国政報告

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警察OBの天下り・福祉事務所への配備は問題

第180回国会 2012年6月20日 参議院内閣委員会 (改正暴対法 20分)

6月20日(水)、内閣委員会で暴対法改正について松原仁国家公安委員長に質問しました。
①特定抗争指定暴力団等の指定について、②警戒区域内での禁止行為、③事業主の責務と「不当な利益」の基準、④警察OBの企業への天下り、⑤福祉事務所への警官OB等の配属について質しました。
特に「警官OBではなく福祉の専門職員を増やせ」という福祉現場の声を紹介しました。
改正暴対法については、全国で施行されている暴力団排除条例の運用の問題や、暴力団規制を隠れ蓑に一般市民の活動を広範に規制する恐れがあることから反対しました。

糸数慶子君

無所属の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。

特定抗争指定暴力団等又は特定危険指定暴力団等の指定要件について、条文上、例えば第十五条の二第一項には、更に人の生命又は身体に重大な危害が加えられるおそれがあるときというふうに規定されており、基準が明確ではありません。

マニュアルを作成するなど、都道府県ごとに指定基準に違いが出ないようにするべきだというふうに考えますが、国家公安委員会委員長にお伺いいたします。

国務大臣(松原仁君)

今回の改正では、指定暴力団等による対立抗争や事業者への危害行為によって人の生命、身体に重大な危害が及ぶおそれがある場合において、そのような危害の発生を防止するための当該指定暴力団等を特定抗争指定暴力団等あるいは特定危険指定暴力団等と指定するとともに、特に警戒を要する区域を定めた上で、特定抗争指定暴力団等の組員による当該区域内の一定の行為を制限することといたしております。

一般に、行政法令においては、国民の生命、身体の安全を保護するという目的を達成するため、国民の生命、身体に重大な危害が加えられる前の段階でそのようなおそれのある行為を制限することでその発生を防止するという仕組みが取られるところであり、改正法においても、暴力団員の危険な行為により国民の生命、身体に危害が及ぶことを防止するという行政目的を達成するために必要な制度の規制を導入することとしたものであります。

なお、対立抗争や事業者への危害行為が発生するおそれについては、既に発生した事案の内容のほか、当事者である暴力団の動向や活動状況等に関する資料を基に、事前の意見聴取を経た上で認定することとしているところであります。

これらの制度の施行に当たっては、都道府県警察においてその規定の趣旨に従った適正な運用がなされるよう、警察庁において必要な資料等を作成し、周知するよう指導してまいりたいと思います。

糸数慶子君

次に、特定抗争指定暴力団等又は特定危険指定暴力団等に指定することは、単なる指定暴力団にする以上に様々な制限が設けられるわけです。しかし、暴力団を指定暴力団に指定しようとするときには審査専門委員から意見を聴取することとなっていますが、特定抗争指定暴力団等を指定しようとするときにはその規定がありません。指定暴力団以上の制限を設けるのですから、少なくとも指定暴力団の指定と同様の手続を経るようにすべきだと考えますが、法案の目的には私は賛同いたしますが、手続の面で問題があるというふうに考えます。

この点について、国家公安委員会委員長にお伺いをいたします。

国務大臣(松原仁君)

現行の指定暴力団等の指定について、法第六条に基づき、国家公安委員会の確認及び審査専門委員の意見聴取の手続を経ることとされているのは、指定暴力団等の指定については、暴力団以外の団体が指定されないようにするため、専門家である審査専門委員の意見を聴くこととしたこと、指定暴力団等の指定は、その効力が全国に及ぶことから、その全国的な斉一性を確保する必要があることによるものであります。

これに対し、今回の改正における特定抗争指定暴力団等又は特定危険指定暴力団等の指定については、指定の対象となる団体は既に国家公安委員会の確認及び審査専門委員の意見聴取を経て指定された指定暴力団であること、その規制の効力が及ぶ範囲は同一都道府県内に設定される警戒区域内に限られることから、法第六条を準用しないこととしたものであります。

なお、特定抗争指定暴力団等及び特定危険指定暴力団等の指定に当たっては、指定の対象となる指定暴力団等の代表者から事前に意見を聴取する手続を設けているほか、これらの指定を行政不服申立て及び取消し訴訟によって事後的に争うことも可能であり、これらの指定を受けることとなる指定暴力団等の手続保障にも十分配慮した手続となっているものであります。

糸数慶子君

主務大臣がJAXAに対して必要な措置をとることを求める場合として、第二項で、関係行政機関の要請を受けて、我が国の国際協力の推進若しくは国際的な平和及び安全の維持のために特に必要があると認めるとき又は緊急の必要があると認めるときとありますが、関係行政機関には当然防衛省が含まれるものと考えられます。

防衛省は、具体的にどのような事態に際したときJAXAの主務大臣に要請することを想定しているのか、お伺いいたします。

政府参考人(須永和男君)

防衛省がJAXAの主務大臣に要請する具体的な事態についての御質問でございますけれども、法第二十四条第二項の関係行政機関には宇宙開発利用に関係する国の行政機関が想定されていると承知しております。防衛省の所掌事務に関連した事案であれば、関係行政機関たる防衛省が主務大臣へ要請することはあり得ると理解しております。

他方で、防衛省が主務大臣へ要請する事態につきましては、現時点で具体的な場合を想定しているわけではございません。

糸数慶子君

少なくとも具体的な想定の事態はないということなんでしょうか。

政府参考人(須永和男君)

そういうことでございます。

今般の改正におきましては、政府における様々な検討等を踏まえて、JAXA法の目的規定における平和利用に関する記述を宇宙基本法と整合的なものとしたと承知しております。

宇宙基本法におきましては、宇宙開発利用は憲法の平和主義の理念にのっとり、また我が国の安全保障に資するよう行わなければならないとされていることから、防衛省といたしましては、今般のJAXA法の改正により、今後、安全保障、防衛分野においてもJAXAが役割を果たすことを期待しておりますけれども、現時点においては具体的な事態というものは特に想定してございません。

糸数慶子君

具体的なことは想定しないということであれば、主務大臣に白紙委任をするようなものではないかというふうに思います。これは認められないことだというふうに思います。

次にお伺いいたしますが、文部科学省に設置されていた宇宙開発委員会の委員は、四人の委員のうち二人は常勤でありましたが、内閣府に設置される宇宙政策委員会の委員のうちに常勤を置かない理由は何でしょうか。

大臣政務官(園田康博君)

先生御指摘のように、文科省に設置されておりました宇宙開発委員会でございますけれども、これJAXAの役員の任命に関する同意でありますとか、あるいは宇宙開発に関する長期的な計画の議決という形で、法律上大変強い権限を有している機関でございました。

一方、今回新設させていただきます宇宙政策委員会でございますけれども、これは総理大臣の諮問に応じて専ら政策審議を行う場でございまして、それを任務としていることに加えまして、宇宙開発利用は幅広い、先ほど来御議論がありますけれども、幅広い分野をこれを審議するという形になってまいります。

そうしますと、やはり委員会に、大変優秀な方であり、またかつ広い分野の人材の方々が入っていただく必要があるというふうに考えたところでございまして、そういった意味では、常勤というよりも非常勤でお願いした方が集まりやすいだろうというような形を考えたところでございます。こういった形でほかの例、審議会の例に倣いまして非常勤という形で置かせていただいた次第でございます。

糸数慶子君

委員会の議事内容は公開されるのでしょうか、非公開になるのでしょうか。

大臣政務官(園田康博君)

議事内容につきましては原則として公開するということを考えております。

議事録あるいは議事要旨の公開でありますとか、あるいは議事自体の公開など具体的な公開の方法については、今後、この宇宙政策委員会の審議の中で踏まえて決定されるということになろうかと思います。

糸数慶子君

是非、議事内容は全て公開することを強く求めたいと思います。

日本の宇宙開発は、先ほどからありますように、2008年に宇宙基本法が成立するまでは平和の目的に限る、すなわち非軍事で進められてまいりました。この原則の下で、日本の宇宙科学は世界に誇る数々の成果を上げてまいりました。しかし、平和の目的に限るとする原則は宇宙基本法で覆されております。

今回のJAXA法の改定においては、平和目的の規定を外すことにより、JAXAが宇宙軍拡の研究開発を行う組織へと変容することになり、研究者の自由な発想や好奇心に基づいて行われてまいりました日本の宇宙科学の大切さが失われてしまうおそれがございます。この宇宙の軍事利用に道を開くことが日本の科学、外交、安全保障にどのような影響を及ぼすかについて十分な検討がなされたとは到底言えません。

宇宙飛行士の秋山豊寛氏あるいは科学ジャーナリストの小出五郎氏、そして国際政治学者の浅井基文氏らが呼びかけ人となって行われておりますが、その本法案に対する反対署名運動には多くの研究者、そしてJAXAの関係者、市民からの懸念の声が寄せられていることも事実です。

研究者からは、宇宙の軍事利用による研究成果の公表や情報の公開が妨げられることになるのではないか、JAXAと共同研究を行っている大学も巻き込まれるのではないかという懸念の声もございます。JAXA関係者からは、今までも軍用、民間用の区別はぎりぎりなところがあるが、我々の技術の軍事利用には反対という声も寄せられています。

原子力発電所の事故は、原発の危険性に警告を発する専門家の意見に耳を傾けず、御用学者を囲い込み、政治や経済の論理を優先したために起こりました。JAXA法の改定により、日本の宇宙開発が原子力開発の轍を踏むことになるのではないかと大変危惧しております。

したがって、私はこの法案は否決されるべきだということを申し上げまして、終わりたいと思います。