきたいと存じます。辺野古への移設について、法令に基づいて粛々と進めていきたいと考えます。

糸数慶子君

先ほどから、この普天間の基地問題に関しては、辺野古への新基地建設が唯一の解決策であるとか、それから負担の軽減だということを大前提というふうにおっしゃいますけれども、これだけの民意が表れて、そのことに対してはノーだという声をなぜ受け入れていただけないのか、大変不思議でございます。先ほども申し上げましたけれども、新基地建設をこういう形で強行するというのは、やはり、何といっても県民に対する構造的な差別であり、沖縄の民意を尊重しないのであれば、もはや日本は民主主義国家ではないと言わざるを得ません。

当選いたしました翁長雄志氏は、沖縄の民意に配慮できないというのであれば、日本の民主主義はアジアや、それから世界から評価されないでしょうと、粛々と辺野古移設を進めていくというそういう発想は、世界から民主主義国家としての信頼を日本は失うのではないかという、そういう意味で大変な損失になるというふうに指摘をしております。私もそういう思いを込めて、何としてもまず普天間の基地を辺野古に移す、そのことはなぜ大前提なのか、なぜ沖縄県内移設、そのことが日本の取るべき道なのか、大変大きな不満を持っております。

これが、先ほどもございましたけれども、これから解散予定になっております、いわゆる衆議院選挙においてもそのような結果が出てくるのではないかというふうに申し上げまして、CSCについて質問したいと思います。

まず、安倍政権の原発輸出への積極的姿勢に対するこの状況は、やはり、東日本大震災に伴う東京電力の福島第一原子力発電所の事故によって原子力発電の安全神話が崩れたにもかかわらず、安倍政権はなぜその安全性が確保できない原発を海外に輸出することを推進していくのか、大変遺憾であります。まだ福島の事故が収束していないにもかかわらず外国に原発を売り込もうとすることは、国際社会に対して日本が無責任な国として映るのではないかと危惧いたします。

安倍政権の下では、さきの国会には日本とアラブ首長国連邦との原子力協定、そして日本とトルコとの原子力協定を提出し、そして今般、本日の審議で議題となっております原子力損害の補完的な補償に関する条約であり、まさに原発輸出を推進するためのその条約を矢継ぎ早に成立させようとしていると言っても過言ではないと思います。経済成長、いわゆるアベノミクスのために、国民、さらには世界の人々を危険にさらす原発輸出を進めていくことは容認できません。

まず、ここで、安倍政権の原子力の国際協力に対する現在の方針を伺います。経産省に伺います。

政府参考人(多田明弘君・資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)

お答え申し上げます。

東京電力の福島第一原発事故の経験から得られました教訓、こういうものを国際社会と共有することで、世界の原子力安全の向上あるいは原子力の平和利用、こういったものに貢献していくことが我が国の責務であると、このように認識をいたしております。また、東アジア、東欧あるいは中東、こういったところを中心といたしました新興国を中心に、海外で原発の導入あるいは拡大が進む中で、我が国が持っております原子力の安全技術に寄せられる期待は高いところでございまして、この点につきましては福島第一原発事故の前後で変わらぬところでございます。

原発の輸出につきましては、こうした相手国の事情あるいは意向といったものを十分に踏まえつつ、我が国の責務を果たすべく、安全性を高めた原子力技術と安全文化、こういったものを諸外国に提供していくというのが現在の方針であるというふうに認識をいたしております。

糸数慶子君

安倍政権は、この原子力の国際協力について、福島の事故の経験と教訓を世界と共有し、世界の原子力安全の向上に貢献していくと説明しておりますが、それでは、更にお伺いいたします。

この原子力の安全性について、福島の原発事故から一体何を学び、どのような教訓を得たのでしょうか。また、原子力の安全について、どのような技術が改善され、それがどのように国際社会に貢献するとなるのか、改めて伺います。

政府参考人(多田明弘君)

私の方からお答え申し上げます。

福島第一原発事故からの教訓ということでございますが、この福島第一原発事故が起きました原因につきましては、国会でございますとか政府等に設けられました事故調査委員会の中で報告書が取りまとめられております。その中で、事故の原因といたしまして、地震、津波の想定、対策が不足していたこと、また、炉心の溶融、こういった重大事故への対策が不足していたこと、さらには、既存の原発に最新の知見を取り入れる体制、いわゆるバックフィット制度、こういったものが導入されていなかったことなどが主に指摘されていると承知をしております。こうした指摘を踏まえまして、あるいはIAEAや諸外国の規制基準も確認して、さらには我が国の自然条件の厳しさ、こういったものを勘案しまして、原子力規制委員会が世界で最も厳しい水準の規制基準を策定、導入してきているところでございます。

こうした中で、我が国の原子力の技術でございますが、こうした規制基準をしっかりと満たすような形で事業者が対応していくということでございます。もちろん、安全の追求というものは、規制の基準を満たせばそれで終わりということではないというふうに考えております。事業者にとっての継続的な安全向上、不断の努力というものが重要であるということでございまして、事業者はもちろんでございますけれども、関係企業を含めまして自らの安全性向上に向けた取組が行われるものと承知をいたしております。

私ども経済産業省といたしましても、こうした自主的な安全性向上に向けた努力といったものをしっかりと促すべく、現在、総合資源エネルギー調査会の下で設置をいたしました自主的安全性向上・技術・人材ワーキンググループ、こうしたところで検討をさせていただいているところでございます。

今御指摘のような中でございますけれども、原子力安全技術、我が国が持つ技術に対する強い期待というものにしっかりと応えていくというところで我が国の責務を果たしていく、先ほどの繰り返しになりますが、これが現在の方針であるというふうに認識をいたしております。

糸数慶子君

衆議院の議論やそれから政府答弁、これまでの答弁を精査してみますと、やはり、今回の条約とそれから原発輸出との関係を問われても、政府は、本条約の締結は原発輸出の推進を目的としたものではないというふうに先ほどから答弁もされています。この点をまず確認いたします。

そして、目的ではないと言いつつも、原子力産業の国際展開に資するという点については、結果としてそういう環境が整えられると理解していると述べておられますが、これは表向きには原発輸出のためではないと言いつつも、結局は原発輸出を念頭に置いているのではないかと思います。

それでは、まず一般的に伺いますが、我が国から原発を輸出し、相手国において万が一にも原発事故が発生した場合、相手国の国民から日本の原発が事故を起こしたと言われることになります。我が国はどのように原発事故の責任を取るのか、伺います。

政府参考人(引原毅君・外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長)

我が国から原発を輸出した相手国で事故が発生した場合の我が国の対応というお尋ねでございます。

まず、そもそも原子力発電の安全性確保ということは、基本的には、その原子力発電所が存在する、この場合、輸出先の相手国政府の責任において判断されるべき事項である、これはまず原則としてはそういうことであると言わなければならないと思います。

他方、我が国政府といたしましては、もちろん原子力安全の重要性というのは十分に認識しておることでございますし、福島第一原発事故の経験と教訓を世界に共有していくと、そういうことによりまして世界の原子力安全の向上に貢献していくということは我が国の責務であるというふうに考えているところでございます。

その上で、万々が一、輸出相手先で事故が発生した場合、まず我が国政府としてはどういう対応を取るかということでございますけれども、これはやはり相手国の要望を踏まえた上で対応を検討していくということでございますが、福島第一の事故の経験と教訓を踏まえ、是非積極的に協力をしていきたいというふうに考えるところでございます。

その関連で若干申し上げますと、例えば福島第一原発事故以降に、その年の九月でございますが、IAEAにおきまして原子力安全に関する行動計画が採択されております。その中で、原子力事故の発生等緊急事態に係る準備及び対応の強化ということがうたわれているわけでございまして、その中で、必要な支援が国際的に迅速に利用可能となる、そういう支援メカニズムを強化するべきであるというようなこともうたわれております。

我が国としましては、こういうIAEAの考え方、行動計画も踏まえまして、例えば原子力事故援助条約の運用上の手段として緊急時対応援助ネットワークというようなものが設けられておりますけれども、これで実際に事故が起きたときに様々な緊急時の対応を行うということでございますが、こういう枠組みを利用して積極的に事故への対応ということを貢献していきたいというふうに考えておるわけでございます。

以上、政府としての取組でございます。

CSC上、どういうことになるかということでございます。条約の枠組みについてどうかということで申し上げますと、非常に大きな事故がもちろん原子力事故として起きた場合に、相手国がCSC締約国であれば、何度も議論に出ておりますけれども、その損害額の大きさによっては我が国も一定額の拠出金を負担するということはあり得ることだというふうに考えております。

以上でございます。

糸数慶子君

時間が大分なくなりましたので最後の質問といたしますけれども、本条約が我が国国民のためになるのか否か、疑問もあります。仮に、他の締約国が、原発事故が発生し、我が国も拠出金を拠出する、その必要が出たとき、幾ら拠出することになるのでしょうか。また、その他の締約国の拠出金額は幾らになるでしょうか。

政府参考人(引原毅君)

我が国以外のCSC締約国での原発事故の場合の拠出金でございますけれども、これはまだCSCは発効しておりませんので、いずれにしても試算ということになりますが、この拠出金というのは、各国の原子力設備容量、それから、それに若干国連分担率というものを加味いたしまして算出をされます。

それで、仮に我が国が締結をしまして、これでCSCは発効いたしますが、我が国、そのほか米国、アルゼンチン、モロッコ、ルーマニア、アラブ首長国連邦、この六か国で発生した場合に、他の締約国で事故が発生した場合に我が国が拠出をする額の上限というのは約四十数億円というふうに見積もられているところでございます。

以上でございます。

糸数慶子君

本条約のこの拠出金ですが、主に原子力設備容量の多い国、すなわち我が国のような国ほど拠出金が加算されるというふうに思います。こうした仕組みにもかかわらず、我が国の国民がその分配を受けるためには外国の裁判所に訴えを提起する必要があるなど、その困難さは、本条約の締結が国民のためではないということが私は指摘されるべきだということを指摘いたしまして、もう時間になりましたので、質問を終わりたいと思います。

以上です。