国政報告

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辺野古の環境破壊を追及

第187回国会 2014年10月28日 参議院外交防衛委員会(一般 50分)

10月28日(火)、外交防衛委員会の一般質問で「辺野古の環境破壊」について防衛省を追及しました。

辺野古のヘリ基地反対協議会ダイビングチームが台風19号の通過後10月15,17日に辺野古崎近くの海底を調査した写真を掲げ、沖縄防衛局が台風対策を怠ったため、海に設置したフロートの固定用ワイヤーロープやアンカー(いかり)が「サンゴ礁や海底を傷つけた」ことを示しました。防衛省は、専門家委員会を設置し調査することを約束しました。

この日は他にも、①沖縄市におけるドラム缶汚染問題②環境補足協定の実質合意③普天間飛行場の「5年以内の運用停止」問題-について江渡防衛大臣と岸田外務大臣に質問しました。

糸数慶子君

無所属の糸数慶子でございます。よろしくお願いいたします。

先ほど井上委員からもございましたけれども、私も普天間飛行場の五年以内の運用停止の問題についてお伺いいたします。

まず、沖縄県による普天間飛行場の五年以内の運用停止など四つの要望について、安倍総理は、六月二十四日の普天間飛行場負担軽減推進会議において、仲井眞知事を前にして、政府としてできることは全て行う、そういう基本姿勢で総理が先頭に立って取組を進めると発言をしています。

しかし、報道によりますと、ロックリア米太平洋軍司令官が九月二十五日の記者会見で、日本側から普天間の五年以内の運用停止に関する要請を受けていないと述べています。さらに、今月十六日には、ピーター・リー普天間基地司令官が、基地の運用停止について、日米両政府が合意しているのは二〇二二年以降になるとの見方を示しています。

このように、五年以内の運用停止に関し、米軍当局者の発言により、米政府が運用停止に同意していないということ、及び日本政府から正式な要請がないことが明らかになりました。防衛大臣と外務大臣の見解を求めます。

国務大臣(江渡聡徳君)

お答えさせていただきたいと思います。

先ほどもお答えさせていただいたわけでありますけれども、普天間飛行場の五年以内運用停止を始めとする、この仲井眞知事からの御要望につきましては、米国に対して様々なレベルからも説明させていただいておりますし、沖縄の負担軽減について協力も要請させてきていただいたところでございます。

例えば、四月の六日、小野寺前防衛大臣からヘーゲル国防長官に対しましても説明を行いましたし、また、ヘーゲル長官より沖縄県民の思いを理解しつつ日本側の取組に対して引き続き協力していく旨の発言があったほか、四月二十五日には、安倍総理からオバマ大統領に対しまして説明を行いまして、オバマ大統領から沖縄の負担軽減について引き続き取り組みたいとの発言があったところであります。

なお、そのような中において、先ほど、ロックリア司令官等々のお話があったわけでありますけれども、あくまでも日本側からの説明とか要請というのをどのような範囲で共有するかということは、申し訳ございませんけれども、これは米政府内の問題でありまして、防衛省としてコメントする立場にはないわけであります。

いずれにいたしましても、普天間飛行場の五年以内の運用停止を始めとして、仲井眞知事からの御要望については、米国に対しまして様々なレベルから説明しまして、沖縄の負担軽減について協力を要請しているところでございます。また、安倍政権はできることは全て行うという、その思いの下で、これからも取り組んでいきたいと思っております。

国務大臣(岸田文雄君)

私の方からも、米側の一部関係者の発言の一つ一つについてコメントをすることは控えたいとは思いますが、我が国の立場につきましては、首脳あるいは閣僚レベルなど様々なレベルで繰り返し我が国としまして米側に対して協力を求めてきています。

先ほど、防衛大臣からも幾つか例が示されましたが、それ以外にも、この四月の日米首脳会談の場におきましても、安倍総理から直接オバマ大統領に対して説明を行い、同大統領からも沖縄の負担軽減に引き続き取り組みたい、こういった発言がありました。また、七月、日米外相電話会談を行いましたが、その際にも、沖縄の負担軽減に向けて協力の要請を行ってきております。こうした要請を行い、協力を求めてきたわけですが、米側からも沖縄の負担軽減へのコミットメント、これは示されているわけであります。

是非、こうした米側との取組に基づいて、我が国としましても、沖縄の負担軽減、最優先で取り組むべき課題であるという認識に基づいて、しっかりと進めていきたいと考えております。

糸数慶子君

ただいま両大臣から発言がございましたけれども、しかし、こうした発言は日本政府がこの普天間基地の運用停止に関しまして、私は全く努力してこなかったこと、そして、安倍総理の発言が口先だけのものだったことを示すものだというふうに受け止めます。

なぜなら、これまで十八年間、この普天間の基地問題に関して様々なアメリカとの交渉がございますけれども、実際に米国に行って感じますことは、私たちのこの要請は東京に行きなさいとよく言われます。それは、裏返して言えば、日本政府が本当の意味での外交の俎上にこの普天間の基地問題をきちっと上げていないということ、そのようなことを受け止められても仕方のないような現実ではないでしょうか。

こういう政府の姿勢に対して、沖縄県民として深い失望を表明するとともに、断固として抗議をしたいと思います。今後、政府が一日も早い普天間飛行場の運用停止及び無条件の返還を実現するよう真摯に努力することを求めて、次の質問に参りたいと思います。

次は、沖縄市におけるドラム缶汚染についてであります。

昨年の六月の十三日、駐留軍用地の跡地であった沖縄市諸見里にある沖縄市サッカー場の整備工事現場のその地中から、米国企業、ダウケミカル社の名前が記されたドラム缶が発見されました問題につきまして、私は六月二十二日に現地を調査し、同じく六月二十二日に、沖縄県の野党国会議員五人でつくる、うりずんの会で、外務省と防衛省に万全な体制で調査とそして地位協定の改定、このことについて要請をいたしました。そして、八月の第百八十四回国会、十月末の第百八十五国会、この二回にわたりまして質問主意書を提出いたしましたけれども、政府側の答弁では、この基準値を上回るダイオキシンは認められなかったとのお答えでありました。

本当にそうだったのか疑問を抱かざるを得ない事案がまた発生しています。

本年一月に沖縄市コザ運動公園サッカー場で発見された米軍の廃棄物と見られるドラム缶について、沖縄防衛局及び沖縄市は七月に汚染物質等の調査結果を発表し、沖縄防衛局の発表では、枯れ葉剤があったという証拠は見付からないとされていました。しかし、昨日の地元の報道によりますと、ダイオキシン研究者の第一人者である宮田摂南大学名誉教授が沖縄市のこの調査結果を分析をいたしました結果、沖縄市が検出いたしました2・4・5Tあるいは2・3・7・8TeCDD、これは、オレンジ剤以外のピンク剤やそれからグリーン剤という枯れ葉剤の成分であることが明らかにされています。

防衛省は、なぜ枯れ葉剤が見付からなかったと断定したのでしょうか、防衛大臣の見解を求めます。

国務大臣(江渡聡徳君)

お答えさせていただきたいと思います。

これまで八十三本が発見されております沖縄市サッカー場のドラム缶に関しまして、沖縄防衛局が業者に委託して行った分析につきましては、六十一本について本年七月にその結果を公表しておるところでございます。

業者から提供されましたこの調査報告書におきましては、一、ドラム缶から検出された物質はかつて日本国内でも広く利用された農薬であること、二、枯れ葉剤のオレンジ剤で使用された直接の物質が検出されなかったこと等々から、このドラム缶内に枯れ葉剤のオレンジ剤があったという証拠は見付からなかった旨ということを記述させていただいているわけでございます。

いずれにいたしましても、防衛省といたしましては、沖縄市のサッカー場で発見されたドラム缶については、沖縄市と調整を行いつつ、適切に対応してまいりたいというふうにも考えております。

また、残りの二十二本につきましてですけれども、昨年の七月に調査結果を発表した後の二十二本につきましては、平成二十五年の八月に、検出された物質が除草剤に由来するものか、又は枯れ葉剤のオレンジ剤に由来するものかの特定というものが難しくて、枯れ葉剤のオレンジ剤に由来するものとは断定できない旨の部外の有識者の評価を公表させていただいております。

また、ピンク剤かグリーン剤かについてでありますけれども、本年の七月に公表された調査では、対象となっていないピンク剤、グリーン剤についても直接の物質というものは検出されておりません。このため、ピンク剤、グリーン剤についても、オレンジ剤に関する評価と同様の評価になるものというふうに考えているところでございます。

糸数慶子君

先ほど御紹介いたしました宮田摂南大学名誉教授の話によりますと、このオレンジ剤を始めとする六種の枯れ葉剤の存在は否定されましたけれども、沖縄防衛局の調査によりますと枯れ葉剤の証拠は見付からないとしておりますが、ただ、宮田氏は、ダイオキシンは土壌にあると長期間安定して残るので、汚染が分かった時点で除去対策をしなければいけないというふうに指摘しております。

日米両政府はこれまで枯れ葉剤の持込みを認めていませんけれども、退役軍人らの証言で、貯蔵や散布、そして投棄が明らかになっております。この沖縄市サッカー場では環境基準の八・四倍のダイオキシンを始め複合汚染の実態が明らかになっておりますが、いずれにいたしましても、ダイオキシンは猛毒でありますし、長期間土壌に残留するものであります。検出された時点で除去などの原状回復が必要となります。

現在、サッカー場の更なる調査が行われておりますが、早急に調査を完了させ、原状回復措置を実施するとともに、これらの費用について国が負担するべきだと考えますが、防衛大臣の見解を伺います。

国務大臣(江渡聡徳君)

お答えいたします。

沖縄市のサッカー場で発見されましたドラム缶につきましては、従来から沖縄市等々と調整しつつ所要の調査を進めてきておりまして、過去に谷地であった地表から二メートルより深い部分について、ドラム缶の有無を確認するための調査等を現在行っております。

いずれにいたしましても、防衛省といたしましては、お尋ねの原状回復の費用の負担の在り方を含め、沖縄市等々と調整しつつ適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

糸数慶子君

地位協定の関係もありますけれども、この費用の負担については改めて国が負担すべきだということを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。

次は、辺野古における環境破壊についてであります。

今日、委員の皆様のお手元にもお配りしてございますこのような写真の資料でございますが、御覧いただきたいと思います。(資料提示)

まず、この資料の一番目であります。これは、実は沖縄防衛局が海に設置いたしました辺野古のいわゆるフロートの固定用ワイヤーロープやアンカーが、台風対策を怠ったためにサンゴ礁や海底を傷つけたことが一目で分かる写真であります。

そして、二番目でありますが、左上です、こちらの方はフロートから離れた百六十キロの鉄板の束。そして、これが引きずられたような跡のある岩であります。

そして、次ですが、右上の方です、四点ある中の右上で、こちらを御覧ください。台風の影響でそのワイヤーロープが動き、削られたと見られる岩であります。

それから、左下、ワイヤーロープでこすられたような傷があるサンゴであります。

そして、次ですが、岩の根元に置かれたアンカーであります。

これは冒頭にも申し上げましたけれども、このフロートの固定用ワイヤーのロープ、それからそのアンカーとして使っているもので、これは辺野古新基地建設のために現在防衛局が海に下ろしたフロートの固定用ワイヤー、それが台風の関係でこのようにして実際にサンゴを痛め付けている。そのような写真を今皆様に見ていただきました。

そこでお尋ねいたしますが、この名護市の辺野古における普天間飛行場移設、いわゆる辺野古新基地建設、その工事は美しいサンゴ礁の損傷など環境破壊を引き起こすものであると繰り返しこれまでも警告してまいりました。政府はそれを無視して、埋立工事のためのボーリング調査などを現在強行しています。

今回、市民団体の海底潜水調査が行われました。これは十月の十五日、十七日に写したものでありますけれども、沖縄防衛局が設置したフロート固定用のワイヤーロープが、このアンカーが台風の影響で切り離され、そして移動して複数のサンゴ礁を傷つけていたこの事実が、この写真でも証明されますように発覚をしております。

こうした事態は沖縄防衛局が台風対策を怠った結果招いたもので、台風常襲地帯、そして台風銀座の沖縄にあって、予見義務及び回避義務が同局にあったのは明白であり、生じた被害の責任は免れないと思います。仲井眞知事による埋立承認は不当なものと私は考えますけれども、その承認は現段階で取り得ると考えられる工法、つまり保全措置が講じられて十分配慮されている、そのことを前提とするものであるというふうに思います。

今回、本体の埋立工事着工前のこの段階で辺野古のちゅら海を形成しているサンゴ礁が破壊された事実は、沖縄防衛局のずさんな管理体制の下では十分な環境保全対策を施すことは不可能であるということをこの写真が如実に物語っております。埋立承認の前提は、こういうことから考えましても、既に崩壊していると言わざるを得ません。

この際、政府は、辺野古における新基地建設を断念し、関連作業の中止と辺野古海域に設置したこのフロート等の撤去をすべきであるというふうに考えますが、見解を求めます。

国務大臣(江渡聡徳君)

お答えさせていただきたいと思います。

まずは、辺野古に建設する施設につきましては、現在の普天間飛行場の機能の一部に限って移設するものでありまして、また、辺野古にある既存の米軍基地を極力活用することによりまして埋立面積も最小限に限っております。

そして、何よりも、移設によりまして普天間飛行場は全面返還されることから、沖縄の負担軽減に十分資するものというふうに考えているところでございます。最も大切なことは、住宅や学校等に囲まれ、市街地の真ん中にある普天間飛行場の固定化は絶対避けなければならないということであり、このことが大前提でありまして、かつ、政府と沖縄の皆様方の共通の認識だというふうに思っているところであります。

そこで、この普天間飛行場代替施設建設事業の実施に当たりましては、工事の安全確認の万全を期するため、埋立て等の工事の施行区域の外周等にブイやフロートを設置するなどの措置を講じたところでありまして、当該措置というものはあくまでも工事を安全に進めるために必要不可欠なものであるというふうに考えているところでございます。

防衛省といたしましては、一日も早い普天間飛行場の返還とキャンプ・シュワブへの移設に向けて引き続き全力で取り組んでまいる考えでありまして、また、同事業における工事等の実施に当たっては、今後とも環境の保全に配慮するとともに、関係法令に従いつつ、安全確保に万全を期してまいりたいというふうに考えております。

糸数慶子君

まず、普天間の基地を辺野古へ移す、そういうことをおっしゃっておりますけれども、実はこの辺野古の新基地建設というのは、規模といい、それから、アメリカが発表しておりますように、二百年耐用の新基地だということも併せて、さらには、今、普天間の方には全くない軍港の新設ということも含めますと、単なる移設ではないということをあらかじめ申し上げたいと思います。

私が今質問いたしましたことに関しましては、まず市民団体が発見したこのワイヤーロープやアンカー、及びそれによるサンゴの損傷について、防衛省は確認したのでしょうか、お伺いいたします。

国務大臣(江渡聡徳君)

お答えさせていただきたいと思います。

現在、防衛省といたしましては、御指摘のこのサンゴ類を含めまして、様々な調査というものを継続的に実施しておりまして、現地の環境変化についてもモニタリングをしているところでございます。

今般の台風の影響についても、これらの調査の中で確認するということにしております。

糸数慶子君

今私がお伺いしたことには直接お答えはありませんでしたが、実は私は、昨日、十月二十七日、沖縄県選出の野党国会議員、うりずんの会で沖縄防衛局を訪れ、井上防衛局長に申入れをいたしました。

先ほどから申し上げておりますように、この辺野古新基地建設工事を前提とした海底ボーリング調査に伴って、沖縄防衛局が設置したフロート固定用のワイヤーロープやそれからアンカーが台風の影響によって切り離された上、荒波で移動してサンゴ礁を傷つけていたその事実が市民団体のヘリ基地反対協議会のダイビングチームの海底潜水調査、牧志治氏の写真によっても明らかになったわけです。

先ほどから申し上げておりますように、台風が常襲地帯となっている沖縄のサンゴの海、この海を今回のこういう台風の状況で明らかに傷つけているという事実があるわけで、この一連のサンゴ礁の損傷は、やはり事業主たる沖縄防衛局が台風対策を怠った結果招いたものであり、台風常襲地帯、そして台風銀座の沖縄にあって予見義務及び回避義務が同局にあったのは明白であり、そのことを指摘をしてまいりました。

そもそも、仲井眞知事がこの埋立承認によって、現段階で取り得ることができる工法、そして保全措置が講じられ、十分配慮されているということを前提にして、公有水面埋立法第四条第一項に定める環境保全策の承認基準を適当である、適、つまり、これはこの環境基準をしっかり守っていますよと判断した上でこの工事が始まっております。本体工事着工前の関連作業の段階で辺野古のこのちゅら海を形成しているサンゴ礁が破壊された事実は余りにも重く、沖縄防衛局のずさんな管理体制では十分な環境保全対策を施すことは不可能であるというそのあかしがこの写真にきちんと出ております。

公有水面埋立法に基づくこの県知事の承認の前提が崩れた今、防衛省及び沖縄防衛局にはこの辺野古新基地建設を即刻断念し、関連作業の中止と辺野古海域に設置したフロートやスパット台船等、一切の資材、機材を速やかに撤去してほしいと昨日も申入れをいたしました。そういう中から、実は、防衛省にきちんとこの海の中を確認していますかと聞いたんですけれども、それについてお答えがありませんでした。

再度伺いますが、きちっとした調査、報告をすることを求めますが、防衛大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(江渡聡徳君)

お答えいたします。

防衛省といたしましては、今般の台風の影響については今後の調査の中で確認することとしておりまして、当該調査の結果を踏まえまして、本年四月に沖縄防衛局に設置されました普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境監視等委員会で専門家からの指導、助言を得るなど必要な検討を実施した上で、適切に対応してまいる考えでございます。

なお、当該調査結果の取扱い等は、検討した上で適切に対応させていただきます。

糸数慶子君

この調査はいつまでにやるというその期限は示せないんでしょうか。

政府参考人(中島明彦君・防衛省地方協力局長)

事実関係でございますので、事務方の方からちょっとお答えさせていただきます。

先ほど大臣が申し上げましたように、防衛省といたしましては、サンゴ類を始めといたしまして、水域の生物に係る様々な態様及び項目の調査を継続的に実施して、環境変化についてのモニタリングを実施しているところでございます。

今般の台風の影響につきましても、こういう調査、継続的な調査の一環の中で確認することとしております。それは速やかに実施したいと思っておりますけれども、現時点でその時程が具体的に固まっているわけではございません。

糸数慶子君

大変残念でございますが、この地域は世界自然遺産にも指定されたいという地域の住民の動きもある中でのこういう工事です。しかも、台風の結果でこのようにサンゴを痛め付けているという現状に関しましても、なかなかその調査を開始しないということは本当に残念でございます。

そこで、環境省に伺いますが、環境省としては、このような防衛省側のずさんな管理によってサンゴ礁に損傷を与えた事案及びボーリング調査について、環境保護の観点からどのような見解を持っていらっしゃるのか、伺います。

政府参考人(塚本瑞天君・環境省自然環境局長)

お答え申し上げます。

事業の実施に際しての自然環境の保全は重要だと認識しております。

御指摘の台風によるサンゴ礁の損傷につきましては、事業者である防衛省において調査を実施すると承知しております。その調査結果に基づき、事業者において適切な環境保全措置が講じられるべきものと考えております。

糸数慶子君

平成十五年、環境省は当時の防衛施設庁が辺野古で実施するボーリング調査等に対して、環境への配慮について助言を行っております。

今回のボーリング調査に際しては、防衛省側からの助言の要請はあったのでしょうか。また、環境省から助言を行ったのかどうか、事実関係を伺います。

政府参考人(中井徳太郎君・環境大臣官房審議官)

今回のボーリング調査の実施に際しては、防衛省からの助言要請はなく、環境省からの助言も行っておりません。

糸数慶子君

大変残念でございます。

先ほどから何度も申し上げておりますけれども、これだけ世界に誇れるすばらしいサンゴ礁が生息するこの場所であります。環境に配慮してというのはやはり口先だけで、きちんとした状況にはないということを、ただいまの答弁を受けて改めて確認をしたいと思います。

こうした環境保護の重要性に関する指摘を踏まえて、改めて今回のサンゴ礁のこの損傷事案に関する防衛省の認識を再度お伺いしたいと思います。

国務大臣(江渡聡徳君)

お答えさせていただきたいと思います。

今般実施しておりますこのボーリングの調査というものは、既に環境影響評価がなされておりまして、移植するサンゴの保全を図る観点から、現在生存しておりますサンゴに与える影響を最小限にとどめるよう配慮しながら行うこととしております。

具体的には、ブイやフロートのアンカーの設置、海上ボーリング用に用いるスパット台船の固定に当たっては、これらがサンゴに当たらないように設置位置を調整することとしております。また、海上ボーリングの実施に当たっては、泥水等が海中に拡散しないよう措置することとしているところでございます。

なお、今般のこの台風十九号というものは大変大型で非常に強い勢力を維持したまま沖縄本島地方を通過いたしまして、沖縄本島地方では、約一日半暴風域に入り、長時間非常に強い風が吹いたというふうに承知しているところでございます。現場に設置したブイ等の被災は、この非常に強い台風によるものと認識しております。

沖縄防衛局は、台風の接近に備えまして、事前に一部のブイ等を陸に揚げるなど、できる限りの対策を講じておったわけでありまして、ですからこそ、管理体制がずさんだったというふうには考えておらないところでございます。

糸数慶子君

改めてこの写真を見ていただきたいと思います。

この写真を見て、防衛大臣、何も感じられないんですか。本当にサンゴに対しての環境保護をしっかりやったというふうに自信を持ってお答えできるんでしょうか。

やはり沖縄は台風の常襲地帯であり、台風銀座であります。防衛局におきましても、これは予見義務及び回避義務が同局にあったことは明白であり、生じた被害の責任は免れないということを改めて指摘して、次の質問に移りたいと思います。

環境補足協定の実質合意についてお伺いいたします。

日米両政府は十月二十日、日米地位協定を補足する在日米軍に関連する環境の管理の分野における協力に関する協定、いわゆる環境補足協定について実質合意に至ったとの発表を行いました。同協定の条文化の作業はこれからとのことと認識しておりますが、米側が負うこととなる義務等について政府に確認をしておきたいと思います。

これまで、米側との間で日米地位協定に関する運用改善やオスプレイの配備に際しての飛行条件等に関する合意等が行われましたが、これは米軍の運用上の必要という理由で守られないことが多く見られました。

そこで、今回の合意で示された内容が米側の義務として規定されることになっているのかについて改めて伺います。

政府参考人(冨田浩司君・外務省北米局長)

環境補足協定につきましては、先ほど外務大臣からも御答弁ございましたけれども、現行の日米地位協定に環境に関する明示的な規定がないことから、本年二月以来交渉を行ってきておりまして、今回、実質合意に至ったということでございます。

その内容につきまして今回の共同発表でお示ししていることは、第一に、日米両国の又は国際的な環境基準のうち、より厳しいものを採用する米側の基準の発出、それから維持、第二に、文化財調査を含む返還予定地の現地調査や環境事故の際の調査のための立入り手続の作成、維持。こういった規定を明確な形で含む協定の案文についてアメリカと実質合意に至ったということでございます。

そこで、先生からも御指摘がございましたけれども、協定そのものにつきましては、関連文書も含めてまだ整理するべき点が残っております。したがって、現時点で共同発表にお示しした以上を超えてその協定の内容について御説明することは、米国との関係もあり御容赦をいただきたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、この協定の署名に向けて今最大限努力を行っているところでございますので、署名の暁につきましては、協定の全体像につきまして、先生お尋ねの点を含めて適切に御説明をしていきたいというふうに考えております。

糸数慶子君

まだ交渉途上にもかかわらず、この時期にその報道発表を行った理由は何でしょうか。

国務大臣(岸田文雄君)

今回の環境補足協定ですが、昨年十二月二十五日に協議の立ち上げを発表しました。そして、今年の二月、協議を開始し、合わせて九回、日米で協議を重ねてまいりました。できるだけ早く良い成果を上げられるようと全力で取り組んできた次第ですが、その結果として、今般、この環境補足協定の案文について実質合意に至ったことから、十月二十日にその旨を発表したという次第でございます。

国際約束の締結交渉におきましては、案文について、実質合意に至った場合にはこの署名に先立って実質合意した旨発表すること、これは一般的に行っているものだと認識をしております。この臨時国会においても審議をお願いしております日豪EPAも、実質合意の段階で署名に先立って発表する、こういった対応を取ったと記憶をしております。

こういった従来の対応に倣いまして、今回、実質合意に至ったことから発表を行った、こういった次第でございます。

糸数慶子君

実質合意を行ったのであれば、それでは、以下の質問に対してきちんと具体的な答弁を、明確な答弁を求めたいと思います。

まず、日本環境管理基準、いわゆるJEGSに対して、平成七年より米側が独自に定めてきた環境基準と承知しておりますが、今回、協定上の義務とされた理由について説明願います。

また、米側がそのJEGSを遵守することは当然のことでありますが、協定上明記されることとなったことを踏まえ、JEGSの有効かつ明確な運用を担保するために日本政府が確認できるような仕組みが必要となると考えますが、この点についての政府の認識を伺います。

政府参考人(冨田浩司君)

お答えをいたします。

米側によります日本環境管理基準、JEGSと呼んでおりますけれども、この取組につきましては、二〇〇〇年の環境原則に関する共同発表において日米間で確認をし、これまで継続して実施されてきているところでございます。

今回の環境補足協定におきましては、JEGSの発出及び維持ということを政府間協定という形式で明確に定めることになっているわけでございまして、これまでの環境原則に関する共同発表ということが、これが政治文書であったということに比べますと、それに比べて大きな意義があるというふうに私ども認識をしております。

それから、先ほどもお答え申し上げましたけれども、昨年十二月の沖縄県知事からの御要望の中にも、日米地位協定の条項の追加ということに関連して、日米両国の環境基準のより厳しい条件の適用というふうなことを御要望としていただいておりますので、こうした御要望にも応えることになるのではないかというふうに考えておる次第でございます。

糸数慶子君

JEGSについて、日米やその国際約束の基準のうち、より厳しいものを一般に採用とありますが、これに対して例外としてはどのようなものがあるのか、お伺いいたします。

政府参考人(冨田浩司君)

JEGSにつきましては、先ほどもお答えしたところでございますけれども、在日米軍はアメリカの国防省の策定をした基準に沿って、環境に関して我が国の国内法上の基準と米国の国内法上の基準のうち、より厳格なものを選択するとの基本的な考え方の下に日本環境基準、JEGSを作成しているわけでございます。

しかしながら、環境の基準につきましては、例えば分析方法に違いがあって、どちらが厳格か、これは定量的に比較ができない場合もあるというふうに承知をしております。また、仮に日米の一方の国において国内法令の改正等によりまして新たな、また既存のJEGSよりも厳しい基準が設定される場合でも、技術的な理由からその改定までに一定の時間を要することもあり得るというふうに承知をしております。

そこで、こうした例外的な場合に、日米合同委員会に環境分科委員会というのを設置しておりますけれども、こうした枠組みを活用し、これまでも米国が採用すべき環境基準について日米間で協議を行ってきているわけでございますけれども、いずれにしても、原則的な考え方は、日米の関連法令のうち、より厳格なものを選択するということでございます。

糸数慶子君

次に、立入りについて伺います。

報道によりますと、この発表の中では、日本側が現に発生した環境事故後の立入り及び土地の返還に関連する現地調査のための立入りの場合の手続を作成するとされています。こうした手続に基づく関係自治体による米軍施設・区域への立入りについて、米側に受入れを義務付けるというその理解でよろしいのでしょうか。

政府参考人(冨田浩司君)

環境補足協定につきましては、環境事故の際の調査、それから文化財調査を含む返還予定地の現地調査のための立入り手続を作成し、これを維持するという規定を盛り込むことにしております。

そこで、これまでは環境事故の際の調査、それから返還予定地の現地調査の都度、米側に立入りを申請をしてきたわけでございますけれども、申請に係る統一的な手続が存在しなかったということで、いかなる場合に立入りが認められるかなどが明らかではなかったというふうな経緯があるわけでございます。

そこで、今回の環境補足協定においては、これらの場合において立入りを行うための手続を定めることが明確にされるというふうなことがございますので、これによって、日本側の関係当局等にとって、より予見可能性、透明性を持った形で現地調査を実効的に行うことが可能になるというふうに期待をしているわけでございます。

いずれにいたしましても、この立入りの具体的な手続については、現在、米側と調整中でございますので、協定の署名と併せて、これを公表できるように引き続き取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。

糸数慶子君

また、この手続によって、自治体が立入調査を実施する場合には、単に目視によるものだけではなく、自治体側が汚染の有無を確認するための土壌の掘削調査を行うことも担保されるのでしょうか。

今年の六月の日米合同委員会の合意では、西普天間住宅地区において、掘削を伴う埋蔵文化財、その調査及び支障除去措置に係る調査等のため、返還前の立入りが認められています。本協定の条文化に際しても六月の合意と同内容のものが明記されることは当然と考えますが、政府の説明を伺います。

政府参考人(冨田浩司君)

環境補足協定の下で作成いたします立入り手続につきましては、先ほど申し上げたとおり、現在、米側と調整中、交渉中でございますので、詳細については交渉が調った暁に公表することといたしたいと思っておりますけれども、この交渉におきましては、先生が今御指摘のございました西普天間住宅地区で現在行われている現地調査の例、こうしたものも当然念頭に置いて取り組んでいるところでございます。

糸数慶子君

報道発表では、日本政府が環境に配慮した施設を米軍に提供するとともに、環境に配慮した種々の事業及び活動の費用を支払うための財政措置についても示されています。

今回、これら環境に配慮した事業及び活動の費用を日本側が負担することとなった経緯、その理由、環境に配慮した事業及び活動として具体的に想定される事例について見解を求めます。

国務大臣(岸田文雄君)

先ほども少し答弁させていただきましたが、今回の環境補足協定は、日米両政府が在日米軍に関連する環境の管理の分野における協力を強化する、こういった考え方の下で交渉を重ねてまいりました。

今申し上げたような基本的な考え方に基づいて九回にわたって交渉を行ってきたわけですが、その際に重視した点は、米軍施設・区域の地元の方々が施設・区域内外の環境が十分に保護されているとの実感を持てるようにすることが重要であると考え、協議を行ってきました。

そのためには、米軍が、この協定に従って、環境補足協定のため日本側と協力することがまずもって重要である、これは当然のことですが、それに加えて、日本側としても施設・区域内で環境に配慮した施設を整備するなどの取組を行って、これら日米双方の取組が総体として効果を発揮する、そして、そのことによって地元の方々が環境が保護されていることを実感できる、こういった結果につなげていく、こういった考え方に基づいて協議を進めた次第でございます。

このような考え方から、この補足協定において、日本政府が環境に配慮した施設を提供するとともに、環境に配慮した種々の事業及び活動の費用を支払うために資金を提供することについて盛り込むことになった次第です。ただし、この措置の詳細については、引き続きこの環境補足協定の署名まで日米両政府で調整を行っていくことになっております。

糸数慶子君

日米両政府が利用可能かつ適切な情報を共有することも明記されておりますが、こうした情報共有は当然のことですが、これらの情報が関連自治体にも速やかに提供されることが重要であると考えます。

この点について、今後の情報提供の仕組みの在り方も含め、政府の見解を伺います。

国務大臣(岸田文雄君)

今回、実質合意しました環境補足協定には、まず日米両国の、又は国際的な環境基準のうち、より厳しいものを採用する米側の基準の発出、維持、そして、文化財調査を含む返還予定地の現地調査や環境事故の際の調査のための立入り手続の作成、維持に加えまして、両政府間で利用可能かつ適切な情報を共有する旨の規定が盛り込まれることになっております。

そして、この日米両政府間の情報共有を受けて日本国内で関係自治体にどのように情報提供していくのか、これにつきましては、関係自治体の関心に可能な限り応えられるよう、関係省庁とも連携しつつ、しっかり検討してまいりたいと考えております。

糸数慶子君

最後に、この環境補足協定は、米側にも義務を課すこと及び我が国に財政措置を課すということから両国において国会の承認が必要なものであると考えますが、政府の見解を求めます。また、同協定は早期の運用開始が重要であると考えますが、今後の条文策定や署名、国会提出、運用開始までのスケジュールについて政府の認識を伺います。

国務大臣(岸田文雄君)

先ほど来答弁させていただいておりますように、現時点では、具体的な署名時期を含めて、今後のスケジュールにつきましては未定であります。様々な残された課題につきましてしっかりと議論を進め、できるだけ早い時期の署名実現及び運用開始を目指したいと考えております。

引き続き、この早期の署名に向けて努力を続けていきたいと考えます。

糸数慶子君

時間もありませんので、ガイドラインについて一問だけお伺いをしたいと思います。

日米間の安全保障問題で最大の懸案は、沖縄の米軍基地問題だと考えます。安全保障政策では政府間の合意だけでなく国民の理解と支持が不可欠であり、沖縄には在日米軍基地の七四%が置かれており、沖縄県民はその重圧を取り除くことを強く求めています。

ところが、中間報告には、沖縄の米軍の基地をどう位置付け、その縮小、撤去をどう進めるか、全く触れられていません。日米安保条約体制の中の最大の柱としているのにノータッチになっているのはなぜでしょうか、お伺いいたします。

国務大臣(江渡聡徳君)

お答えさせていただきます。

日米両政府は、様々な分野の安全保障及び防衛協力を強化し発展させ続けることとしておりまして、その協力分野は中間報告で例示されたものに限定されているわけではありません。

他方、見直し後のガイドラインは、従来と同様、主として運用面における日米両国の役割及び任務並びに調整及び協力の一般的な大枠及び政策的な方向性というものを更新するものでございまして、沖縄の米軍基地の整理、統合、縮小の具体的な在り方について論ずることは必ずしも適切ではないというふうに考えているわけでございます。

いずれにいたしましても、政府といたしましては、抑止力を維持しつつ、沖縄を始めとする地元の負担軽減に向けて全力で取り組んでいく考えでございます。

糸数慶子君

時間でございますので、終わらせていただきます。

ありがとうございました。