国政報告

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障害者差別禁止法で質問

6月18日(火)、内閣委員会で障害者差別解消法について質問を行いました。

①合理的配慮の不提供の禁止②差別禁止部会の意見尊重と法案③障害のある女子について④相談・紛争防止のための体制整備、地域協議会⑥6年前の内閣委員会決議-などについて、森まさこ担当大臣に質問しました。

なお、この日は傍聴の方々が多く、第43委員会室で行われました。

糸数慶子君

無所属の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。

障害者差別解消法について、その中の合理的配慮の不提供の禁止についてでありますが、本法律案は合理的配慮の不提供の禁止を規定しております。しかし、第七条二項において行政機関は法的義務とされましたが、第八条二項において事業者は努力義務にとどまっております。それに対しては実効性に懸念の声がございます。

そもそも合理的配慮の不提供の禁止は、過度な負担のある場合は差別にならないという性質のものですから、事業者に対しても法的義務とすることも可能なのではないでしょうか。法的義務としなかった理由とともに、今後の見直しの可能性についてお伺いいたします。

政府参考人(山崎史郎君)

お答え申し上げます。

御指摘の合理的配慮の提供についてでございますが、これは、この本法案作成の過程でも大変な、いろんな議論がございました。その議論の中で、今回におきましては、本法案におきましては、一律に法的義務とする形でございませんで、国や地方公共団体といった公的主体については法的義務を課す一方で、多種多様な事業主体を含んでいます民間事業者につきましては、努力義務という形の上で、ガイドラインにより更にこの取組を推進していくということにしてございます。さらに、これに関しましては、主務大臣が特に必要があると認める場合は報告徴収、助言、指導、勧告といった措置を講ずるという形で実効性を担保しているところでございます。

また、今後の見直しでございますが、本法案の附則第七条に、政府は、本法案の施行後三年を経過した場合において、この御指摘の民間事業者による合理的配慮の在り方を含めたこの法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に応じて所要の見直しを行うと、この旨を規定しているところでございます。

糸数慶子君

ありがとうございました。

今日、たくさん傍聴の方もいらっしゃいます。私、先ほど申し上げましたように、やはり事業者に対しても法的義務とする、そういうことをしっかりやっていただきたい。もちろん、見直しをする三年後のこともございますけれども、しっかりとそのことを踏まえてやっていただきたいということを強く申し上げたいと思います。

次に、差別禁止部会の意見の尊重と法案についてでありますが、障害者権利条約の批准に向けて、この法案に加えて、今国会で既に成立した障害者雇用促進法一部改正案と併せ、法的措置は全て講じたという認識でよろしいでしょうか、森担当大臣に確認したいと思います。

また、昨年九月に取りまとめられました差別禁止部会の意見は本法案成立後どのように反映され、またチェックされていくのでしょうか、併せてお伺いいたします。

国務大臣(森まさこ君)

これまで政府は、障害者権利条約の締結に向け、必要な国内法の整備を始めとする我が国の障害者に係る制度の集中的な改革として、先ほどの江口委員の御質問にも御答弁したとおり、二十三年の障害者基本法、それから平成二十四年の障害者総合支援法の制定に取り組んでまいりましたところでございますので、本法の制定により横断的な課題については所要の措置を講じたことになるものと認識をしております。

そして、もう一つの御質問の方の障害者政策委員会の方でございますけれども、本法案の成立後、第六条に基づく基本方針の作成に当たっては、昨年九月に意見を取りまとめた、差別禁止部会の親委員会に当たる障害者政策委員会の意見を聴かなければならない旨定められております。

さらに、法施行後は、内閣府において、各主務大臣における対応要領や対応指針の運用状況、国や地方公共団体による支援措置の実施状況等を府省横断的に把握するとともに、差別に関する具体的な相談事例や裁判例等の集積を図り、その結果を踏まえ、附則第七条に規定する施行後三年後の法の見直しの検討に生かすことを想定しております。

糸数慶子君

では次に、障害のある女子についてお伺いをしたいと思います。

障害者権利条約には、平等及び差別されないことについて定めた第五条の次に障害のある女子について定めた第六条、障害のある児童について定めた第七条の規定があります。障害のある女子については、差別禁止部会の意見について、国の基本的責務に対して特に留意を要する領域として言及がなされています。

男女共同参画の観点から、この法案に差別禁止部会の意見が反映されるべきと考えますが、この法案のどこに反映されているのか、お伺いいたします。

政府参考人(山崎史郎君)

お答え申し上げます。

本法案におきましても、女性や子供への配慮については大変重要な論点であると認識してございます。その認識の下で、本法案の第七条第二項及び第八条第二項でございますが、そこにおきまして年齢、性別及び障害の程度に応じて必要かつ合理的な配慮を行わなければならないという旨を規定しているところでございます。

したがいまして、これを踏まえ、今後、基本方針やガイドラインの策定に当たりましては、個別に女性や子供に対する配慮について十分踏まえていくというふうに考えている次第でございます。

糸数慶子君

次に、相談及び紛争の防止等のための体制整備、それから地域協議会についてお伺いをします。

先ほども質問ございましたけれども、この法案には、第十四条に相談及び紛争の防止等のための体制整備に関する規定が書かれています。そこで、お伺いいたしますが、この体制整備はいつまでに行う予定でしょうか、また、体制整備は既存の制度を活用して行うのか、あるいは新規の制度を立ち上げるのでしょうか。私は、既存の制度をそのまま活用するより、障害者及びその関係者が相談しやすいようワンストップで相談を受け付け、解決に向けて整備を行う、そのような体制を整えるべきではないかというふうに考えます。体制整備に向けた大臣の所見をお伺いいたします。

国務大臣(森まさこ君)

本法案における紛争の防止や解決を図るための体制でございますけれども、これについては、新たな機関は設置せず、既存の機関等の活用、充実を図ることとしております。そして、その体制の整備については、施行までに図っていくということを目標にしております。

そして、ワンストップで相談をすべきではないかという御質問でございますけれども、障害者からの相談について、地域において障害者差別に関する相談や紛争の防止、解決を図るためのネットワークを構築するという観点からのこの障害者差別解消支援地域協議会で、いわゆる制度の谷間やたらい回しが生じることなく地域全体として障害を理由とする差別の解消に向けた取組が行われることを期待しておりまして、ワンストップで相談を受け付けるという、そういう体制ではまだないのではございますけれども、そのネットワークの中でたらい回し等が生じないように取り組んで行われていくということを期待をしております。

糸数慶子君

この法案の、先ほども質問しました、第十七条から二十条までに障害者差別解消支援地域協議会に関する規定が置かれておりますが、これについては差別禁止部会の意見では触れられておりませんが、地方から何らかの要望などもあったのでしょうか。また、協議会に参加しているいないにかかわらず、協議会を組織したこの区域の地方公共団体の住民はこの協議会で決まったことに拘束されるのかされないのか、確認をしたいと思います。

政府参考人(山崎史郎君)

お答え申し上げます。

御指摘の障害者差別解消支援地域協議会でございますが、これにつきましては、確かに差別禁止部会においてはこういう議論はございませんでしたが、例えば千葉県等におきましてこういう同じような、似た協議会を設定してございまして、いろんな面で地域レベルで、先ほど大臣申し上げましたように、制度の谷間とかたらい回しがないような体制をつくっていくという、そういう大変実績を上げてございます。その中で、今回の法律においてもこういう形の地域協議会を置くという規定を置いたものでございます。

また、この地域協議会自体でございますが、これはあくまでも地域におきます紛争解決、相談のネットワークという観点から、この地域協議会の決定自体は地域住民を拘束するものではございませんが、例えば行政措置の権限を有します行政機関等に橋渡しをしたり、さらに調停、あっせん等の機能を有するいろんな紛争機関の方へ結び付けていくという形で問題の解決を後押ししていくと、そういう機能も想定されるところでございます。

糸数慶子君

次に、六年前の委員会決議についてお伺いをしたいと思います。

参議院内閣委員会は、六年前、障害者権利条約に我が国が署名する前に、障害を理由とする差別を禁止する法制度の整備の促進を求める決議を行っています。この決議に対して、当時の担当大臣からは、決議の趣旨を十分尊重する旨の御発言がありましたが、森大臣はこの決議の存在を御存じでしょうか。

この決議には、障害者やその家族を取り巻く社会経済状況には依然として厳しいものがあり、障害者が地域社会で普通に暮らすことに大きな困難を生じる状況や、障害児とともに暮らす親が、自らが亡き後の我が子の行く末を案ずるという状況が引き続き存在するとあります。この状況は、六年たった今、多少なりとも改善したというふうにお思いでしょうか。

国務大臣(森まさこ君)

平成十九年七月に、本委員会において、障害を理由とする差別を禁止する法制度の整備の促進を求める決議が全会一致で採択され、当時の高市大臣より、その趣旨を十分に尊重して障害者施策の推進に努めてまいりますと発言していることについて、承知をしております。

それからの六年間、障害者基本法の改正、総合支援法の制定など障害者の自立と社会参加に向けた取組がなされてきたところであり、障害者施策は少しずつではありますが前進もあったものというふうに認識をしておりますが、なお現状はまだまだ厳しいものがあるというふうに承知をしております。

この週末も、私、福島県いわき市で障害者を持つ親御さんたちとの会合に参加をいたしましたけれども、やはり同じような、自分たちが亡き後の我が子の行く末を案じるお声、そして雇用の場が非常に少ないというお声がありました。一層取組を強化していくことが必要であるというふうに感じております。

本法案の成立後におきましては、本法案の円滑な施行に向けて、基本方針の作成、そして本法案の広報啓発等を速やかに進めるとともに、本法案の成立を踏まえた新たな障害者基本計画、この策定を行いまして、幅広い国民の皆様の御理解をいただきまして、関係省庁とも連携しながら障害者施策全般の推進に取り組んでまいりたいと思います。

糸数慶子君

大臣は、今ちょうど全国で上映されている映画「くちづけ」、御覧になりましたでしょうか。もしまだ御覧になっていらっしゃらないようでしたら、是非見ていただきたいと思います。これは御覧になった方はお分かりだと思いますが、知的障害者をめぐって実際に起きた事件をベースに、最初は演劇として発表され、そして全国でおよそ二万四千人と言われる観客の涙を誘った映画として今上映をされています。

今上映されておりますので余り中身の詳しい筋書は申し上げませんけれども、本委員会の六年前の決議にある、障害者が地域社会で普通に暮らすことに大きな困難を感じる状況、あるいは、障害児とともに暮らす親が、先ほども申し上げましたが、自らが亡き後我が子の行く末を案ずるという状況が今も存在しているという、それを提示している物語です。障害者に対する差別を解消するために、その中にヒントがあるというふうに思います。是非御覧になっていただきたいと思います。

私、先ほどもいろんな方々からいろんな思いを伺いながら、大臣には是非心を込めて、この法案成立後、施策を行っていただきたいと思います。最後に御決意をお伺いいたします。

国務大臣(森まさこ君)

是非映画を見に行きたいと思います。

私、弁護士時代に、弁護士会の子どもの権利委員会に所属しておりまして、そこで障害を持ったお子さんの問題を取り組んでまいりました。施設等にいるお子さん、それから御家庭で育てているお子さん、どの親御さんもやはり同じように、自分たちが亡き後この子はという思い、それから、お子様が大きくなっていくとともに親御さんも年を取られていきますので、大変な思いをしておられました。

また、そういったそのころの状況と、今はやはりなかなかまだ改善が見られないなという思いを改めて担当大臣になって感じておりますので、この本法案成立後、しっかりとこの法案の施行に向けて全力で取り組んでまいりたいと思います。

糸数慶子君

ありがとうございます。終わります。