国政報告

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雇用対策で要請

第183回国会 2013年2月26日 参議院内閣委員会(企業再生支援機構法改正 10分)

2月26日(火)、内閣委員会で「企業再生支援機構法」について、甘利明経済再生担当大臣に質問しました。①支援決定が行われていない原因②支援対象事業者を中小企業に重点③事前相談の態勢-の3点をただし、中小企業金融円滑化法の延長と雇用対策について要請しました。

補正予算関連で、第183回国会の初質問でした。

糸数慶子君

無所属の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。

昨年の三月三十一日に、企業再生支援機構の再生支援の決定期限を原則として今年の三月末までに延長する法律が施行されましたが、決定期限の延長後、機構が行った支援決定は三件しかありません。しかも、昨年四月十二日の決定後今日に至るまで、十か月以上も支援決定が行われておりません。事前相談から支援決定まで実務上おおむね二か月程度とされており、これまで機構が行ってきた支援決定の間隔を見ても、最長は四か月余りです。

やはり現在のこの状況について、何か原因があるのではないかと考えざるを得ません。機構が業務の執行について何か方針を改めたからなのか、あるいは現行法上の事業再生支援の手法を現在の経済状況において運用できなくなったのか、機構の支援決定が行われていないその原因について政府の見解をお伺いいたします。

政府参考人(三井秀範君)

お答え申し上げます。

昨年四月の支援決定期限の延長をして以来、機構は中小企業の再生支援に係る体制を強化をするということで改めました。その上で、各地域に連携などの働きかけを実際に職員が全国各地赴いて働きかけるなどの取組を始めたというところでございまして、その後、昨年十二月までに二百九十件の相談を受けたというふうにお聞きしてございます。このうち十九件については、支援決定に向けた調査などの実務上の調整を実施中であるというふうにお伺いしています。

その実際支援決定に至っていない理由は何かという御質問でございます。

その個々の中小企業の置かれております状況は様々でございまして、なかなか一概に原因を申し上げることは困難とは存じますが、その中でも、支援期間が三年間に限定されているといった点、それから、事業者の名称の公表が必ず義務付けられているということから申請者がちゅうちょされる点などの点につきましては、中小企業者サイドから必ずしも使い勝手が良くないというふうな声が聞こえてまいるところでございます。

こうしたことから、この新しい機構におきましては、支援期間を五年以内に延長する、あるいは事業者の名称は非公表とできる等の使い勝手の向上策を講じたい、こういうふうに考えている次第でございまして、こうした新しい機構法の下により多くの中小企業の再生支援ができるようにしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。

糸数慶子君

今回の法改正では、機構の目的を定めた第一条において支援対象事業者の例示の部分からも中堅事業者が削除されており、衆議院の法案審査においても、政府から中小企業により支援の重点を置くという答弁がございました。

機構のホームページによりますと、元々機構による支援の必要性が相対的に高いと考えられていたのは中堅企業です。中小企業金融円滑化法の失効を目前にして中小企業により支援の重点を置くというのであれば、中小企業再生支援協議会など他の施策を思い切って拡充した上で機構の支援決定期限を延長させないという方法もあると考えますが、大臣の見解をお伺いいたします。

国務大臣(甘利明君)

御指摘のように、支援協議会であるとかあるいは地域の金融機関、これを強化するという機能も機構には備わっているわけであります。ですから、機構本体が自分でやるものと、それから地域にある企業再生を支援するその機関を更に後押しするという機能も備えております。先ほど来フル装備と申し上げていますのはそのことでございまして、この機構は、債権者間の調整であるとか、あるいは専門家の派遣であるとか、出資、融資、それから債権買取り等の再生支援、この機能を全部装備しているわけであります。

でありますから、先ほど来申し上げているように、従来、地域にある中小企業とかかわりのある支援にかかわっているところを強化するという機能と、それから、地域金融機関であるとか再生支援協議会では対処をし切れないような、例えば県をまたぐような広域での事業活動を行う事業者等にかかわる言わば難易度の高い再生支援の担い手としても適しているんではないかと思っております。

また、機構に蓄積をされましたノウハウを、地域における再生支援の担い手であります地域の金融機関であるとか中小企業再生支援協議会、これらが活用できる枠組みを構築するということは、地域の再生現場の支援能力の向上を図っていく上では極めて有用であります。

いずれにいたしましても、地域経済の疲弊に対する対処が叫ばれている昨今でありますが、地域の経済の中核となる中堅企業を支援していくということが地域再生、経済再生にとって極めて大事だと思っておりますので、この新たなる機構を活用して、地域経済の再生を図ることができればというふうに考えております。

糸数慶子君

次に、事業者やその債権者である金融機関が企業再生支援機構に支援を求めようとする場合、まず機構に対して事前相談をすることから始まりますが、ところが、その機構のホームページによりますと、事前相談は原則として東京の機構の本社でしか応じられないとされており、例えば沖縄の事業者等が事前相談をしようとすれば、旅費、飛行機代などが大きな負担になってきます。このような機構の受入れ体制は、東京から離れた地方の事業者等にとって、機構の支援を受けることに対して大きな妨げになると考えます。実際、機構が支援を決定した二十八件のうち、おおむね半数は関東及びその近辺の事業者となっています。

機構の支援決定期限を延長するというのであれば、まず政府はこのような事前相談の体制を改めるよう機構を指導すべきだと考えますが、政府の見解をお伺いいたします。

政府参考人(三井秀範君)

お答え申し上げます。

御指摘のとおりでございまして、機構の支援決定期限の延長を昨年の三月にしていただきました後、昨年の六月に、中小企業の事業再生に係る取組を機構として強化する必要があると、こういうことから中小企業経営支援政策推進室というものを機構の中に設けました。これは、内閣府、金融庁、中小企業庁で中小企業の再生支援を行っていくと、こういう政策を一緒になって進めていくパッケージの中の一環でございます。

それを受けまして、この推進室が全国において支援案件を掘り起こしを行う、こういうためにこの二十名の職員を新たに追加したわけでございますが、地域ごとに担当チームを編成いたしまして各地域を訪問すると、こういう取組を始めました。行った先におきましては、機構の活用に関する説明あるいは個別案件に関する相談というものを実施してまいりました。

累積の訪問回数は、地域の中小企業再生支援協議会に対しまして百八十一回、地域金融機関に四百二十八回、今年の一月末現在で訪問しておるというふうに報告を受けてございます。

委員の御指摘を踏まえまして、引き続き全国の事業者の利便に資するように、機構の役職員ができ得る限り各地域に出向いて再生支援のニーズにきめ細かく対応するように、引き続き機構に対しまして指導してまいりたいと存じます。

糸数慶子君

中小企業金融円滑化法は、昨年三月に最終延長として一年間延長されましたが、中小企業の資金繰りは相変わらず苦しい状況が続いています。また、円滑化法施行後の三年間の潜在的倒産件数について二万件から三万件あると推測する専門家もいらっしゃいます。このまま円滑化法が三月末で失効するとなれば、これらの中小企業の倒産が顕在化し、多くの失業者が生じることが懸念されています。したがって、政府は、金融政策のみならず雇用対策においても万全の措置をとる必要があると考えます。

雇用対策費のGDP比を見ますと、我が国は世界的に見てもかなり低い水準となっています。政府は、このまま円滑化法を失効させるというのであれば、個々の雇用対策の中身をより実効性のあるものに見直すのは当然ですが、雇用保険の国庫負担を本則へ戻すこと、求職者支援制度を雇用保険制度から切り離し、全額一般財源で措置することなど、本来あるべき制度に見直すべきだというふうに考えます。

これに対して、もしコメントがございましたらお願いいたします。

委員長(相原久美子君)

どなたがお答えになりますか。お考えはありませんか。

副大臣(西村康稔君)

円滑化法の失効後も、先ほど来、金融担当副大臣、お話がありましたとおり、しっかりと金融機関も金融の円滑化、引き続き対応するということでありますし、私ども経済再生本部の事務局として、しっかりと雇用を守るように是非頑張ってまいりたいと思います。

糸数慶子君

終わります。