国政報告

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漁業者側面支援 外相、はえ縄切断で

第186回国会 2014年6月12日 参議院外交防衛委員会(投資・航空協定 20分)

6月12日、外交防衛委員会で「はえ縄切断問題」について質問しました。①昨年5月の事案と海自の補償状況②本年5月の事案解決への政府の取組方針③被害漁業者への補償システムの検討――などについて追及し、岸田外相から「側面的支援を行う」との答弁をいただきました。

糸数慶子君

無所属の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。

まず、本日の議題になっております航空協定、とりわけオープンスカイ政策と沖縄についてお伺いをしたいと思います。

日本・ミャンマー航空協定の改正議定書は、日本、ミャンマー間の定期航空路線に両国の企業が新たに参入し、各国国内の地点から先へと路線が延びる基礎をつくるものと考えます。日本で最も東南アジアに近い那覇空港では、深夜便が使える利点を生かして、上海で作った中国製電子部品をタイのバンコクに送る国際物流中継拠点として成長するよう、国や沖縄県、民間企業が取り組んでおります。

今般、航空協定を改正するミャンマーを始め、いまだ航空協定を締結していないラオスやカンボジアとの航空協定締結を始め、アジア諸国との新たな空路開拓に向け、政府は今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。

政府参考人(甲斐正彰君・国土交通省航空局次長)

お答えいたします。

我が国は、航空ネットワークの拡大を図るべく、諸外国との間で、航空会社が自由な経営判断で柔軟な運航を可能にするオープンスカイ政策を戦略的に推進しております。現在、二十七か国・地域との間で合意してきておりまして、那覇空港を含む国内空港において、旅客、貨物共に新規企業の参入、路線の開設等の自由化が図られております。

東南アジア地域につきましては、我が国にとって非常に重要な地域の一つと認識しておりまして、ミャンマーを含みます航空協定を締結している八か国との間では既にオープンスカイに合意しております。

また、航空協定未締結のラオス、カンボジアにつきましても、昨年十二月の両国との首脳会談でそれぞれ直行便開設を念頭に航空協定の正式交渉を開始するということで一致しておりまして、本年一月には航空当局間協議を開催して、両国間の直行便の運航が可能な枠組みを設定しております。

また、ラオスにつきましては、最近ですが、協定そのものにつきましても実質合意に至っていると承知しております。さらには、日本とASEAN十か国との間での一本の航空協定を締結すべく議論を開始したところでございます。

いずれにいたしましても、東南アジアに最も近い那覇空港が日本と東南アジア諸国とのネットワークの重要な拠点として有効活用されますよう、航空関係の更なる拡大に積極的に取り組んでまいりたいと思っております。

糸数慶子君

ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。

次に、視点を変えて御質問させていただきたいと思います。

はえ縄切断事案についてでありますが、昨年の五月十二日から十五日、沖縄県久米島近海で宮崎県や鹿児島県のマグロはえ縄漁船十数隻が海上自衛隊や米軍の艦艇にはえ縄を切断されるという事案が発生しております。海上自衛隊はその事実を認めて被害者との補償交渉を行っていると聞いておりますが、米軍側とはどういうふうになっているのでしょうか。

まず、具体的に、日米のどの艦艇がはえ縄を切断したのかを含めて、この事案が生じた状況を明らかにしていただきたいと思います。また、政府として再発防止に向けた対策の検討状況もお伺いいたしたいと思います。その上で、海上自衛隊による補償手続の状況と米軍との対応状況についても明らかにしていただきたいと思います。

政府参考人(中島明彦君・防衛省運用企画局長)

お答え申し上げます。

まず、海上自衛隊に係ります事案について事実関係を御紹介申し上げます。

昨年五月、二件事案がございました。まず一件目でございます。昨年五月十六日に、海上自衛隊海洋業務群に所属いたします海洋観測艦「にちなん」が沖縄付近におきまして活動いたしていましたところ、海中観測機材が正常に機能しなかったということがございました。これを引き揚げて確認しましたところ、はえ縄が絡まっておりまして、付近で操業していた漁船のはえ縄であることを確認しているところでございます。

二件目でございますが、五月十七日に宮崎県の漁業協同組合連合会から、沖縄付近におきまして活動中の音響測定艦「ひびき」によりはえ縄が切断されたという連絡がございました。そこで、二十日に機材を引き揚げて確認いたしましたところ、はえ縄が絡まっていることを確認したということでございます。

対象船舶でございますが、「にちなん」による事案につきましては、鹿児島県の漁業協同組合所属の博陽丸及び宮崎県の漁連所属の鳳丸の二隻でございます。また、「ひびき」による事案につきましては、宮崎県の漁連所属の豊栄丸ということで承知しているところでございます。

政府参考人(黒江哲郎君・防衛大臣官房長)

先ほども先生の方から、損害賠償への対応の状況につきましてもお問い合わせございましたので、その件につきましてお答え申し上げます。

海上自衛隊が今説明しましたような形で発生させましたはえ縄の切断事案につきましては、これは国家賠償法等の規定に基づきまして防衛省が損害賠償の責めに任ずるという形になってございます。

当該案件につきましては、この業務を担当しておりました佐世保の地方総監部におきまして、はえ縄の修復費用などにつきまして調査をしておるということで、現在、相手方、関係の漁業組合連合会、あるいはその個別の船の船長との間で和解の成立に向けて協議を進めているという、そういう状況でございます。

いずれにしましても、防衛省としましては、法令に基づいて適切に対処していきたいと考えてございます。

国務大臣(小野寺五典君・防衛大臣)

委員の方から、再発防止策の御質問がございました。本件事案については、海洋業務群司令部が「にちなん」及び「ひびき」から事実関係等を聴取しました。その結果、当直士官の見張り員等への指揮監督が不十分であったこと、見張り員の見張りが不十分であったこと、海域の漁業実態等の事前調査が不十分であったことが原因であると分析しております。

このため、昨年六月に、再発防止策として海洋業務群司令により、海洋業務群に所属する各艦艇の艦長に対し、当直員の配置、任務等の運航体制の再確認、見張り教育の実施、漁業実態の情報を含む運航安全資料の確認の徹底等を実施するよう指示をしております。

防衛省としては、今後ともこれらの対策を徹底し、再発防止に努めてまいります。

糸数慶子君

米軍との関係は御答弁まだないんですが。

委員長(末松信介君)

米軍との関係の答弁ということで。

じゃ、岸田外務大臣。

国務大臣(岸田文雄君・外務大臣)

御指摘の昨年五月の事案につきましては、米軍との関係につきまして、外務省から米側に事実関係を照会いたしました。そして、この事案発生日に現場付近の海域で米海軍の艦船が自衛隊とともに活動していたことは確認されておりますが、米艦船の本事案への関与は確認できていないとの説明を受けております。

糸数慶子君

この件に関しましては、事案が発生して既に一年が経過したにもかかわらず漁業関係者の一番大切な漁具への補償がなされていないということは誠に遺憾であります。

また、米軍によるこのはえ縄切断事案に関しましては、先月も沖縄県のマグロはえ縄漁船に対してまた同じようなことが発生しております。こちらについては十日までに、米軍の関係で、沖縄防衛局を通じまして、被害漁船に所属する沖縄県の近海鮪漁業協同組合の照会に関しては電子メールで文書で回答してきておりますけど、事実関係には全く触れずに謝罪の文書もなかったというふうに言っております。米軍側は、このはえ縄切断の現場が日本の領海内ではないことを理由に、日米地位協定に係る事案ではなく、米艦船の運用によって被害を受けたと考える者は誰でも海軍法務部を通して米政府に被害を訴えることができるとし、米海軍法及び米連邦規則に基づいて解決すべきとの見解を示されたとされています。

政府は、このような米軍側の見解について承知しているのかどうか明らかにした上で、米軍側とそれから被害者側が個別にこの問題を交渉すべきと考えているのかどうか、認識をお伺いいたします。

国務大臣(岸田文雄君)

御指摘の本年五月に発生した事案につきましては、一般国際法上、このような軍艦が関与した海事損害については、一義的には当該軍艦の属する国の法令に基づいて処理されるものと承知しております。こうした事情を踏まえまして、今回の事案については、米側は、当事者である漁業者の方が米海軍法務部に対し事案の申立てを行えば米海事法及び米連邦規則に基づき処理される旨、説明しているものと承知をしております。

政府としましては、本件の当事者である漁業者に対しまして、できる限りの側面支援をしていきたいとは考えております。

糸数慶子君

今月の三日に、県の漁連と、それから県の近海鮪漁協の方々、それから県水産課の担当者が外務省沖縄事務所を訪れて日米地位協定に基づく補償を求めたことに対して、地位協定の適用外で補償の対象ではないというふうに回答されたというふうに聞いております。いずれにしても、米軍の艦艇による我が国国民の財産に関する被害については、日本の近海での事故であること、それから言葉や司法制度の違いがあることなどからして、国が全面的に支援すべきであるというふうに考えます。

昨年の件と併せて、一刻も早く事案が解決するよう政府の取組を示していただきたいというふうに御質問したいところですが、今外務大臣が御答弁されましたように、側面的にいろいろ応援をしていくということでよろしいですか。

国務大臣(岸田文雄君)

まず、今回の事案につきましては、我が国の領域外で発生したものであり、日米地位協定に基づく補償の対象とはならないと判断をしております。

しかしながら、先ほど答弁させていただきました米側の説明等を踏まえて、我が国としましては、しっかりと当事者である漁業者の方を側面支援していきたいと考えております。事実関係の照会を含め、米側に関連の情報提供を求めているところでありますし、引き続き、漁業者の方に役立つ情報が得られれば、それらの情報をしっかりとお伝えしていきたいと考えております。

それ以外にも、政府としましては、本件の当事者である漁業者からの具体的な要請がありましたならば、その内容を踏まえてできる限りの側面支援をしていきたいと考えております。

糸数慶子君

ありがとうございました。

米軍からの補償等の対応が遅れている現状では、やはり政府による一時的な補償も有効であるというふうに思っております。

現在、根室海峡におけるロシア・トロール漁船による漁具被害、先ほど申し上げました沖縄における中国や台湾漁船による漁具被害等については、事例としては水産庁の韓国・中国等外国漁船操業対策事業の基金などがあります。例えば、沖縄におきましては沖縄漁業基金事業などでも対応されておりまして、これは修理等の全額又は一部について補助が行われているわけでありますが、今の大臣の御答弁でありましたら、こういう米軍の被害についてもこうした制度の対象にする、若しくはその類似の制度を創設して早急に対応できるようにするべきだということで受け止めてよろしいでしょうか。

政府参考人(枝元真徹君・水産庁資源管理部長)

お答え申し上げます。

水産庁におきましては、今御指摘ございました沖縄漁業基金事業なり韓国・中国等外国漁船操業対策事業によりまして、我が国の漁船が外国漁船により漁具被害を受けて相手が特定できない場合に漁具の復旧支援等を行っているところでございます。

本事業は、日韓ですとか日中の漁業協定、日台の民間漁業取決めの締結によりまして、これらに係る水域で外国漁船とのトラブルが万一起こった場合の支援を行う枠組みを特別に講じているものでございます。このため、米軍艦船など漁船以外による被害は事業の対象とならないことを御理解いただきたいと思います。

糸数慶子君

先ほどは、大臣の方からは側面的な支援ができるということでありましたけれども、今のお答えですと、それはできないということなんでしょうか。

国務大臣(岸田文雄君)

私のお答えしたこの側面支援でありますが、情報提供等できる限りの支援を行いたい、こういったことをお答えさせていただきました。

そして、制度の説明につきましては、ただいま水産庁の方から御説明があったとおりだと考えます。

糸数慶子君

先ほど私が質問申し上げたことに関しましては、側面的な支援である、あるいはいろんな支援をしていくというふうに受け止めたわけなんですけれども。つまり、米軍の補償対処が実際には遅れているという現状があるわけで、この米軍に関してもちゃんと側面的な対応をしていただけるというふうに受け止めてよろしいでしょうか。

国務大臣(岸田文雄君)

米側は、当事者である漁業者の方が米海軍法務部に対し事案の申立てを行えば、米海事法及び米連邦規則に基づき処理される、こうした説明をしております。

こうした手続を進めるに当たりまして、漁業者の方々としましては、情報においてもあるいは様々な事務手続においても様々な負担が生じるものと存じます。そういった面につきまして政府としましても、しっかり側面支援を行わなければならない、このように認識をし、具体的には、この漁業者の方からの具体的な要請をしっかり踏まえて対応していきたいと考えております。

糸数慶子君

ありがとうございました。是非よろしくお願いしたいと思います。

次に、また視点を変えて質問したいと思います。

報道によりますと、今後、辺野古沿岸及び同海上における抗議活動を行う人々に対して、政府は、いわゆる刑特法等を適用して取り締まるとされております。これに関しまして、私が二度にわたりまして質問主意書を提出してただしましたけれど、政府はこれに関して明確な答弁をいたしておりません。

改めて、この委員会の場で、抗議活動に対して刑特法を適用するか否かについて、その意思を明確にしていただきたいと思います。防衛大臣、海上保安庁にお伺いいたします。

政府参考人(伊藤盛夫君・防衛省経理装備局長)

現在、普天間飛行場代替施設建設事業の実施に当たりましては、安全の確保に万全を期すために、埋立て等の工事の施行区域の外周等に浮標を設置するなどの措置を講じる考えはございます。本事業におけます公有水面埋立承認会社におきまして、工事の施行区域を明示するための浮標等を設置する旨を記載しておりまして、このような浮標の設置は同様な工事においても一般的に行われていることであるというふうに認識しております。

事業の実施に当たりましては、安全確保に万全を期した上で適切に進めていくことに尽きるというふうに考えております。

政府参考人(中島敏君・海上保安庁警備救難部長)

お答えします。

仮定のお話についてはお答えすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として申し上げるならば、海上保安庁においては、個別具体的な状況に応じて適切に対処させていただきたいと考えております。

糸数慶子君

時間がやってまいりましたので終わりますけれども、日台漁業協定についても通告をいたしておりましたが、また次のチャンスに質問をさせていただきたいと思います。

最後に一言なんですけど、やはり抗議活動に対する取締りに関しましては、抗議活動など、これはやはり県民の自由意思による活動でありまして、一概にルールを決めて取り締まるということは県民の意思に反するということを改めて申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

ありがとうございました。

終わります。