国政報告

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琉球に先住民族の権利を

第187回国会 2014年10月16日 参議院外交防衛委員会(所信 30分)

10月16日、臨時国会での第1回目の質問を外交防衛委員会で行いました。①先住民族の権利と沖縄の現状②女性差別撤廃委員会政府報告について岸田外相に、③高江ヘリパッド問題を江渡防衛相に、④辺野古の過剰警備について海上保安庁にただしました。

外相答弁はこれまでの政府の見解を繰り返すばかりでしたが、私は「琉球(沖縄)の人々を先住民として認識し、権利を守るための対策を講じるよう早急に検討を開始すべき」「日本の面積の0.6%に過ぎない沖縄に、在日米軍専用施設の74%が集中している現状は、琉球民族に対する明らかな差別だ」「沖縄は自己決定権を求める」と主張しました。

糸数慶子君

無所属の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。

私は、先住民族の権利とそして沖縄の現状について冒頭にお伺いをしたいと思います。

日本全土の面積の僅か〇・六%に満たない沖縄県に在日米軍専用施設の七四%が集中しており、現在、普天間飛行場代替施設の建設が沖縄県民の多くの反対を押し切って名護市辺野古沖で強行されています。

私は、本年九月に開かれた世界の先住民族や各国代表による先住民族世界会議に出席をいたしました。国家的、地域的レベルでの先住民族の権利の履行を議題に演説をいたしました。二〇〇七年に採択されました国連先住民族権利宣言を沖縄にも適用すべきだと主張いたしまして、日本政府が沖縄の人々を先住民として認めるように訴えました。

これに先立ちまして、本年八月二十九日に公表されました人種差別撤廃委員会対日勧告は、締約国日本がこれまでの立場を見直し、琉球、沖縄の人々を先住民として、そして認識することを検討するとともに、彼らの権利を守るための確固たる対策を講じることを勧告しています。

そこで、岸田外務大臣にお伺いをいたします。

まず一点目でありますが、人種差別撤廃委員会での対日勧告を踏まえ、政府はこれまでの立場を見直し、琉球、沖縄の人々を先住民として認識し、権利を守るための対策を講じるよう早急に検討を開始するべきではないでしょうか、お尋ねいたします。

国務大臣(岸田文雄君)

まず、御指摘の勧告があったこと、承知しております。しかしながら、先住民族については、現在のところ国際的に確立した定義はなく、実際、先住民族の権利に関する国際連合宣言においても先住民族の定義について記述はございません。

いずれにしましても、沖縄の方々もひとしく日本国民であり、日本国民としての権利を全てひとしく保障されているものと認識をしております。

糸数慶子君

全てひとしく対応しているということでありますけれども、沖縄県民に対しましては、これは二〇一〇年の三月の九日に、国連人種差別撤廃委員会は沖縄について踏み込んだ見解を出しております。これは、まず、沖縄への米軍基地の不均衡な集中は現代的な形の人種差別であり、沖縄の人々が被っている根強い差別に懸念を表明する、日本政府に対しましては、沖縄の人々の権利保護、さらには促進や差別監視のために沖縄の代表者と幅広く協議するように勧告をしております。

そして、一二年にも、米軍基地普天間飛行場の名護市辺野古への移設や東村高江への米軍のヘリコプターの着陸帯、ヘリパッド建設について、沖縄の人々を関与させるための明確な措置がとられていないというふうに勧告されております。その上で、人権侵害の観点から、計画の現状や地元住民の権利を守る具体策について説明を求める異例の質問状を日本政府に送っておりますけれども、こうした国連からの働きかけを日本政府は門前払いにしてきております。

改めてお伺いいたしますけれども、日本の面積の〇・六%にすぎない琉球、沖縄に在日米軍専用施設の七四%が集中している現状は、琉球、沖縄民族に対する明らかな差別ではないでしょうか。自らの権利に影響を及ぼす事柄について、国連先住民族権利宣言第十八条が認める先住民の意思決定に参加する権利を琉球、沖縄の人々に認めるべきだというふうに考えますが、改めて大臣の御見解を伺います。

国務大臣(岸田文雄君)

先ほども申し上げましたが、先住民族につきましては、現在のところ国際的に確立した定義はございません。そして、在沖縄米軍を含むこの在日米軍の抑止力は我が国の安全、ひいては地域の平和と安全の確保に不可欠であるわけですが、その上で、沖縄の負担の軽減、これは現政権にとりましても最優先で取り組むべき課題であると認識をしております。

米国を始め、相手のあることではありますが、引き続き地元の皆様のお気持ちに寄り添いながら、できることは全て行うとの方針でこの負担軽減については全力で取り組んでいきたいと考えております。

糸数慶子君

沖縄の県民の心に寄り添うというふうにおっしゃっておりますけれども、沖縄の県民の八〇・二%が、現在政府がやっております、この強行的に今行っております辺野古への新基地建設、あるいは高江のヘリパッドについても県民の思いというのが今政府に届いていないというのが、実際には現実的に行われております。

そういうところで、沖縄ではやはりこれが構造的な差別ではないか。つまり、国連の方からも勧告をされております。法的拘束はないというふうに言われておりますけれども、しかし、県民の思いが全く政府に届かないという状況の中で、世界の中でも、先住民族の会議の中、あるいは人種差別撤廃会議の中でも、条約の中でもきっちり勧告をされているにもかかわらず政府は無視し続けているというのが現状でございます。この件に関しましては、本当に残念でございますけれども、県民の声がなぜ日本政府に届かないのか。

私がジュネーブの会議に参加いたしましたときにも、沖縄県民に対しては法の下の平等がしっかりと行われているという外務省の答弁がございました。法の下の平等がしっかりと取り組まれているというのであれば、なぜ県民の八割が反対している辺野古に新基地建設をこのように強行していくのか。沖縄の県民に対するやはり構造的な差別ではないかと、本当に残念であります。

こういう県民の民意がことごとく無視されているという認識は、今の沖縄の県民の中に深く深く刻まれております。残念でございますが、改めて私たち県民の、いわゆる琉球、そして沖縄県民の自決権を求めていきたいというふうに思っております。

さて、それでは、角度を変えまして質問させていただきたいと思います。

報道によりますと、外務省が元慰安婦の方に償い金を支給したアジア女性基金の拠金呼びかけ文を削除したとありますが、これは事実でしょうか。事実であれば、削除に至るまでの経緯と、どなたが最終判断されたのか、岸田大臣にお伺いいたします。

国務大臣(岸田文雄君)

御指摘の件につきましては、外務省のウエブサイトの慰安婦関連のページにおいて、日本政府作成の文書とそうでない文書が混在するという状況にありました。閲覧者に不要な誤解を与えかねないという観点から、十月十日、この必要な整理を行ったものであります。同ページには、アジア女性基金のウエブサイトへのリンクを引き続き貼り付けており、同リンクをたどることで引き続きアジア女性基金の当該文書の閲覧は可能という状況にあります。したがって、今回の作業、あくまでもウエブサイトの構成を整理したものだと理解しております。

そして、この整理につきまして、当然外務省として判断をした次第でございます。

糸数慶子君

安倍内閣は、「従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。」とした河野談話を踏襲するとしています。

しかし、予算委員会で安倍総理は、いわれなき中傷が世界で行われていると答弁し、安倍総理の側近の萩生田光一総裁特別補佐が、見直しはしないけれども、もはや役割は終わった、骨抜きになっていけばいいと発言し、これは国内外から厳しい批判にさらされています。岸田大臣は近隣諸国との関係の強化を表明されていますが、今回の外務省の対応は近隣諸国との関係を一層冷え込まさせるのではないかと憂慮いたします。強制性を示す文書をウエブサイトから削除しても強制した歴史の事実は消すことができないということを申し上げまして、次の質問に移ります。

次に、女性差別撤廃条約の政府報告について伺います。

政府は、九月九日、女性差別撤廃条約実施状況第七回、八回報告書を国連女性差別撤廃委員会に送付しました。これは、家族に関する法整備では、最高裁の判断を受け民法の婚外子相続分規定を改正したその経緯を報告していますが、選択的夫婦別姓などは政府部内及び国民の間に様々な意見があり、国会に提出することができなかったと報告をしております。八日の参議院予算委員会でも安倍総理は、この問題は我が国の家族の在り方に深く関わるものであり、国民の間にも様々な意見があることから、慎重な検討が必要と答弁し、法改正に消極的な姿勢を示しました。

様々な意見があるからこそ、選択肢を増やすことがより多くの国民のニーズに応えるのではないでしょうか。より多くの女性が輝く社会に資すると思いますが、この問題に消極的な姿勢を見せられたことにより、安倍政権の女性の活躍促進に懸念を持つ女性たちも少なくありません。

法改正しない理由に世論を挙げていることについて、二〇〇九年の審査では、女性差別撤廃委員会は、本条約の批准による締約国の義務は、世論調査の結果のみに依存するのではなく、本条約は締約国の国内法体制の一部であることから、本条約の規定に沿うように国内法を整備するという義務に基づくべきであることを指摘すると述べております。人権問題を世論に委ねている日本政府の姿勢に対して言及しています。

国連人権委員会から度々勧告されているのは、家族の在り方の問題として処理される問題ではなく、女性差別や人権の問題であるからだと思いますが、岸田大臣もそういう認識でしょうか、お伺いいたします。

国務大臣(岸田文雄君)

女子差別撤廃委員会から出された指摘の中には、今委員の方から御指摘がありましたように民法改正に関するものが含まれていること、承知をしております。そして、それらの民法改正に係る指摘については、我が国の家族の在り方に深く関わるものであり、国民の中にも様々な意見があります。そして、様々な意見があるからこそ国民的議論が必要だと考える次第です。

いずれにしましても、我が国政府としましては、女性が活躍できる社会や環境をつくるべく様々な分野において努力をしていかなければならないと考えておりますし、女子差別撤廃条約を始めとする各種人権条約の締約国として今後とも国際社会において人権の保護、促進に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

糸数慶子君

次に、国連は、一九七五年を国際婦人年と定め、それに続く十年を国連婦人の年十年として国際的な女性の権利保障を推進してまいりました。日本政府も、一九八五年に女性差別撤廃条約を批准し、男女平等施策を推進するための国内行動計画を策定し、夫婦別姓や再婚禁止期間を含めた男女平等の観点からの家族法の見直しを掲げていました。これらの動きに呼応して、法制審議会が一九九一年に見直し作業を開始し、五年の歳月を掛け、一九九六年二月に答申をしました。言わば、民法改正論議は国連が進める女性の権利保障の具体策として出てきたものでございます。

岸田大臣は、国連の常任理事国入りを目指すお考えを表明されておりますが、国連から度々差別撤廃の改善勧告を受けている不名誉な状況を変えるべきだと思いますが、大臣の御見解を伺います。

国務大臣(岸田文雄君)

女子差別撤廃委員会からの勧告につきましては、法的拘束力を有するものではありませんが、我が国が施策を実施するに当たり十分考慮し、そして誠実に対応しております。

例えば、政治的及び公的分野における女性の参画を促進するための取組として、二〇二〇年までに、指導的地位に、人の少なくても三〇%を女性にするという目標を掲げ、継ぎ目のない政策を打ち出しているところであり、実際に女性閣僚の数、国家公務員の女性登用も増加しております。

なお、本条約は、あらゆる分野における女子に対する差別を撤廃し、男女平等を実現することを目的とするものであります。同条約の締約国として、男女平等の実現に関する我が国の積極的姿勢を改めて内外に示すのみならず、男女平等の実現のための国際協力に積極的に貢献してまいりたいと考えます。先月の国連総会においても、安倍総理は昨年に引き続き、女性が輝く社会をつくっていく方針を改めて表明したところです。

我が国としては、女性分野におけるリーダー的な存在を目指して、今後も女性関連施策、しっかりと推進し、対外発信の強化に努めていきたいと考えます。

糸数慶子君

ありがとうございました。

今いろいろ御答弁いただきましたけれども、本当に答弁どおりに女性の人権の問題、差別の問題をしっかりと世界に誇れるような、そして国連から再度勧告を受けないような状況をつくっていただきたいということを強く要望して、次の質問に移りたいと思います。

次は、高江ヘリパッド関連について、防衛省、外務省にお伺いをしたいと思います。

まず、安全性が問題となっているオスプレイの離着陸も予定される北部訓練場内のヘリパッドの建設事業についてお伺いをいたします。

この事業は、北部訓練場の一部返還に伴い、東村高江地区周辺に新たに六つのヘリパッドを建設するものであります。このヘリパッドは、同地区及び周辺地域への騒音被害や住民の安全に影響を及ぼすものであり、また、同ヘリパッドの近くの、絶滅危惧種でもあるノグチゲラの営巣地にも深刻な影響を与えるなど、環境破壊をもたらすものであります。さらに、本年三月には、既に完成していたヘリパッドを提供手続をする前にもかかわらず米軍機が使用するなど、その運用状況はずさん極まりないものと言えます。

このような危険で環境破壊をもたらす施設の建設は即時中止するべきだということをあえて申し上げまして、質問に入りたいと思います。

まず、立入り制限問題についてであります。

このヘリパッド建設事業の抗議行動に対して、政府は、これまでに抗議活動に参加する住民に対して通行妨害であるとして、その禁止を求めるスラップ訴訟を提起し、結果的に住民を強制排除しました。これは、住民の生活を守る活動に対する政府の弾圧行為にほかなりません。住民の反対の意思表明という表現の自由を制限しようとするものであり、決して許されるものではないと考えます。

さらに、政府が高江において更なる強硬手段をもって住民を排除しようとする動きがあります。報道によりますと、現在何ら立入りが禁止されていない高江地区の県道七十号沿いの路側帯において抗議活動を行っている住民を排除するため、政府は、日米共同使用区域である当該路側帯の使用条件を米軍専用に変更して立入りを制限しようとしているとされています。

そもそも、当該路側帯は、一九九〇年に米軍専用から日米共同使用に変更したと承知をしております。それを今回、米軍専用に戻すということは、納得できる理由が必要であるというふうに考えます。

報道にありますように使用条件の変更を検討しているのか、お伺いいたします。そして、それが事実であれば、今回、米軍専用に変更する理由をお伺いいたします。

国務大臣(江渡聡徳君)

お答えいたします。

北部訓練場につきましては、SACOの最終報告におきまして、ヘリコプターの着陸帯を、返還される区域から北部訓練場の残余の部分に移設することとして、その過半を返還することとされているところでありまして、現在まで六か所中二か所の着陸帯が完成し、残りの着陸帯建設に向けた準備を進めているところでございます。移設工事の実施に当たりまして安全確保に万全を期すことは当然でありますけれども、具体的な方策につきましては決まったものではありません。

いずれにいたしましても、沖縄の負担軽減に向けて、一日も早く北部訓練場の過半返還を実現できるように、引き続き安全に最大限配慮しつつ、法令に従って適切に対応してまいりたいと思っております。

糸数慶子君

今私がお伺いいたしましたのはこの路側帯の問題でありまして、具体的に今伺いました。一九九〇年に米軍専用から日米共同使用に変更したというふうに承知しておりますけれども、今回、米軍専用に戻すということ、その理由、そして使用条件の変更があるのであれば、それをはっきりこの場でお伝えください。

国務大臣(江渡聡徳君)

お答えさせていただきたいと思います。

一般論といたしまして、米軍施設・区域の安定的な使用の確保につきましては日頃より米側と必要な調整を行っているところでありますけれども、その詳細につきましては、相手方との関係もありまして、誠に申し訳ございませんけれども、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。

糸数慶子君

まともに質問いたしましてもきちんと答えられないというのは、大変残念でございます。変更の理由を是非お伺いをして次の質問を準備しておりましたけれども、今回、政府がその使用条件を変更することは、抗議活動を行っている住民を強制排除するためのものであるというふうに受け止められます。

この点について、改めて政府の方針をお伺いします。防衛省は、使用条件の変更については日米合同委員会にかけることなく変更できると認識しているとのことなんでしょうか。去る六月に行った普天間飛行場代替施設の建設予定地であるキャンプ・シュワブ水域の使用条件の変更の際は合同委員会の合意を得て行っていますが、こことの違いは何でしょうか。

国務大臣(江渡聡徳君)

お答えしたいと思います。

北部訓練場のヘリコプター着陸帯移設工事の実施に当たりましては、具体的な方策につきましては決まったものはありません。いずれにいたしましても、沖縄の負担軽減に向けて、一日も早く北部訓練場の過半返還を実現できるよう、引き続き安全に最大限配慮しつつ、法令に従って適切に対応してまいりたいと思っております。

また、共同使用の使用条件の変更に当たりましては、必要な手続につきましては個々の変更内容により異なることから、合同委員会の要否も含め、一概にお答えすることは困難でございます。

糸数慶子君

残念でございますけれども、私たち県民が知りたいことに対して、また政府が今やっていることに対して、きちんと答弁ができずに、こういう状況でどんどん事を進めていくことに対して県民は不満を持っております。

次に、具体的なことを改めてまた伺いますけれども、この高江の路側帯を立入り制限した後、政府は住民を排除するために具体的にどのような措置をとるのでしょうか。民事手続として、住民に対して車両やそのテントの撤去を求め、これに応じない場合、裁判所に対して撤去を求めて仮処分を申し立てる準備をしているのでしょうか。強制排除のほか、住民に対して損害賠償を求めることも検討しているのでしょうか。

これまでのスラップ訴訟のことに関連して、改めてこの政府の検討状況についてお伺いしたいと思います。

国務大臣(江渡聡徳君)

お答えさせていただきたいと思います。

今委員の方の御質問でありますけれども、仮定の質問に対しましてはお答えを差し控えさせていただきたいと思っております。

なお、北部訓練場のヘリコプター着陸帯移設工事の実施に当たりましては、防衛省といたしましては、安全確保に万全を期することは当然でありますけれども、具体的な方策につきましては決まったものはございません。

いずれにいたしましても、沖縄の負担軽減に向けまして、一日も早く北部訓練場の過半の返還を実現できるように、引き続き、安全に最大限配慮しつつ、法令に従って適切に対応させていただきたいと思っております。

糸数慶子君

残念でございますけれども、住民の権利である抗議活動を排除するような状況で、今の政府の対応の仕方に対して住民の反対の意思表明を弾圧することは許されないということを改めて申し上げて、次の質問に移りたいと思います。

次に、海上保安庁の過剰警備の問題についてお伺いをしたいと思います。

本年八月、政府は、普天間飛行場の名護市辺野古への新基地建設工事のために海底ボーリング調査を強行しました。その直後に行われた沖縄県内の電話世論調査では、県民の八〇・二%が移設作業を中止すべきというふうにしております。政府は、こうした民意を踏まえて直ちに全ての作業を中止すべきであるというふうに思います。

また、ボーリング調査に当たっては海上保安庁が警備を実施していますが、この調査について辺野古海上で抗議活動を行っている住民に対して、法的根拠も不明瞭なまま拘束し、陸上に連行した上で事情聴取を行うなど、過剰で不当な行為を行っています。私はこれに関して質問主意書を提出いたしましたが、政府は何ら明確な答弁をしておりません。

この際、改めて、過剰警備に対して断固として抗議をするとともに、直ちに活動を中止して辺野古からの撤去を求めます。

そこで、具体的に質問したいと思います。

まず一点目でありますが、辺野古のこの調査現場におきまして、政府はいわゆる臨時制限区域の外周の一部及び内側にフロート等を設置しています。その上で、海上保安庁はフロートから三百メートル以内に近づかないよう警告をしています。フロートから三百メートルというのは臨時制限区域外の広大な範囲であって、付近を航行する船舶にとっても不適切な警告であると考えます。

まず、このような警告の事実関係を確認した上で、なぜ三百メートル以内と設定したのか、政府の見解を伺います。

政府参考人(中島敏君・海上保安庁警備救難部長)

お答えします。

海上保安庁におきましては、現場での気象、海象、周囲の船舶のふくそう状況、工事海域の明示の状況、工事作業の進捗状況等を勘案しまして、その時々の安全な距離を分かりやすく提示をし、海上保安庁法第二条に基づきまして安全指導等を行っております。

糸数慶子君

今、住民に対するいわゆる海上保安庁の対応の仕方でありますが、住民のカヌーが三百メートル以内に接近した場合、海上保安庁はどのような法的根拠に基づき、どのような対処を行っているのか、明確な説明を改めて伺います。

政府参考人(中島敏君)

お答え申し上げます。

海上保安庁法第二条に基づきまして、現場海域の安全の確保及び法令の励行の観点から安全指導等を行っておりますが、海上における犯罪がまさに行われようとするのを認めた場合又は危険な事態がある場合であって、人の生命、身体に危険が及び、又は財産に重大な損害が及ぶおそれがあり、かつ、急を要するときは、海上保安庁法第十八条第一項に基づきまして、警察比例の原則に留意しつつ、船舶の進行を停止させる、航路を変更させる等の措置を講ずる場合がございます。

委員長(片山さつき君)

糸数慶子君、そろそろお時間でございます。

糸数慶子君

今の答弁にもございますけれども、海上保安庁は、辺野古海上におきまして、法的根拠も不明瞭なまま、カヌー等に乗船した住民を海上保安庁側の船舶に乗船させ、陸上において事情聴取をしていますが、この点について質問主意書でも伺いましたけれども回答がありませんでした。

改めて伺います。

どのような場合に住民を海上保安庁側の船舶に乗船させるのでしょうか。住民のカヌー等が臨時制限区域内のフロートに近づいた場合、フロートを越えた場合、あるいは臨時制限区域に侵入した場合、それぞれの場合における海上保安庁の対応と法的根拠についてお伺いしたいと思います。

委員長(片山さつき君)

時間を過ぎておりますので、答弁簡潔に願います。

政府参考人(中島敏君)

お答えいたします。

お尋ねの拘束という事実についてはございません。先ほども、重ねてのお答えになりますけれども、海上保安庁法第二条に基づきまして、現場海域の安全の確保及び励行の観点から安全指導等を行っております。

なお、フロート内に侵入する等危険な行為を行った場合であって、更なる安全指導を行う必要がある場合には、海上保安庁法第二条に基づきまして、同意を得た上で、静かで動揺の少ない巡視船に移動してもらうこともございます。

糸数慶子君

終わります。ありがとうございました。