国政報告

議事録議事録一覧へ

制限水域拡大は抗議運動の弾圧

第186回国会 2014年6月19日 参議院外交防衛委員会(一般質問 20分)

6月19日、外交防衛委員会で「制限水域拡大問題」について政府を追及し、最後に以下の意見を表明しました。

「日米合意文書、5・15メモで、米軍の活動を妨げない限り立入りを制限しないとしている水域内についても立入り制限する。『継続活動』に住民らの抗議行動が当たるとして拡大解釈をしていこうとしているのではないか。抗議行動を取り締まる構えで、水域を広げていこうとする。それは民意を弾圧するものであり、多くの国民はもとより、国際社会の理解も到底得られない。辺野古移設に関して、環境破壊や、人心の疲弊、そして地域住民の対立、あるいは経済的な面から見ても、この水域拡大は無謀な計画だ。

普天間飛行場の県内移設は7割以上の沖縄県民が反対をしている。政府は民意を踏みにじって強権的に物事を進めようとしている。それは民主国家としてあるまじき姿であり容認できない。政府はこのシュワブの提供水域に関する5・15メモの解釈を変更することで、ボーリングの調査海域に近づくカヌーなどの活動に対しても刑特法を適用して取り締まることが可能だとの見解をまとめている。それをもし強行するのであれば、沖縄では流血の惨事が起こる可能性もある。

移設に反対する民意を踏みにじるその策動は許し難いものがある。普天間の県内移設、辺野古への移設強行、それを撤回することが沖縄県民の民意に沿うものであり、民主主義国家の本来のあるべき姿である。」

糸数慶子君

無所属の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。

マグロはえ縄切断事案について、前回もお伺いをいたしました。その中で、米軍艦船による疑いのあるマグロはえ縄切断事案についてでありますが、私は、六月十六日に、沖縄社会大衆党を代表して、地元沖縄防衛局と外務省沖縄事務所に対して、本事案に対する日本政府の対応に抗議するとともに、事件の全容解明、補償について政府が窓口となって速やかに解決すること、そして、事件を起こした米艦船及び今後事件を起こす可能性のある艦船の航行中止を要請いたしました。

また、十七日及び十八日には、沖縄県知事、それから県漁業協同組合連合会代表理事会長及び県漁業協同組合長会長の連名で、農林水産大臣、そして防衛大臣及び外務大臣に対して、原因の徹底究明及び再発防止に向けた対策を米国に求めること、さらに、米軍への損害賠償請求について、その支払まで政府が責任を持って米国政府との仲介を図ること、米国政府が原因究明、損害補償に応じない場合には政府が責任を持って対処するとともに、漁業者が安心して操業ができるよう抜本的な措置を講ずることについて要請を行いました。

さきの質問に対しまして外務大臣は、できる限りの側面支援をしていきたいと答弁をしてくださいました。当事案は我が国近海漁業の安全操業を脅かす深刻なものであり、また、我が国の国民である漁業者の財産権を侵すものであることから、政府が全面的にこれらの要請に応え、適切に対応すべきであるというふうに考えますが、改めて、外務大臣、防衛大臣、見解を求めたいと思います。

国務大臣(岸田文雄君)

御指摘のように、先日の委員会でも答弁をさせていただきました。

今回の事案については、米側は、当事者である漁業者の方が米海軍法務部に対しまして事案の申立てを行えば米海事法及び米連邦規則に基づき処理される、こういった説明を行っております。

政府としては、この米側の説明を踏まえて、まずは漁業者の方から米側に対し事案の申立てを行う必要があると考えております。申立てを行っていただいた上で、政府としましてはできる限りの支援をしていきたいと考えております。

米側には引き続き関連の情報提供を求めておりますが、こうした情報提供ですとか、あるいは様々な手続等において相談をいただければ、是非、政府としましてもできる限りの支援を行っていきたいと考えております。

国務大臣(小野寺五典君)

糸数議員におかれましては、先週木曜日に、この委員会におきまして本件に関する質問をいただきました。

また、今週月曜日には、沖縄防衛局長に対して抗議を行われまして、また、早期に全容を解明すること、補償については政府が窓口になること、同種の米軍艦船の航行を中止することを内容とする要請をされたということを承知しております。

また、昨日、沖縄県から沖縄防衛局に対しまして、原因究明と再発防止を米側に強く求めること、日本政府が漁業者と米国政府との仲介を行うこと、米側が損害賠償に応じない場合は日本政府が責任を持って対処すること等を内容とします私あての要請書が提出されたと承知をしております。

沖縄防衛局におきましては、漁具被害を受けたとの沖縄県近海鮪漁協等からの連絡を受け、先月、五月二十日ですが、在沖米海軍に対して米軍艦船の航行の有無について照会を行ったところでありますが、現時点において、米側からの回答は得られておりません。

我が国の領海外で発生した本件漁具被害につきましては、仮に米軍艦船によるものであったとしても日米地位協定に基づく補償の対象となるわけではございませんが、防衛省としては、在沖米海軍から得られた情報を地元漁協等に提供するなど、可能な限り適切に対応してまいりたいと考えております。

糸数慶子君

農水からはないですか。

政府参考人(本川一善君・水産庁長官)

済みません。防衛大臣と外務大臣というふうにおっしゃいましたので、私、答弁ないのかと思っておりましたが。

私どもも、六月十七日に沖縄県漁業協同組合連合会、それから沖縄県農林水産部の担当者が水産庁を訪れまして、原因究明や漁業者と米国政府との仲介等の要望をなさっていかれました。これを受けて、私ども水産庁として、外務省、防衛省に要請の内容を伝えたところでございます。

今後とも、農林水産省としても、できる限り外務省、防衛省に協力してまいりたいと考えております。

糸数慶子君

前回の質疑に対しまして農林水産省は、韓国、それから中国等外国漁船操業対策事業の基金や沖縄漁業基金事業での対応について、米軍艦船など漁船以外による被害はこの事業の対象とならないと答弁されました、先ほどもそうでしたが。現行制度において対象外であるということは理解いたしましたが、これらの制度は外国漁船による被害救済が目的の一つであります。今回の場合は、我が国の漁船が被害を受けているということ、そして漁具被害の加害者が特定できないことなど、同趣旨の事案であるというふうに思います。

よって、これらの制度を改正して、米軍艦船など外国漁船以外の船舶による被害も対象とすることや類似の制度を創設して対応することは、漁業者の経営安定、そして被害救済を支援するということになるというふうに考えます。

こうした中で、制度の改正あるいは新制度創設について検討を行い、早期に結論を出すということを求めますが、先ほど両大臣からも答弁をいただきましたけれども、私は、やはりこの船が特定できないという状況の中にあって、ただ、現実的には漁業者がこれだけの被害を受けているわけですから、政治家である両大臣の決断を求めて、制度の改正若しくは新制度創設について是非とも検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

政府参考人(本川一善君)

この両基金を所管しておりますので、まず御答弁をさせていただきたいと思います。

沖縄漁業基金と韓国・中国等外国漁船操業対策事業による基金、これは、我が国漁船が外国漁船の被害を受けて相手が特定できない場合、復旧の支援を行っておるところでございます。あくまで、やはり日韓や日中の漁業協定、日台民間漁業取決めの締結によりまして影響を受ける漁業者の方々への支援ということでございまして、私どもの所管として米軍艦船による漁具被害をこの事業の対象とすることは極めて困難であるということを御理解いただきたいと考えております。

糸数慶子君

被害を与えた船が特定できないと言っておりますけれども、実際には、こういうふうにしてちゃんと写真も撮られていて、漁業者の方々が実際に星条旗を掲げた船であるということは分かっています。

先ほど大臣もおっしゃっておりましたように、米軍に問い合わせたところ、正式な手続をすれば、被害に対しても手続を踏まえた上で対応するというふうにおっしゃっておりますけれども、現に被害を受けた漁船は沖縄のマグロはえ縄漁をしていらっしゃる方々であるということで、県の方からも再三何とかしてほしいと言っているわけでございますから、手をこまねいて見るような状況ではなくて、制度が実際に今回の事案に対して適用されないにしても、その制度を何とか生かす方向でやっていただきたいというふうに申し上げております。大臣の御答弁をお願いいたします。

国務大臣(岸田文雄君)

まず、御指摘の外国漁船操業対策事業の適用につきましては、先ほど水産庁から説明があったとおりであります。そして、新たな制度をつくるということについても、現実にあります今回の事案に向けて新たな制度をつくるということについては、現実的ではないと考えます。

まずは、先ほども申し上げましたように、現状、この申立てを漁業者の方から米軍に対して行っていただく、これがまず重要であると考えています。その上で、政府としてできることをしっかり検討し、しっかりと支援をしていきたいと考えます。

糸数慶子君

是非対応していただきたいということを強く要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。

辺野古水域拡大問題についてであります。

本日、日米合同委員会が開かれるというふうに聞いておりますが、私、先週の質疑でも指摘をいたしましたけれども、普天間飛行場の辺野古移設については地元から強い反対が示されておりますが、政府は代替施設建設を進めようとしております。

そういう中で、防衛大臣は、本年五月二十一日、キャンプ・シュワブ水域において、農林水産大臣に対して、いわゆる漁船操業制限法第一条の規定により、漁船の操業を制限又は禁止する区域及び期間並びにその条件を定めた昭和三十六年の総理府告示第九号の一部改正について照会を行いました。農林水産省は、沖縄県に対して意見照会をし、さらに県は、名護市、沖縄県漁業協同組合連合会、名護漁業協同組合に意見を求め、県からは六月十二日に回答があったと承知をしております。

今後、防衛大臣は、これらを踏まえ、七月上旬をめどにこの総理府告示を改正するというふうに聞いておりますが、まず、これらの事実関係、告示改正の理由、それから県からの回答についても明らかにしていただきたいと思います。

まず、防衛大臣にお願いいたします。

政府参考人(山内正和君・防衛省地方協力局長)

事実関係でございますので、私の方から答弁させていただきたいと思います。

普天間飛行場の代替施設の建設事業につきましては、昨年十二月の沖縄県知事によります公有水面の埋立承認を受けまして、現在、事業開始に向けた準備を進めているところでございます。

この一環といたしまして、今後、普天間飛行場代替施設建設事業に伴います埋立てなどの工事を行うため、公有水面埋立承認願書でお示しした工事の施行区域におきまして、米軍によるキャンプ・シュワブ水域の使用や管理に影響が及ぶこととなります。また、これに伴い、当該工事の施行区域におきましては従来のように漁業を行うことができなくなることとなります。このため、委員御指摘の法律の規定に基づきまして、五月二十一日、防衛大臣から農林水産大臣に対して照会を行ったところであり、また、この照会に対しまして、六月十七日、農林水産大臣から回答をいただいたところでございます。

防衛省といたしましては、農林水産大臣からの回答の内容も踏まえつつ、今後適切に対応してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

糸数慶子君

次に、日米両政府は、この総理府告示の改正と同時に、キャンプ・シュワブの提供に関する昭和四十七年五月十五日の日米合同委員会合意、いわゆる五・一五メモによる第一水域の区域を漁船操業制限法による制限に合わせて変更することを日米合同委員会が決定し、告示すると承知しておりますが、この点についても事実関係を明らかにしていただきたい。

防衛大臣、外務大臣にお伺いします。

国務大臣(小野寺五典君)

具体的な内容については、まだ決まっているわけではありません。

国務大臣(岸田文雄君)

今防衛大臣からありましたように、現在、調整中の段階にあると認識をしております。

糸数慶子君

調整中であるというふうに言っておりますけれども、この漁船操業制限法、これはあくまでも日本における米軍の水面の使用のために漁船の操業を制限することができるというものであります。

今回の総理府告示第九号の改正案は、キャンプ・シュワブ水域の内に常時漁船の操業が禁止されている第一種区域を普天間飛行場代替施設建設のための埋立工事の施行区域に合わせて拡大しようとするものであり、米軍の活動とは全く関係のない日本政府による工事の円滑な実施を図ることを理由とするもので、漁船操業制限法に基づき漁船の操業を制限し又は禁止することはできないというふうに考えるわけですが、今回の第一種区域拡大の理由を示された上で、政府の見解を明らかにしていただきたいと思います。

政府参考人(山内正和君)

お答え申し上げます。

先ほど答弁させていただきましたように、今後、普天間飛行場代替施設建設事業に伴います埋立てなどの工事を行うため、公有水面埋立承認願書でお示ししました工事の施行区域におきましては、米軍によるキャンプ・シュワブ水域の使用や管理に影響が及ぶことになります。また、これに伴いまして、同区域におきましては従来のように漁業を行うことができなくなると。このため、現在、漁業操業制限法に基づきます手続を取らせていただいているものでございます。

なお、御質問のありました第一水域等の関係でございますけれども、水域の使用条件の変更については、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、現在、米側と協議を進めているところであり、具体的な内容についてまだ決まったものはないということでございます。

糸数慶子君

この五・一五メモによる第一水域は、これは日米地位協定第二条に基づき合衆国が施設・区域の使用を許与されたものであり、陸上施設の保安のために使用されるもので、合衆国軍隊の排他的使用のために常時制限されるものというものであります。

今回、政府は、普天間飛行場代替施設建設のための埋立工事の施行区域をそのまま提供合意の対象水域に加え、五・一五メモに基づく第一水域を拡大、変更しようというふうに私どもは受け止めています。しかし、この施行区域は米軍の陸上施設の保安のための水域とは言えないため拡大はできないというふうに考えますが、改めて政府の見解をお伺いいたします。

政府参考人(山内正和君)

先ほど来答弁申し上げさせていただいているところでございますけれども、海上におきます工事に当たりましては、民間船舶の航行の安全を確保しつつ工事の安全確保に万全を期すとともに、米軍の円滑な活動と施設・区域の適切な管理を図る必要がございます。

このため、キャンプ・シュワブの水域の使用条件の変更について、現在、米側と協議を進めていることは事実でございますが、まだ具体的な内容について決まっているわけではございません。

糸数慶子君

日米合意文書、五・一五メモで米軍の活動を妨げない限り立入りを制限しないとしている水域内についても立入り制限をする、つまり、継続活動に住民らの抗議行動が当たるとして拡大解釈をしていこうとしているのではないでしょうか。抗議行動を取り締まる構えで水域でのその区域を広げていこうとする。そういうことは民主的な民意を弾圧するようなものであり、警備やそれから取締り、そして多くの国民はもとより、このような状況は国際社会の理解も到底得られないというふうに思います。辺野古移設に関して、環境破壊や、それから人心の疲弊、そして地域住民の対立、あるいは経済的な面から見ても、この水域の拡大に関しては無謀な計画であります。

今、きちんと答えておりませんけれども、実際には、今日のこの地元の新聞にはこのように紹介されております。今日の合同委員会の中でいろいろこれからの取決めが発表されていくであろう、二十四日には閣議決定がされて公示されるであろうというふうに言っておりますけれども、再三私が申し上げておりますように、この普天間飛行場の県内移設は七割以上の沖縄県民が反対をしています。そういう民意を踏みにじって強権的に物事を進めようとしている、それは民主国家としてあるまじき姿であるということで容認できません。

今、正式なお答えはございませんけれども、政府は、このシュワブの提供水域に関する五・一五メモの解釈を変更することで、ボーリングの調査海域に近づくカヌーなどの活動に対しても刑特法を適用して取り締まることが可能だとの見解をまとめているというふうに聞いておりますけれども、やはりこれに関しましても、このことをもし強行するのであれば、沖縄では流血の惨事が起こるような可能性もあります。

是非、水面下で国民の目を逃れて米国と協議を進めるのではなく、堂々と表に出して議論していただきたいと要望いたします。

制限水域の見直しに関しては、是が非でも移設を強行しようという今の安倍政権の意図があるのは明らかであり、移設に反対する民意を踏みにじっての策動は許し難いものがあります。むしろ、普天間の県内移設、そして今の辺野古への移設を強行すること、そのことを撤回することが沖縄県民の民意に沿うものであり、民主主義国家の本来のあるべき姿であるということを強く申し上げまして、私の質問は終わりたいと思います。

ありがとうございました。