国政報告

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4・28は「屈辱の日」

第183国会 2013年3月21日 参議院内閣委員会 (大臣所信質疑 30分)

3月21日(木)、内閣委員会の大臣所信質疑で、菅義偉官房長官には「4・28主権回復」式典問題、森大臣まさこ男女共同参画担当大臣には諸問題について質問しました。

4・28は沖縄にとって米軍統治下に置かれた「屈辱の日」であり政府は式典を中止すべきであると問いただしたのに対し、菅長官は「沖縄には配慮している。お祝いの式典ではない」と答弁しました。

森大臣には、①少子化対策②家族の法制に関する世論調査③ポジティブ・アクション(クオータ制度)④児童ポルノ問題⑤性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの設置促進の5点について質問しました。

ポジティブ・アクション問題では、森大臣は政治面ではなく民間での取り組みの報告に終始し、3度も再質問することになりました。選択的夫婦別姓問題では政府の世論調査のデータをもとに、若い世代の意見を受け止めていくよう要望しました。

糸数慶子君

無所属の糸数慶子です。どうぞよろしくお願いいたします。

男女共同参画関係から、まず少子化対策について森大臣にお伺いしたいと思います。

これからの若い世代が家族を形成し、子育てに伴う喜びを実感できると同時に子供たちにとってもより良い社会を実現するため、全てのステージで切れ目なく支援すること、そして家庭や地域における育児の支援など、総合的な子育て支援を推進することが重要だと所信で述べていらっしゃいます。

なぜ女性たちが子供を産まなくなったのか、若い世代が子育てに希望が持てなくなったのか、しっかりと分析し、ニーズにこたえなければ有効な対策を講ずることはできないのではないかというふうに思うわけです。

二〇〇五年に出生率が一・二六と過去最低を記録したことが翌年公表されました。いわゆる一・二六ショックですが、最もショックを受けられたのは当時の安倍官房長官だったのではないかというふうに思います。その直後に政府は新しい少子化対策を発表いたしました。子育て支援、それから働き方の改革、国民運動の推進の三つを柱にして、家族、地域のきずなを再生させ、社会全体で子供を、それからその命を大事にする国民運動を推進するというふうに意気込んでおられましたが、女性たちのニーズにきちんとこたえていたのかは疑問でございます。

当時、少子化を克服されたとされるフランスの子育て支援が注目されました。フランスでは、出産費用は基本的に無料で託児システムも充実しています。日本のパートやアルバイトのような不安定雇用はほとんどなく、労働者の九割が正規雇用で、正規労働で、非正規労働者であっても給与や社会保険について正規労働者と差別してはならないと法律で定められています。さらに、手厚い家族手当や児童手当があり、働く親が育児と仕事をてんびんに掛けないで済むように、有給休暇あるいは育児休業手当の制度を使い勝手の良いものにして改善している状態です。それらが出生率の上昇につながったと言われておりますが、女性が自分の生き方を自分で選べるように支援しているのがフランスの政策というふうに言えると思います。

日本とはいずれも対照的だと思いますが、森大臣は、日本の女性たちの出産それから子育てのニーズ、どのように認識していらっしゃるのか、お伺いいたします。

国務大臣(森まさこ君)

第一次安倍内閣におきまして、先ほどの安倍官房長官時代のお話をいただきましたが、その後の第一次安倍内閣におきまして少子化社会対策会議を、会長を総理として全閣僚で構成して決定をいたしました。そして、子どもと家族を応援する重点戦略というのを持ちまして様々な施策を打ち出しております。

例えば、出産費用の負担軽減ということで、これはその後三十八万円から四十二万円に増額されました。また、出産育児一時金の支払手続の改善という項目もありまして、当時は出産費用が、産婦人科に行きますと、私のころなどは前払でありまして、病院で自分が支払って出て、その後国の方に請求しなければいけなかったんですが、その後、直接支払制度というふうに改善をされてきました。

このように、今少しずつ改善をしたことによって合計特殊出生率が一・三九ということで微増はしておるんですが、まだまだ超少子化社会というところから抜け出せておりません。

委員御質問の、そのニーズの分析でございますが、二〇一一年の少子化社会に関する国際意識調査によりますと、日本女性が希望する子供の数になるまで子供を産まない理由又は産めない理由、希望する子供の数は、実は結婚している夫婦では二人以上を希望しているんですけれども、今一・三九。その理由というのが、一番目が子育てや教育にお金が掛かるから、二番目が自分又は配偶者が高年齢であるから、三番目が働きながら子育てできる職場環境がないというのが挙げられております。これらそれぞれについて、その阻害要因を除去していく、解消していくことが重要であると認識しております。

そのため、所信表明でも述べましたように、就労継続を希望する女性が出産や子育てのために仕事を辞めなくてもよい社会、又は出産や子育てで一旦お仕事を辞めた女性も、その後円滑に仕事に復帰できる社会が実現できますように柔軟な働き方を選択できるワーク・ライフ・バランスが実現する社会を整備してまいりたいと思っております。

糸数慶子君

ありがとうございました。

この課題を一つ一つ、是非おっしゃったとおりに実現をしていただきますようにお願いしたいと思います。

それから、家族の法制に対する世論調査についてお伺いをしたいと思います。

二〇一〇年の四月六日の参議院法務委員会で、当時法務委員でありました森大臣は、やはり国民のほとんどが選択的とはいえ夫婦別姓については反対の方が多いという中で、もっと議論を煮詰めてからそういった改正というものについては取り組んでほしいと、私は元々夫婦別姓には反対でございますが、賛成でも反対でもいろんな意見を聞いていただきたいというふうに、当時の法務委員であった森大臣は質問されています。

森大臣には、是非ともいろんな意見を知っていただくという必要があるというふうに思っておりますが、委員の皆様にはお配りをいたしました資料を見ていただきたいと思います。

この資料の中には、内閣府は選択的夫婦別姓について、ほぼ五年ごとに世論調査をしております。これから新しい家族をつくっていく年齢層の、まず二十代、それから三十代の若い世代の意見はとても重要だと思いますが、特に改姓を望むとそれから望まざるにかかわらず、結婚改姓をしている女性たちは圧倒的に選択的夫婦別姓を容認しています。男女とも反対は六十歳以上ですが、六十歳以上の人に反対が多いから必要ないということでは、若い世代をないがしろにしていると言われても仕方がありません。

森大臣は、この若い世代の意見をどのように受け止められているのでしょうか、お伺いいたします。

国務大臣(森まさこ君)

今回の家族の法制に関する世論調査の結果については、確かに年代別、国民それぞれの立場によって様々な意見があることが示されたものと受け止めております。若い世代の方が選択的夫婦別氏制度導入を容認する割合が高いという委員の御指摘についても、様々な立場からの意見の表れとして、この世論調査の結果を見る際の着眼点の一つになり得るものと考えております。

若い女性の御意見を私聞いておりますと、仕事をしたり、それから学術研究の発表などをするときに、旧姓のまま使用することがなかなかできなかったり、また海外で旧姓のまま活動してきたものが、姓が変わることによって、そこでキャリアが中断してしまったりというような困難があるということをお伺いしてまいりました。そのようなこともこの結果に表れているのかもしれません。

ですので、その原因のところをしっかりと見て、私が法務部会長の際に検討していた案は、旧姓の使用を社会的に拡大するような制度を考えておりました。現在、自民党の中でもその案が議員立法として提出することを検討されているようでありますので、そのような各党の中の御意見も伺いながら、また進めてまいりたいと思います。

糸数慶子君

若い方々の意見が圧倒的に多いということを先ほども申し上げましたけれども、是非、政策の中で、このことも含めて前向きに取り組んでいただきたいということを要望したいと思います。

それから、今回、私、男女共同参画社会についてのとりわけお伺いをしたいことについてでありますが、ポジティブアクションについてであります。

IPU、列国議会同盟が三月五日に、世界各国の国会議員に占める女性の割合が二〇一二年に初めて二〇%を突破したと発表いたしました。女性への議席割当て制度、いわゆるクオータ制でありますが、それが効果を上げたということです。昨年選挙を実施した四十八か国のうち、フランスや韓国など二十二か国でクオータ制が実施されていました。クオータ制が法制化されている国では平均二四%、自発的に実施された国では二二%だった一方で、実施されていない国では一二%と低い数値にとどまっています。

特に日本の国会議員の女性の割合は低く、昨年十二月の総選挙では、衆議院議員四百八十人中女性は三十八人にとどまっています。これは前回の一一・二五%から七・九%に後退しておりますが、昨年十月に世界経済フォーラムが発表したジェンダーギャップ指数が百三十五か国中何と百一位でありました。国会議員や関係の閣僚の女性の割合が極端に低い政治分野は百十位と厳しい評価を受け、総合指数を下げています。

IPUヨンソン事務総長によりますと、女性議員の割合が三〇%を超えると立法過程におきましても女性の影響力が及ぶという研究結果があるようですが、森大臣は所信で、指導的地位に占める女性の割合を二〇二〇年までに三〇%程度とする政府の目標達成に向けた取組を強力に推進してまいりますとおっしゃっていますが、女性の声がなかなか反映されない日本の政治状況を変えるためにクオータ制は鍵になると思いますが、大臣の御認識をお伺いしたいと思います。

国務大臣(森まさこ君)

社会のあらゆる分野において、指導的地位に占める女性の割合を二〇二〇年までに少なくとも三〇%程度とする、この政府目標は、福田康夫元総理大臣が男女共同参画担当大臣をなさっていたときに設定した目標だと伺っております。この政府目標の達成に向けた取組を推進することは極めて重要であると認識しております。

そこで、まず隗より始めよということで、私が閣議後の閣僚懇談会におきまして各大臣に向けて女性国家公務員の登用の積極的な取組をお願いをいたしまして、通信簿と申しますか、各省庁ごとの女性官僚、女性国家公務員が何%いるか、採用を何%しているか、それから課長、室長の指導的地位に何%いるか、それから審議会に何%いるかということを一位から最下位まで順位を付けて配付をさせていただきました。各大臣が大変積極的に、これはこの数字を上昇するために頑張ると言っていただいたところでございます。そうやって霞が関の努力をしてから経済団体や個別企業に働きかけを進めていこうと思っております。

また、安倍内閣におきましては、個別企業における役員や管理職への女性の登用状況を外部に公表するという見える化を推進しておりますし、なでしこ銘柄として東証一部上場企業の中から女性人材の活用を積極的に進めている企業十七社を選定するなど投資家に情報発信を行いましたり、女性の起業、創業支援として起業家に三分の二まで助成するなど、様々な女性の活躍のための予算を計上しているところでございます。

糸数慶子君

私は、先ほど申し上げましたように、女性の声が政治の中でなかなか反映されていないというその実態があるわけですが、クオータ制について具体的に大臣が思っていらっしゃること、そしていつごろまでにこのことをきちんと実現していくつもりでいらっしゃるのか、そのことを改めてもう一度お伺いしたいと思います。

国務大臣(森まさこ君)

御質問は、法律等でクオータ制を義務付けることについて聞いていらっしゃるのかもしれませんが、クオータ制については様々な方法がございます。

法律等で定めることにつきましては、民主党政権下の専門部会、これは正式名称が男女共同参画会議基本問題・影響調査専門調査会、こちらにおきまして憲法上の問題点を議論され、二〇一二年十二月に取りまとめをされているところですが、そこでは、法令でクオータ制を義務付けることについては、憲法上の平等原則や経済的自由権との関係で慎重な検討を要するというふうな取りまとめがなされております。これも参考にしつつ、女性の積極的な活用に向けて様々な前向きな取組を進めてまいりたいと思っております。

糸数慶子君

私は、先ほどから申し上げておりますように、森大臣の所信の中に、指導的地位に占める女性の割合を二〇二〇年までに三〇パー程度とするというその政府の目標達成のために取り組んでいきますというふうにおっしゃっていらっしゃいますので、それを具体的にいつごろまでに、どういうふうな形でこのクオータ制をやっていけるというふうに考えていらっしゃいますかということをお伺いしているわけです。

具体的にどういう形で取り組んでいくおつもりなのかということを、改めてもう一度お伺いしたいと思います。

国務大臣(森まさこ君)

御存じのように、二〇二〇年までに三〇%という目標を、大目標を定めて、それに基づいて各業界ごとの小目標と申しますか、それを定めております。それについて毎年度検証をしながら各界に要請をしているというところでございます。そして、今年要請に行くに当たって、私ども足下の霞が関の状況についてまた各大臣に確認をし、私のところでは、私になりましてからの採用、登用、審議会の女性の割合は全て増加をさせております。

そういうことで、これから各業界に、各業界ごとの設定目標に向けた取組の状況をお伺いし、また更なる努力をお願いに参るということになっております。

糸数慶子君

では、次に参ります。

児童ポルノの問題についてでありますが、警察庁が今年の今月七日に、二〇一二年の児童虐待及び福祉犯の検挙状況を公表しています。それにおきまして、児童虐待、児童ポルノの総検挙数が過去最多を記録したことが分かりました。

検挙された四百七十二件の児童虐待のうち、身体的虐待の三百四十四件、性的虐待の百十二件、心理的虐待の六件がいずれも最多となりました。

児童買春・児童ポルノ禁止法違反の検挙件数は二千二百九十一件で、前年より六件減っています。これは、年々減少している児童買春が前年の八百四十二件から六百九十五件に減少したため総数を引き下げたもので、児童ポルノは増加が著しく、前年の千四百五十五件が千五百九十六件となり、過去最多を記録しております。

民主党政権下で第三次男女共同参画基本計画が策定されましたが、性暴力や児童ポルノに関する記述は策定過程で大きく後退した経緯があります。性犯罪への対策、性・暴力表現への対策、子供への性暴力の根絶のそれぞれの具体的な取組について、表現の自由を十分に尊重した上でという記述が盛り込まれましたが、性暴力や児童ポルノの根絶の動きに逆行するのではないかと女性団体から懸念する声が上がっていました。特に、児童ポルノについては、当初あった児童ポルノの根絶という記述が児童ポルノ対策の推進と後退し、児童ポルノの根絶という表現がなくなりましたが、有効な規制が講じられていないために毎年記録を更新するという不名誉な実態になっています。

児童ポルノ根絶に向けた大臣の決意をお伺いしたいと思います。

国務大臣(森まさこ君)

児童ポルノは、児童の性的搾取、性的虐待の記録であり、児童の権利を踏みにじる断じて許し難い行為でございます。

この表現の自由との関係で、民主党と自民党の間にも議論がございました。当時、私が法務部会長で取りまとめました児童ポルノ禁止法案も提出しましたし、民主党さんから表現の自由に配慮した法案も出されましたが、なかなか国会の中で審議をされず、双方廃案になっております。

私、当時の法務部会長としてアグネス・チャン日本ユニセフ協会大使ともお会いをして意見交換をさせていただきましたが、自民党の当時の法案は高く評価をしていただいておりました。現在も自民党でこの法案の提出の準備をしているところでございますので、そのような与党の状況も見守りながら、更なる児童ポルノ排除に向けて全力を尽くしてまいりたいと思っております。

糸数慶子君

次に、性犯罪、性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの設置についてお伺いをしたいと思います。

ワンストップ支援センターは、性犯罪・性暴力被害者に対して、心理的サポート、医療支援、警察の捜査等の総合的な支援を可能な限り一か所で提供することにより、被害者の心身の負担軽減及び警察への届出促進を図るものであり、性犯罪被害者の迅速かつ適切な支援のためには支援センターの全国的な設置が急務であると考えます。

十一月に行われました共同通信の都道府県アンケートの結果によりますと、ワンストップ支援センターを設置しているのは北海道、東京、愛知、大阪、佐賀の五つの都道府県で、宮城、福島、栃木が設置を検討していると回答したものの、三十九府県が未設置となっております。未設置の主な理由としては財政不足が掲げられており、既に設置しているワンストップ支援センターについては、東京、大阪、北海道は民間が運営しているため、運営費の大半を寄附金で賄うことになり、財政状況が非常に厳しいという現状があります。

私は、この問題に関して、昨年の十一月二十六日に性暴力被害者救援センター大阪、SACHICOを視察し、ウィメンズセンター大阪でレクチャーを受けてまいりました。その後、沖縄県でも前倒しで設置したいという動きがございます。

昨年十一月、私は質問主意書も提出しておりますが、主意書で国による財政支援の必要性についてお伺いいたしましたところ、今後検討してまいりたいという答弁書をいただきました。その後の検討状況はいかがでしょうか。国からの財政支援の必要性について、森大臣の御所見をお伺いいたします。

政府においては、昨年五月にワンストップ支援センターの開設・運営の手引を策定しておりますが、全国的な設置をより一層促進するために、今後、政府としてはどのような取組を行っていくおつもりでしょうか、併せてお伺いいたします。

国務大臣(森まさこ君)

性犯罪、性暴力被害者というのは、なかなか相談に行きにくい、そういう状況にございますので、ワンストップ支援センターの設置というのは大変重要な問題だと思っております。地域の実情に応じて、被害者に対する継ぎ目ない支援を確保し、ワンストップ支援センターの設置を促進する環境がつくられることが重要だと認識しております。

そこで、地域の男女共同参画センターの相談員等を対象とした研修を引き続き実施することとし、また、平成二十五年度予算として、性犯罪被害者支援に関し、地域における取組例に関する調査費用を要求しております。

というのが事務方が書いてきた案でございますが、私もこれを聞いたときに、ワンストップ支援センターの予算がないのというふうに、委員と同じような質問を事務方にしたところですが、私の努力不足で今回の補正と二十五年度に設置のための予算ができませんでした。研修と調査のみでございます。

ただ、今、ほかに使える予算、様々な交付金等を探しまして、そして、委員が先ほど御指摘くださいました、ワンストップ支援センターを設置するという意向を示している自治体に対し、財政難ということを理由に挙げている自治体に対して相談に乗って、設置できるように今事務方に指示して進めているところでございます。

糸数慶子君

残念ながら財政的な支援が今具体的にないというところでありますけれども、沖縄におきましても、性犯罪に関する、とりわけ米軍の所在するために起こってくる性犯罪、あるいはまた民間でのそういう性犯罪に対する取組、県も前倒しで行っていこうという動きもございます。是非、財政措置をよろしくお願いいたしまして、次、菅官房長官にお伺いしたいと思います。

先ほどからお話を伺っておりますと、四・二八、主権回復の日についてでございますが、この件に関して沖縄に屈辱の日があるということを御存じでございましょうか。安倍総理が、今年から政府主催の式典を開催するという主権回復の日について、開催理由は、主権を失った七年間の占領期間があったことを知らない若い人が増えている、日本の独立を認識する節目の日だとおっしゃっていますが、では、もっと増えている沖縄の二十七年間の米軍統治を知らない若い人や多くの国民にはこの屈辱の日を共有する取組が必要だと考えますが、官房長官の見解をまずお伺いしたいと思います。

国務大臣(菅義偉君)

総理の発言について今言及がありました。

我が党として、これ選挙戦の、選挙の政策集の中にも、この四月二十八日、サンフランシスコ平和条約に参画をして、そういう中で主権が回復し国際社会に復帰をした、ある意味では記念すべき日だというふうに思っています。そして、このことによって主権を回復することができて、奄美、小笠原、沖縄の返還についてもアメリカとある意味で主権国として交渉することができたというふうに思っております。そういう中で、今後、我が国の未来を切り開いていく決意を確固たるものにするための式典という位置付けをさせていただいているところであります。

また、同時に、今委員から話がありましたけれども、この式典に当たっては、沖縄がさきの大戦において悲惨な地上戦を経験をしたこと、また、この条約発効後も、奄美、小笠原、沖縄が我が国の施政権の外に置かれていたという苦難の歴史を忘れてはならないということを私たちは常に考えていかなきゃならない。また、沖縄知事のコメントもありました。複雑な感情だということもありました。そうしたものをしっかり受け止めて、苦難を耐え抜かれた先人の心情に思いをめぐらしながら、沖縄の方々の抱える基地負担軽減、こうしたものについて取り組むとともに、やはりこの奄美、小笠原、沖縄の皆さんを含め、我が国の未来をこれから切り開いていくためにやはりこの式典は必要だという形の中で、私たちは式典を開催をさせていただくということであります。

それと同時に、沖縄復帰につきましては、節目節目に、私ども自民党政府時代、また昨年も、民主党政権下においても昨年は沖縄復帰四十年の式典を開催をされました。私どもの政権のときにも三十年、あるいは二十五年、二十年と節目節目に沖縄復帰を国民の皆さんで共通の思いとしての式典も開催をさせていただいてきたところであります。

糸数慶子君

先ほどの芝委員の質問にも官房長官お答えでございましたけれども、沖縄の苦難の歴史に寄り添うというふうにおっしゃっていらっしゃるんですが、この苦難の歴史に寄り添うというのは、結果としてオスプレイを配備し、これ県民は望んでいませんけれども、オスプレイを配備し、辺野古にその新基地を押し付けていく、これが沖縄の県民の歴史に寄り添うことなんですか。

国務大臣(菅義偉君)

私たちは独立した国として、また、沖縄の皆さんのそうした基地負担軽減の思いを真摯に受け止めながら、しっかりと対応させていただきたいと思います。

糸数慶子君

苦難の歴史を受け止めると片っ方でおっしゃりながら、負担の軽減を図るとおっしゃりながら、片っ方では改めてまた基地を押し付けていくという、この構図というのは大変県民としては不満であります。

主権を回復したのは日本の国ではありますけれども、日本の国の未来を切り開くためになぜ沖縄県民は犠牲にならなければいけないのかというのが県民の素直な感情であります。沖縄を切り離して回復したはずの日本の主権というのが今具体的にはどうなっているのか、大変大きな疑問を持ちます。

米海兵隊の輸送機のオスプレイは、今、安倍総理が言う美しい国、この日本の国の上空も飛び始めています。今や日本の沖縄化がいわゆるこの日本全体に広がっていこうとしておりますけれども、外国の軍機が飛び交う現実を目の前にして、これが主権国家である、独立国家である日本の国の姿なんでしょうか。

二〇〇四年の、米軍のヘリが沖縄国際大学に落下いたしました。県警が米軍に締め出されて、その現場に近寄れないという、これが主権国家の実態ですか。主客転倒の事態が実際に沖縄では起こっているわけです。米軍普天間飛行場のその問題やオスプレイの配備に象徴されるように、日本政府の対米追随のこの姿勢というのは余りにもふがいないとしか言いようがありません。

四月二十八日の日本の実態は、私たち沖縄県民にとっては屈辱の日以外にないというふうに思っております。それでも、改めてこの屈辱の日を祝うという、そういうことであれば、沖縄県民にとりましては、この二度目の屈辱の日を本当に県民全体で祝う気にはなれないというのが県民の思いであります。

改めまして、官房長官の違う視点での沖縄県民へのメッセージがありましたら、お聞かせください。

委員長(相原久美子君)

時間が来ております。端的にお願いいたします。

国務大臣(菅義偉君)

安倍政権として、この祝うという言葉は実は使っておりません。主権を回復をし、国際社会に復帰をしたという、この原点に立ち返って、これから、今後私ども日本が歩むべき道を国民の皆さんとともに考えていくことは極めて私は大事なことだというふうに思っておりますし、沖縄県民の皆さんの思いにもしっかり寄り添う形の式典にさせていただきたいと思います。

糸数慶子君

終わります。