国政報告

議事録議事録一覧へ

英国の視察委員会に学べ

第186回国会 2014年6月5日 参議院法務委員会(一般質問 30分)

6月5日、法務委員会で一般質疑を行い、入国者収容所等視察委員会と入管難民法改正の問題点について質問しました。

視察委員会については、①視察委員会意見のフォローアップ体制②視察委員の待遇③視察の基準、マニュアル作成――などについて、イギリスの例を紹介しながら質問。入管法では、①難民認定の現状とその問題点②行政不服審査法の再検討-などをただしました。

糸数慶子君

無所属の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。

本日は、一般質問の中で入国者収容所等視察委員会についてお伺いをいたします。

茨城県牛久市の入管収容所で、今年の三月二十九日にイラン人男性が、三月三十日にカメルーン人男性が亡くなった事案が起こり、この件につきましては報道もされましたので、御存じの方も多いと思います。

四月二十四日の当委員会の一般質問で私も二、三質問をさせていただきました。その後、今日までに東京弁護士会など七つの弁護士会から会長声明が出されております。そのいずれもが、第三者機関を設置しての独立した調査機関を設置してほしい、それが再発防止、医療体制の確立にもつながるということでございます。

谷垣大臣も五月一日に牛久の入管収容所を視察されたと伺っておりますが、そこでお伺いをいたします。

まず、大臣はこれらの弁護士会の声明をどのように受け止められていらっしゃるのでしょうか。

国務大臣(谷垣禎一君)

今年三月、糸数委員がおっしゃいましたように、東日本入国管理センターで相次いで二件の収容者死亡事案が発生したということでございます。

それで、この件に関して、六つの弁護士会とそれから一つの弁護士会連合会、関東の弁護士会連合会でございますが、声明をいただきまして、いろいろなことがそれぞれ書かれてあるわけですが、大要を申し上げますと、一つは、二件の死亡事案の真相解明を図るために第三者機関の設置等による十分な調査の実施と、それからもう一点は、入国者収容所等での医療体制の改善、見直し等々について声明を出されたということでございます。

それで、まず医療体制ですが、入国管理局の収容施設の中には常勤医師の確保がなかなか難しいと、そういうところがあるのが実情でございます。そういう中で、非常勤の医師に来ていただくなどして被収容者に対する医療の提供に万全を期すよう努めておりまして、実はこれはこの入国管理センターだけではなくて、度々当委員会でも申し上げておりますが、刑務所等の矯正施設でも全く同様な事案でございますので、これについては大きな努力を傾けていかなければいけないと、このように考えております。

それから、この二件の死亡事案につきましては、収容中の対応についてより適切な措置の可能性がなかったのかどうか、しっかりと調査して報告するよう入国管理局に指示しているところでございます。

それから、現在、入国管理局において調査が進められているところでございますので、現時点で再発防止策とはこれであるということを申し上げる段階には行っておりませんが、今後とも、被収容者の人権を尊重しながらその適正な処遇を行うことができるよう、所要の医療体制の確保等々努めていかなければならないと思っております。

それから、調査ですが、現在、入国管理局職員による調査を進めているところですが、今後、医学的見地から外部の専門家に意見を伺うということを予定しておりまして、ここは適切な調査を尽くす所存でございます。

それから、内部調査の結果につきましては、外部の委員により構成される、今、入国者収容所等視察委員会というのがございますので、そこに報告をしまして、同委員会からの御意見をいただくことにしたいと、このように考えているところであります。

糸数慶子君

ありがとうございました。

いろんな問題をいま指摘されましたけれども、やはりきちっとした調査を要望しておきたいというふうに思います。

次に、入管の視察委員会が三年連続で医療体制について改善を求めています。今大臣もお話ございましたが、今回のような事件が起きてしまったことは本当に残念なことです。

実は、二〇一二年の秋に英国の視察委員会を訪問した弁護士さんたちのグループのレポートを拝見いたしました。それによりますと、英国の入管視察委員会では、視察後十八週間以内に視察結果の報告書がインターネットで公表される、そして、施設側はその報告書公表後二か月以内に視察の結果を踏まえた行動計画を策定しなければならないというふうになっているようです。さらに、この報告書、公表されて十二か月後には第二次行動計画を提示し、その進捗報告が義務付けられているとのことであります。また、前回の視察で問題があったと指摘された施設には、一年から三年以内に必ず全般にわたってのフォローアップ視察がなされて、前回問題点として指摘された事項一点一点について改善がされたかどうかということをチェックしているということであります。

そこで質問ですが、日本の視察委員会で出した意見とこれに対する措置結果については現在どのようなフォローアップ体制が取られているのか、お伺いいたします。

政府参考人(榊原一夫君・法務省入国管理局長)

お答えいたします。

入国者収容所長等は、入国者収容所等視察委員会から御意見をいただいた後、措置について検討して、二か月以内に視察委員会に報告することとしております。この報告の段階では措置予定又は検討中とされた事項につきましては、当該事項を担当する入国者収容所長等が所要の措置を講じた時点で順次視察委員会に報告を行っております。また、視察委員会から個別にその進捗状況を問われることがあれば、適宜進捗状況を回答することになります。

いずれにいたしましても、入国者収容所長等は、視察委員会の意見を十分に尊重いたしまして必要な対応を取ることとなります。

以上でございます。

糸数慶子君

次に、入管の視察委員会の事務局は入国管理局が担当しているということでありますが、二〇一三年の六月二十八日、国連の拷問等禁止委員会は、日本政府に対して、入国者収容所等視察委員会に対して、収容施設を効果的に監視するための十分な資源と権限を与え、収容されている移民又は庇護申請者からの不服申立てを受理し、審査できるようにするため、その独立性、そして権限及び有効性を強化することとの勧告を出しております。

この勧告を受けて法務省ではどのような検討がなされているのか、お伺いいたします。

政府参考人(榊原一夫君)

委員御指摘のとおり、昨年六月、国連の拷問禁止委員会から、我が国の第二回定期報告に関する最終見解の中で、入国者収容所等視察委員会に対して、収容施設を効果的に監視するための十分な資源と権限を与え、収容されている移民又は庇護申請者からの不服申立てを受理し、審査できるようにするため、その独立性、権限及び有効性を強化することとの指摘がなされました。

もっとも、まず、視察委員会の委員の任命につきましては、入管法六十一条の七の三に基づきまして法務大臣が行うこととなっておりますが、その人選に当たりましては、委員が特定の職業集団や団体の方に偏らないようにするとともに、選任方法が恣意的なものにならないようにするため、公私の団体から推薦を得て行っております。現在、東西の視察委員会で合計二十人の委員が任命されておりますが、その内訳は、学識経験者四人、法曹関係者四人、医療関係者四人、NGO、国際機関関係者各二人、地域住民代表者四人となっております。

また、その運営は同委員会によって決定されており、国とは一線を画した第三者機関であることから、第三者性は十分に担保されていると認識しております。

また、収容施設の視察や被収容者との面接に当たりましては、入管法六十一条の七の四第三項に基づきまして入国者収容所長等は必要な協力をしなければならないこととされており、また、被収容者は各収容施設に置かれている提案箱に意見や提案を書面で投函できますところ、原則として委員が提案箱を開封することとされているなど、視察委員が直接被収容者の意見等を把握できるように運用されているところでございます。

さらに、視察委員会からの意見は入国者収容所長等を直接的に拘束するものではありませんものの、提出された意見につきましてはできる限り施設運営に反映されるように配慮し、対応可能なものから順次措置していますので、設置目的を達成するために効果的に運営されるものと考えております。

先ほどの拷問禁止委員会の最終見解における指摘を受けて特に制度を改めたということはありませんが、いずれにいたしましても、当局としては、拷問禁止委員会の指摘も十分尊重しつつ、視察委員会の委員の方々の御意見も伺いながら、同委員会がその役割を適切に果たすことができるよう運用の確保に努めてまいりたいと考えております。

糸数慶子君

今、二十名の方が委員になっているということでありますが、さきの英国視察報告書によりますと、英国の視察委員会のトップは年間一千六百万円ほどの報酬を得ているということですが、日本の視察委員の待遇はどのようなものでしょうか。

政府参考人(榊原一夫君)

お答えいたします。

入国者収容所等視察委員会の委員につきましては、一般職の職員の給与に関する法律第二十二条第一項に基づく非常勤の国家公務員であり、会議、施設の視察及び被収容者との面接など、委員としての活動に従事するごとに、現在は一日当たり二万二千八百円の手当が支給されております。平成二十四年七月から平成二十五年六月までの任期について申し上げますと、東日本地区入国者収容所等視察委員会では四回の会議と七回の視察を実施していただいており、委員一人当たり平均で約十五万円を支給しております。

糸数慶子君

確かに、この英国の視察委員会は独立性が強く、専従者も五十名弱いらっしゃるということで日本とは違うわけですが、でも、日本ではこの刑事施設の視察委員会が始まりもう七年余りが過ぎておりますけど、もう少しその人的体制強化と予算の手当てをしていただきたいというふうに要望したいと思います。

次に、法務省のホームページで視察委員会の意見と入管の措置が表としてまとまって発表されておりますが、この委員会の意見は委員自身が書いているのでしょうか、委員会の議論を事務局である入管が取りまとめているということなのでしょうか、お伺いいたします。

政府参考人(榊原一夫君)

お答えいたします。

入管法第六十一条の七の五に基づきまして、法務大臣は、毎年、入国者収容所等視察委員会が入国者収容所長等に対して述べた意見及びこれを受けて入国者収容所長等が講じた措置の内容を取りまとめ、その概要を公表することとされておりますので、委員御指摘のとおり、法務省のホームページで公表しております。

具体的には、法律の規定に基づき公表することとなる意見や措置の概要につきましては当局が作成することとなりますが、その作業に当たりましては、必要に応じて視察委員会等に内容の確認を求めるなどしております。

以上です。

糸数慶子君

次に、視察委員会の氏名でございますが、公表されておりませんが、これはなぜでしょうか。

入管法六十一条七の三では、委員は、人格識見が高く、かつ、入国者収容所等の運営の改善向上に熱意を有する者のうちから、法務大臣が任命するというふうになっておりますが、氏名それから所属が分からなければ、人格識見、それからその熱意の有無について有権者が判断できないのではないでしょうか。

政府参考人(榊原一夫君)

委員御指摘のとおり、視察委員会の委員の氏名、住所、職業その他、委員個人の特定につながる情報は公表しておりませんが、これは視察委員会の委員がその職務を円滑かつ適正に遂行できるようにするとともに、委員の私生活への影響等を考慮したものでございます。

委員の任命に当たりましては、先ほど申し上げましたように、いろんな配慮をして第三者性が確保できるように配慮しているところでございます。

糸数慶子君

この視察委員会の意見でございますが、余りにも抽象的に過ぎるという意見もあります。

例えば、これは平成二十五年の一覧表六でございますが、東日本入国管理センター、こちらにございますのは、申出の不許可告知の際には、被収容者に対して、より分かりやすい説明を行うよう努力されたいというふうになっております。

これに対しまして、英国の視察の基準では実に細やかな基準、指標を定めています。

苦情申立て手続についてというところを見ておりますと、被収容者は苦情申立て手続を秘密に行うことができ、その手続は効果的で時宜を得たもので、被収容者によく理解されていることというふうになっております。

もっと細かく申し上げますと、例えば一点目、これは、適切な言語により苦情申立て手続が公表されること、二点目は、適切な場所では、被収容者は、公式な苦情申立てをする前に非公式に争点を解消することを奨励されること、それから三点目に、被収容者は公式な苦情申立てをいつでも秘密に行うことができ、英国国境庁や独立査察委員会に対して苦情申立てができること、四点目に、苦情申立ての書式は、被収容者が理解できる言語のものが入手できる等々でございます。さらには、被収容者は苦情申立て手続を安心して利用でき、悪影響を感じないようにし、不服申立て手続については知識があることとなっております。

これにつきましては、例えば一点目に、被収容者はいかなる苦情を出す場合もプレッシャーを増大させられないこと、二点目に、スタッフに対する苦情を申し立てた被収容者や他の被収容者は、起こり得る非難から保護されること、三点目に、スタッフへの苦情申立ては慎重に取り扱われ、必要な場合は苦情の対象となったスタッフとの関わり合いへの制限が実行されること、四点目に、苦情は適切なレベルのスタッフによって審査されること等々であります。

そこでお伺いをいたしますが、日本の視察委員会にはこのような視察の基準があるのでしょうか。もしなければ、このような基準を策定する予定がございますでしょうか。

手順についても、英国では視察手順を書いたマニュアルがあるとのことですが、日本ではそのマニュアルが存在するのでしょうか、お伺いいたします。

政府参考人(榊原一夫君)

入国管理局におきましては、視察委員会の活動に役立てていただくために視察委員会活動の手引を作成し、委員の方にお配りしております。この手引では、視察委員会の職務、委員の資格と身分、収容者、収容所等との関係などについて紹介しておりますが、そういった収容施設への評価に関する基準についてまでは言及しておりません。

英国におきまして委員御指摘のような文書が作成されていることについては承知しておりますが、視察を受ける立場の入国管理局においてそのようなものを作成することが適当であるのかなどについては慎重な検討を要するものと考えております。もっとも、英国の文書で求められているような施設の備えるべき基準につきましては我が国にも当てはまるものと思いますので、それらをも適宜参考にしながら収容施設における処遇の在り方を検討してまいりたいと考えております。

また、我が国の視察委員会は、平成二十二年に発足したものでありますが、今後ともその活動を重ねる中で、視察委員会において御指摘のようなものを作成される場合には、入国管理局においても必要な協力をしてまいりたいと考えております。

糸数慶子君

ありがとうございました。

視察委員会のこの勧告の実効性を高め、入管行政の透明性を高めるためにも是非ともマニュアルの作成も行っていただきたいと要望申し上げますとともに、英国の視察委員の待遇なども含めて、やはりこの問題に関するきちんとした専門性を持って対応するためにも、日本の視察委員会の在り方、改めて処遇も含めて検討していただくように要望したいと思います。

次に、行政不服審査法整備法改正の点について質問したいと思います。

現在、国会で審議中でございますが、行政不服審査法の施行に伴う関係法律等の整備法についてお伺いをしたいと思います。同法案の七十五条二項六を見ますと、口頭意見陳述権の例外規定として、行政不服審査法第三十一条第一項ただし書の「場合」を、場合又は申述書に記載された事実その他の申立人の主張が真実であっても、何らの難民となる事由を包含していないことその他の事情により当該意見を述べることが適当でないと認める場合と読み替えることというふうにされております。

そこで、整備法でこのような改正をする理由について具体的に説明していただきたいと思います。また、ここで言うその他の事情とは具体的にどういうことを指すのか、このような無限定な規定ぶりでは全ての事情が含まれる結果となるのではないでしょうか、法務大臣にお伺いいたします。

国務大臣(谷垣禎一君)

今の読替規定に関するところですが、意見陳述権を、意見陳述の機会を与えることが適当でないと認める場合、それを判断するのは、改正法の下で今度新たに審理手続の主宰者となる難民審査参与員が個別の案件ごとに判断をするということになりますが、その中で、御指摘のその他の事情というのは余りにも漠然としているじゃないかという今御指摘ですね。しかし、これは申述書に記載された事実その他の申立人の主張に係る事実が真実であっても、何らの難民となる事由を包含していないことというのが前にございまして、その後にその他の事情というんですから、全く無限定に何でもいいというわけではないんですね。

具体的にどういう場合が考えられるかと申しますと、一度難民不認定処分を受けた後に改めて難民認定申請を行い、従前と全く同様の主張を繰り返す場合等々が一つ考えられる事案だと思います。それで、あと申し上げておきたいのは、難民認定申請の回数、何度も何度もやっているじゃないかとか、それから難民認定申請までの期間、もうすぐまたやったというようなことによって一律に口頭意見陳述の機会を制限するというようなことは、ここの事由としては想定されていないということを申し上げたいと思います。

それで、この現行制度においても、口頭意見陳述に立ち会って審尋するか否かは難民審査参与員の判断に現在でも委ねられておりまして、今回の改正によって運用面において実質的な変更はないものと考えております。

糸数慶子君

次に、この難民認定制度の改革についてでありますが、我が国の難民認定については、従来から難民認定率の低さや、それから異議申立て手続の事件処理の滞留化など、様々な問題点が指摘されているところであります。そこで、大臣もこのような問題点に対応するべく、大臣の私的諮問機関である出入国管理政策懇談会の中に、各界の専門家から成る難民認定制度に関する専門部会を昨年十一月に設置し、今春から本格的な議論を開始したと承っております。

そこでまず、法務大臣に、同専門部会を設置した趣旨、同部会におけるこれまでの議論、そして同専門部会の結論を得た場合の今後の難民認定制度の改革に向けて、今後の予定なども併せてお伺いをしたいと思います。

国務大臣(谷垣禎一君)

若干答弁が長くなるかもしれませんが、まず設置趣旨でございますが、今の難民認定制度は平成十六年に難民審査参与員制度等々の創設が行われて以来、既にかなりの期間を経過しているわけですね。その間に、申請件数が大幅に増加してくるとか、あるいは申請内容が非常に多様化しているということがございまして、そういうことから適正あるいは迅速な対応に関していろいろ問題も生じてきているということがございます。それから、難民認定数が少ないではないかと、少ないことに関連して公平性や透明性の確保というものがもっと必要ではないかというような御指摘もいただいてまいりました。

そこで、難民認定制度に関して専門的な検討を行おうということで、昨年の十一月に私の私的懇談会という形で第六次出入国管理政策懇談会の下に難民認定制度に関する専門部会を設置したという流れでございます。それで、この専門部会は、国際法それから行政法分野の学識経験者、それから難民支援団体あるいは日弁連から推薦のあった弁護士というような方を委員としまして、それから加えまして、国連難民高等弁務官駐日事務所からもオブザーバーとして参加をしていただいておりまして、専門的な観点から御議論をいただいているところであります。

そこで、検討課題は、一つは、難民認定申請が急増する中で適正かつ迅速な案件処理のための方策、それから二番目に、本国情勢等に鑑みて人道上の観点からの在留を認める処分、それにもっといろいろ考えるところはないかということですね。それから三番目に、難民認定申請者に対する生活支援とかあるいは手続支援といった支援策の在り方、以上のような三点が主たる検討項目になっております。

それで、専門部会における議論の状況を踏まえまして、今年の末をめどに専門部会から政策懇談会に対して提言を行っていただくように今議論を進めていただいているところでございまして、それを踏まえて、法務省としては難民認定手続に関する制度運用の見直しを進めていきたいと考えております。

糸数慶子君

ありがとうございました。

この難民認定の現状とさらに問題点についてでありますが、今大臣もいろいろお答えいただきましたけど、そもそも現在の難民認定では、迫害の主体や迫害の内容の範囲など、政府の解釈が難民条約の解釈と適合しているかどうかということも争われていることが多いわけですけど、一定の事実の存在を前提としても、難民該当性の評価については争いがあるところでもあるというふうな指摘もございます。にもかかわらず、先ほども申し上げましたように、その他の事情というような無限定な規定ぶりに入管法が改正されると、例えば申請の回数などの申請に至る事情なども含まれることとなるわけですが、この異議申立ての大半が口頭の意見陳述を経ることなく棄却される結果になるのではないかという懸念もあると言われております。このような懸念に対してはどうお答えになるのでしょうか。

政府参考人(榊原一夫君)

過去三年間、口頭意見陳述において難民審査参与員が立ち会った比率につきましては、平成二十三年九七・六%、平成二十四年九七・五%、平成二十五年九九・一%となっており、高い水準で推移しております。

本改正後の口頭意見陳述実施率についてですけれども、口頭意見陳述を実施するか否かの判断は個々の案件の内容に大きく影響されると思われますし、手続の主宰者となる難民審査参与員が行うため、当局の立場から今後の実施率について推測を申し上げるのは難しい面があると考えております。しかしながら、これまでは、入国管理局職員である難民調査官が審理手続の主宰者であって、難民審査参与員は口頭意見陳述に立ち会い審尋することができるにとどまる地位であったものですが、本改正後は難民審査参与員が公正中立な立場から審理手続を主宰することになりますので、口頭意見陳述の実施を含め、これまで以上の役割を果たしていただけるものと期待しております。

しかも、今回の改正案によれば、形式的に申述書に何らの難民となる事由が記載されていなければ機械的に口頭意見陳述を付与しないということではなく、審理手続を主宰する難民審査参与員が口頭意見陳述の機会を付与することが適当でないと認める場合の判断を行うものとされているものでありますので、委員御指摘のような状況にはならないものと考えております。

糸数慶子君

時間でございますので終わるわけですが、このような難民認定の現状を踏まえると、今、国会で審議中、総務委員会でも今審議中でございますけど、やはり行政不服審査法の整備法、この入管法の難民認定との関係では著しく問題があると言わざるを得ません。これをやはり、先ほど大臣の答弁にもございましたが、出入国管理政策懇談会の議論を始めるとともに、その十分な検討を経た上で、難民制度の抜本的な改革を求めるべきだというふうに思っておりますが、一言、大臣の御答弁いただいて、終わりたいと思います。

国務大臣(谷垣禎一君)

今回の入管法の改正は、行政不服審査法の改正で審理員というのができますね。そうしたときに、難民認定では難民審査参与員制度というのがあって、その関係はどうなるのかということを位置付けを明確にするための改正でございます。ですから、これは、先ほどお答えしましたような、難民認定制度に関する専門部会における議論を制約するものではございません。あの部会の中で、専門部会でしっかり議論していただきまして、難民認定制度の見直しについても、そういった議論を踏まえて検討してまいりたいと、このように考えております。

糸数慶子君

ありがとうございました。終わります。