国政報告

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沖縄相、カジノに慎重姿勢

第180回国会 2012年8月28日 参議院内閣委員会(構造改革特区・地域再生法 10分)

【東京】川端達夫総務相兼沖縄相は28日の参院内閣委員会で、導入に関する議論が行われているカジノ特区について、「今の法制の問題と同時に、国民の十分な理解を得ることが前提だ。ふさわしい立法の在り方、治安面での対策に十分議論し、整理しなければならない」と導入に慎重な姿勢を示した。糸数慶子氏(無所属)への答弁。
※「琉球新報」2012年8月29日付けに掲載

糸数慶子君

無所属の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。

まず初めに、構造改革特区法について、一点目にカジノによる地域活性化の可否についてお伺いをしたいと思います。

カジノを構造改革特区制度あるいは総合特区制度で実施しようとする動きが各地で見られましたが、いずれもそれぞれの制度になじまないということで実現されてきませんでした。一方、いわゆるカジノ議連が今、国会の中ではカジノ特区のための法案を立案しつつあるようでして、カジノの効果として観光振興あるいは東日本大震災の復興や地方自治体の財政再建を掲げております。ただ、カジノが地域社会、特に教育環境、治安に与える悪影響も懸念されておりまして、カジノ誘致の結果が地域振興ではなく地域の荒廃につながっては元も子もないというふうに思います。

地域活性化担当の川端大臣としては、地域活性化、地域振興にカジノを導入することをどのように考えていらっしゃるのか、特に沖縄へのカジノの導入をどのように考えていらっしゃるのか、お伺いいたします。

国務大臣(川端達夫君)

カジノ特区につきましては、様々な方面で地域活性化あるいは観光振興の部分で議論がなされておることは承知しておりますし、同時に、カジノを実際やるということに当たっては様々な問題があるのではないかという議論も当然ながらいっぱいあります。

カジノ特区につきましては、過去に構造改革特区制度における提案として地方公共団体及び民間企業等から申請が平成十四年八月から二十二年三月の間で九回ありました。しかし、所管省庁であります法務省からは、刑法は刑罰法規の基本法であり、同法の賭博罪に該当し得るカジノに関し地域を限って例外措置を設けることはなじまないとの指摘、また警察庁からは、暴力団や外国人犯罪組織等の関与のほか、少年の健全育成への悪影響が懸念される等の理由により、特区制度におけるカジノの実施は認められていないというのが今までの経過でございます。

いずれにせよ、カジノ特区を実現するということの議論になりますと、今の法の問題と同時に、国民の十分な理解を得ることが前提として、ふさわしい立法の在り方、治安面の対策などの点について十分議論をして整理をしなければならないというふうに考えておりまして、沖縄の件についても同様の事柄について十分に議論をしていくべきものであろうというふうに思っております。

糸数慶子君

ありがとうございました。

御承知のように、今の沖縄の状況でございますが、ただでさえ県民を取り巻く環境は良好とは言えません。後を絶たない米軍人軍属による犯罪、それから児童買春禁止法や青少年保護育成条例違反者の続発等、私たちの周りでは未成年を取り巻く、巻き込んだ事件が相次いで起こっています。これ以上の環境悪化は御免だというのが県民の常識だというふうに思います。しかし、この常識は残念ながらいまだに共通認識には至っていないわけで、復帰後も時折カジノ導入は沖縄観光の振興の名目で噴出してまいりました。

ただ、今の大臣の御答弁を伺いまして、やはり地域の活性化、とりわけ沖縄の観光、そういうことに対しては、今のその発言を伺いまして、これが地域振興に即つながることでもなく、それから観光振興にもつながらないということを伺いまして、ほっとしております。この問題は国民を含めた徹底的な議論が必要だというふうに思いますので、今後とも慎重に取り組んでいただくようによろしくお願いしたいと思います。

次に、酒税法の特例についてでありますが、今回の法改正では、地元産のワカメなどの海産物を使った小規模の酒造が酒造りが可能となります。酒税法の特例に係る特区は、農家民宿等による先ほども出ましたどぶろく特区、それから小規模の醸造業者によるワイン特区、さらには二回にわたって拡充されてまいりましたが、お酒関係の特区は人気が高く、四月の段階で、いわゆるどぶろく特区関係が130、ワイン特区関係が37というふうになっております。

そして、酒税特例関係の特区のその認定状況を見ますと、平成十九年に本法を五年延長してから今年の三月までに新たに認定又はその特例の追加をされた特区が、241のうち83が酒税関係特区で、これは全体の34%になっています。ここ三年に限ると約44%が酒税関係特区でありますが、この特産のお酒による地域活性化の意義は認めますけれども、最近の認定状況を見ますと、特区といえばどぶろく、ワインというふうに感じますが、構造改革特区のイメージがお酒関係に固定化されてしまう懸念もございます。

地域再生伝道師などの力も借りて、酒税関係以外の特区の申請、認定を増やす努力が必要だと感じますが、この点について川端大臣の見解を伺います。

国務大臣(川端達夫君)

御指摘のように、どぶろく特区、ワイン特区が非常に多いというのは事実でございまして、その部分は比較的目に見えて皆さんもよく御存じでありますから、自分のところもそういうのができないかという意味での情報も含めて、あるいは手法も含めて定着していることもその背景にあるのかなと。

そういう意味では、御指摘のように、この制度の有効活用のためにはやっぱり、先ほども御答弁申し上げましたけれども、普及とか周知がまず大事であると。同時に、いろんな仕組みを利用してやるノウハウというんですか、これのサポート、それからそういうことを実際やれる職員が少ないところに対しては相当な支援が必要ということでありますので、ホームページでの地域活性化総合情報サイトの開設と提案募集、認定申請に係る事前相談への対応、それからメルマガ「地域活性化ニュース」、今これ登録者三千人での記事の配信ということに加えて、ブロック担当、都道府県担当で、全国で実施する地方相談所の情報提供、相談受付、これをずっとやってまいりましたけれども、今回、特に人口減少、少子高齢化などの地域に係る共通テーマということがありますので、先駆的にやっていただいているところの紹介とか、あるいは連動する規制についても、いろいろな情報提供も含めて、いろんなこれから提案がされるというふうに思いますが、その誘導も含めて積極的にこちらから出向いてでもいろいろ御相談をさせていただき、提案に結び付くようにサポートしてまいりたいというふうに思っております。

糸数慶子君

次に、地域再生法についてでありますが、今回、少子高齢化、人口減少対応や環境制約等の特定政策課題に対応する特定地域再生制度が導入されます。しかし、政府の資料には、特定の政策課題に対応する本来の制度が整備された場合は、当該特定の政策課題は終了し、地域再生法から削除するとされています。初めから本来の制度を整備することはできないのでしょうか。

特定政策課題を政府が制定し、解決策を自治体に任せる以上、政府は地域の取組を最大限バックアップする必要がございます。特定地域再生事業への支援措置としては、地域再生支援利子補給金、地方債の特例、課税の特例、特定地域再生事業補助金等が用意されていますが、これだけで十分足りるのでしょうか。特定地域再生事業の実施状況について支援措置を拡充することも想定されているのか、川端大臣にお伺いをして、終わりたいと思います。

国務大臣(川端達夫君)

二つのお問いでございます。

初めの部分は、少子高齢化、人口減少への対応というのは、あるいは環境制約への課題ということについては全国多くの地域に共通している課題でございますので、そういう部分では、地域で課題解決に取り組む上で予期しない政策のすき間あるいはボトルネックが生じてしまうものが多いんではないかというふうに思っております。

そういう意味で、この特定地域再生制度において、これらの重要課題を特定政策課題と設定をして、地域においていろいろ知恵を出していただいて取り組んでいただく部分を重点的に支援するということと同時に、特に先駆性の高い取組について課題解決モデルとして構築をさせていただいて全国展開をしていきたいというふうに思っております。

そういう意味で、全国的な取組状況、本来の制度の整備状況、開始状況などを勘案して必要に応じて見直すということで、やはりいろいろ知恵を出して先駆的にやっていただく部分を積み重ねる中で、全国展開するということになると、もうそれは全国展開だからこういうものは要らなくなるという考え方でありますので、そういう部分で一番初めに先駆的にやっていただくことを重点的に支援をしていきたいというふうに思っております。

それから、医療、福祉、雇用、住まい、町づくり分野という行政分野の横断的な取組がどうしてもこういう部分には必要でありますので、この制度が地域再生の政策基盤、プラットホームとなって、各府省の予算制度を効果的に組み合わせて、さらに、今回新たに創設した税制、財政、金融上の支援措置を活用していただくことが可能となります、ここへ全部のせてしまいますので。

そういう意味で、必要な規制の特例措置については、構造改革特区制度と連携するということと同時に、今回法定化した提案制度も活用して、地方公共団体や民間団体などから地域再生を推進する新たな施策の提案を受け付けることといたしました。これらを最大限取組をして課題解決モデルを構築して全国に展開するという趣旨でございますので、そういう今の御提案の部分も含めて、支援をしっかりとやってまいるというのが我々の考え方でございます。