国政報告

議事録議事録一覧へ

女性手帳に問題あり

第183回国会 2013年5月9日 参議院内閣委員会(予算委嘱審査 15分)

5月9日、内閣委員会の委嘱審査で、森まさこ少子化・男女共同参画担当大臣に①クオータ制度②女性手帳問題について質問しました。

女性手帳については、国が少子化対策として女性の出産計画や体調管理に関与しようとするもので、リプロダクティブヘルス・ライツ(性と生殖に関する健康と権利)の侵害であり、大いに問題があることを指摘しておきました。

また、「少子化を招いていている社会システムの根本を考えていない」、「女性が安心して子どもを産める環境を作っていくことが大事」「非正規雇用を減らし経済的安定を」などの市民の意見を紹介しました。

なお質疑の後半では、①日台漁業協定と沖縄の漁民の要望②辺野古新基地建設問題について、水産庁と防衛省に質問しました。

糸数慶子君

無所属の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。

まず、クオータ制の検討と女性の政治参加促進のためのガイドブックの活用について森大臣にお伺いをしたいと思います。

四月二十六日、政権交代後初めての男女共同参画会議が開かれました。男女共同参画会議で配付された資料で、IPU、列国議会同盟のその調査を基に辻村みよ子議員が作成されました世界の女性下院議員比率のランキングと選挙制度、クオータ制について、その資料によりますと、今年の二月一日現在の日本の女性議員の割合が七・九二%で、百九十か国中百六十三位と更に後退したことが分かりました。

女性議員の比率が高い国は法的クオータ制あるいは政党の自発的クオータ制を取っています。女性の参画が最も遅れている政治分野で実効性のある施策を打ち出すべきだと考えますが、再度クオータ制について検討されるお考えがあるか、伺います。

加えまして、国連開発計画、UNDPが昨年三月に、政党をより強くするための女性のエンパワーメント・女性の政治参加促進のためのガイドブックを発行し、今年の三月に内閣府がこれを仮訳し、UNDPのウエブサイトでも公表されています。それによりますと、約五十か国が候補者クオータ制に関する法律を採択しており、別の三十か国の数百の政党が女性について政党自身のクオータ制を自発的に採択しているということであります。また、議会の中に女性議員の数が多いほど議会が女性の問題を取り上げ、議院での男女の力学を変える傾向が強いと述べています。

森大臣、法改正や新たな仕組みをつくることも大事ですが、せっかくこのようなガイドブックをツールに各政党へ、内閣府が訳して示唆に富む内容が書かれているのですから、このようなガイドブックをツールに各政党へ働きかけること、有意義で効果的だと思いますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。

糸数委員の御提案の働きかけ、既に私、行わせていただきました。

政党をより強くするための女性のエンパワーメント・女性の政治参加促進のためのガイドブックという国連開発計画、UNDP作成の内閣府が訳を付けたものを各政党幹事長に、四月二十五日から始めまして、それぞれ日程が合うときにお届けをし、幹事長と御意見を交換をしてきたところでございます。

社会のあらゆる分野において指導的地位に占める女性の割合を二〇二〇年までに少なくとも三〇%程度とする政府目標、この達成が政治分野において、その緊要性が高いにもかかわらず、特に国会議員に占める女性の割合が非常に少ないということ、その差はまた各国と比べて拡大傾向にございますので、各党幹事長の方に訪問をいたしまして、そしてこのガイドブックを手渡しまして、党員、役員に占める女性割合や、それから衆議院議員、参議院議員の選挙における女性候補者の割合、また地方公共団体の議会の選挙における女性候補者の割合が高まるように各政党でポジティブアクションを導入していただけますようにというようなお願いをして、諸外国の事例をガイドブックに書いてありますので参考にしていただきたいとお願いをしたところでございます。

なお、法律でクオータ制を義務付けることについては、男女共同参画会議基本問題・影響調査専門調査会報告書、二〇一二年の十二月でございますが、憲法上の平等原則等との関係で慎重な検討を要すると整理されているところでもありますので、それを参考にしながら、今後も前向きに様々な取組を進めてまいりたいと思っております。

糸数慶子君

実際に、今いいガイドブックができたわけですから、具体的にそのことがしっかりと実行されて女性議員が増えていくということを、私も女性議員としてしっかりと増やしていくような努力をしてまいりたいというふうに思っております。

それから次に、先ほど蓮舫議員もお聞きになっていらっしゃいました。実は、この少子化を招いている社会システム、これは、先ほどの議論をお伺いいたしますと、今月の五日付けの産経新聞で、政府が少子化対策の一つとして、女性を対象に、これ仮称ですけど、女性手帳の導入を検討していることが明らかになったということで、これ医学的に三十代前半までの妊娠、出産が望ましいことなどを周知して、晩婚あるいは晩産に歯止めを掛ける狙いだというふうに紹介がされているわけですけど、先ほどの議論を伺っている範囲では、私が伺っていこうとしていること、なかなか先に進まないかなという感触を抱きました。

私、今年三月二十一日の参議院のこの内閣委員会で少子化を克服いたしましたフランスの様々な施策を御紹介して、日本の女性たちの出産から子育てのニーズについて森大臣の御認識を伺いました。もし、この女性手帳を少子化対策として考えていらっしゃるのであれば、やはり出産計画や体調管理、これは政府が関与すべきではない。あるいは、先ほどもありましたが、性と生殖に関する健康と権利の侵害だという、つまりリプロダクティブヘルス・ライツ、これに関する女性たちの声というのは、今かなりこのことが進んだら大変だという懸念も実はいろんな女性たちから伺っております。これは、少子化は女性たちの知識がないからではなくて、やはりこの少子化傾向というのは、社会のシステム、それがやっぱり問題であるということです。

改めて森大臣の、少子化を招いている社会システムに対するその認識、そしてこの女性手帳への御認識をお伺いしたいというふうに通告はしておりましたけれども、先ほどの状況を伺いますと、やはり私が求めている、あるいはまた、これから進んでほしいなという分野にはまだまだその議論が深まっていないという感じがいたしましたので質問を取り下げたいと思いますけれども。

ただ、やはり産経新聞の報道の中にもございましたけれども、これ内閣府は経済事情などを理由になかなか結婚に踏み切れない状況の改善に取り組む方針で、新婚夫婦への大胆な財政支援に乗り出すとも書かれているわけですが、これをきちんとやれば手帳は必要ではないとか、あるいはその手帳に対する疑問は残るということも書かれています。

ネットでは、女性イコール子供を産むものとして一律に手帳を配付するということに対するセクシュアルマイノリティーや、それから生殖機能を失った人などのことを考えていないというその反発もあるわけでして、大臣とそれから蓮舫委員の先ほどの質疑のやり取りを伺いましたら、やはり私たち女性たちが望んでいること、これ社会システムをきちんとしていただいて、女性が子供を産めるような環境をもっとつくっていく、そして正規雇用、非正規雇用に対するやはり国の対応の在り方、そのことが大きな課題だと思っておりますので、まだまだこれは議論していくべきだというふうに思います。

この質問に関しては取下げをさせていただきまして、次の質問に移りたいと思います。

次に、質問させていただきます。

質問がちょっと順序入れ替わりますけれども、まず、日台漁業協定でこの沖縄の漁民のことを今政府がどのような扱いをしようとしているのか、お伺いをしたいと思います。

今、日台漁業協定の締結について、政府の見解を改めてお伺いをしたいと思いますが、沖縄県を始め県の漁業関係者の全てが、日本と台湾との間で交わされた漁業協定の見直しを求めています。尖閣諸島周辺の漁場は沖縄の漁民の生活の場であるにもかかわらず、今政府は頭越しに協定を結んでおりますが、政府は見直しにこたえようとはしておりません。沖縄の漁業の関係者からも随分政府に対して見直しをするようにしておりますけれども、この沖縄の漁民の漁場をどのように守っていくつもりなのか、そして漁獲高をどのようにすれば確保できるようになるのか、より具体的にお答えをしていただきたいと思います。

政府参考人(須藤徳之君)

水産庁資源管理部長の須藤でございます。

ただいま糸数先生から御質問がございました日台漁業取決め、今回の取決めにおきましては、漁業実態が複雑であり、かつ日台双方が強い関心を有する海域を適用水域に設定するとともに、日台漁業委員会というものを設置しまして、海洋生物資源の合理的な利用や操業秩序の維持を図るための具体的な措置を協議することといたしてございます。これらによりまして、漁業実態が複雑な当該海域におきまして、海洋生物資源の適切な保存、利用や操業秩序の維持を図るための足掛かりが得られたものということを評価してございます。

一方、今回の日台漁業取決めの内容につきましては、沖縄の漁業者を始めとする関係者の方々から強い反発が出ているということを重く受け止めてございます。このため、日台漁業委員会での操業ルールなどに関する協議においては、農林水産省といたしましても、地元の漁業者の方々の声を受け止めまして、しっかりとした協議がなされるように対処してまいりたいと考えてございます。

また、適用水域の外縁におきまして、重要漁場に漁業取締り船を集中的に配備いたしまして、我が国漁業者の操業に支障がないよう厳正に対処するとともに、台湾漁船の違法操業の根絶に全力を挙げて取り組んでまいります。

今後とも沖縄の漁業者を中心といたします関係者の方々の、皆様方の御意見に誠意を持ってお聞きし、誠意を持って私ども説明をしながら、皆様方の、関係者の方々の御要望にも誠意を持って対応していくという考えでございます。

以上でございます。

糸数慶子君

だいま誠意を持って対応していくとおっしゃいますけれども、誠意を持って対応していない結果が事実上、今起こっておりまして、残念ながら、この沖縄の漁民の思いというのは政府に届いていない、そのことをはっきり申し上げたいと思います。

次に、普天間飛行場の移設に関することでありますが、辺野古移設を、私は、結論からいいますと断念をしていただきたいというふうに申し上げたいと思います。

つまり、この辺野古移設に関しては埋立て承認申請書が出ております。普天間飛行場の移設問題についてでありますが、日米両政府は普天間飛行場の代替施設を名護市辺野古に建設できるというふうに本当にお考えでしょうか。日米両政府が合意したからといって県民の民意を無視することは絶対にできないというふうに思います。

地元の沖縄タイムスと、それから琉球朝日放送、このテレビ局は、普天間の返還合意から今年四月で十七年目を迎えたわけですが、その十七年を迎えるに当たり、四月初めに世論調査を行っています。何と、名護市辺野古移設については、反対が七四・七%に達しております。賛成は僅か一五・〇%にすぎないのですが、この反対のパーセンテージは昨年の同時期に沖縄タイムスと朝日新聞が行ったこの世論調査の結果を明らかに上回っています。昨年は、反対は六六%、賛成は二一%でした。この反対の七四・七%の数字は大変大きな数字であり、県民の四人に三人が反対をしている実態にあります。新たな軍事施設など建設できるわけがないというのが県民の思いであります。この民主主義の国において、四人に三人が反対してどうして建設が可能なのでしょうか。これ、改めてお伺いをしたいと思います。

政府参考人(山内正和君)

お答えを申し上げます。

普天間飛行場は宜野湾市の中心部に位置し、周囲には住宅や学校などが密接し、その固定化は絶対避けなければならない、このことにつきましては政府と沖縄県との共通認識であろうかと思っております。

この普天間飛行場返還のための現行の辺野古への移設計画は、昨年四月の2プラス2共同発表におきまして唯一の有効な解決策であるとの認識を再確認しており、また先般の日米首脳会談や日米防衛相会談におきましても、改めて現行計画を早期に進めることで認識の一致を見たところでございます。

先生御指摘のように、普天間飛行場の辺野古への移設につきまして沖縄に厳しい声があることは重く受け止めておりますけれども、他方、一日も早い返還が実現できるよう、政府の考え方を丁寧に説明しながら、沖縄の皆様の御理解を得るために一歩一歩今後とも努力してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

糸数慶子君

時間もありませんので、一言だけ申し上げたいと思います。

先ほどの日台漁業協定といい、ただいまの普天間の基地の辺野古への新設といい、残念ながら、幾ら丁寧に御説明をして御理解を求めますというふうにおっしゃっても、この政府の見解、残念ながら沖縄の県民に私は通用しないと思います。民主主義国家であるならば、どうして民意を尊重しないのか大きな疑問点が残りますが、この議論はまた続けさせていただきたいと思います。

以上です。