国政報告

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環境影響評価書問題-埋め立ては不可能

第180国会 2012年3月28日 参議院内閣委員会 (予算委嘱審査20分)

3 月 28 日(水)、内閣委員会(予算委嘱審査)で「環境影響評価書に対する知事意見」について防衛省の見解を質しました。
①400件にも及ぶ意見が付されたこと、②埋め立て土砂の調達計画、③埋め立て申請の見通し-に対して、防衛省神風政務官は「十分調査して補正する。辺野古埋め立ての政府方針は変わらず」と繰り返すばかりで、私は「埋め立ては不可能である」と県民の意思を表明しました。
なお、内閣府に「沖縄振興とカジノ」について再度質問しました。

糸数慶子君

無所属の糸数です。よろしくお願いいたします。

まず、冒頭に長崎県におけるストーカー殺人事件についてお伺いいたします。

昨年の十二月、長崎で起きたストーカー殺人事件は、長崎、千葉、そして三重の三県の県警の危機意識及び連携の不足が警察の対応を不適切なものとし、結果として重大な事件となってしまいました。

三重県の県警本部は三月四日に検証結果を報告しておりますが、そこから浮き彫りになるのはストーカー事件に対する第一線の警察官の認識の甘さであるというふうに指摘せざるを得ません。検証結果の報告の後でありますが、被害女性とその父親が被害届を提出しようとした千葉県警の習志野署が、その提出の先送りを求め、北海道に慰安旅行に行っていたことが明らかになりました。この事実は検証過程で報告されていなかったということでありますから、検証そのものが不十分であったと言わざるを得ません。

被害届の先送りと殺人事件発生との関係と、この問題の事実関係を明らかにし、改めて再発防止策をどのように取っていくおつもりなのか、国家公安委員会委員長の見解をお伺いいたします。

国務大臣(松原仁君)

長崎県の西海市における殺人事件については、改めて亡くなられたお二人の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族にはお悔やみの言葉を申し上げたいというふうに思っております。

御指摘の関係職員の旅行への参加については、習志野警察署における本件事案に対する危機意識が不足していたということで、大変に遺憾であるというふうに認識をいたしております。千葉県警察においては、現在、警務部長を長とし、監察部門を中心とする約三十人の体制により、一つは旅行が実施された経緯、二つ目は捜査に与えた影響の有無、三つ目は公表された検証結果に今委員御指摘の旅行に関する記載がなされていなかった理由等を中心に調査を開始しているところであります。

国家委員会としては、この体制により厳格な調査がなされるものと承知をしておりますし、委員御指摘の点も含め、きちっとその精査、調査をしていきたいと思っております。

次に、この種事案の再発防止策についてでありますが、警察庁ではこの事案を重く受け止め、三月五日に同種事案の再発防止のための通達を発出をし、七日にその徹底を図るための全国会議を開催したところであります。全警察職員に対する指導教養により、この種事案の重大事件発展性を再認識させ、被害拡大の予防、未然防止のための組織による的確な対応を徹底的に図ってまいります。

同時に、この種事案の相談がなされた際に、可能な限り早期に被害者等に対しストーカー規制法に基づいて警察が措置をとるための証拠の確保等について教示をするとともに、法に基づく警告等の措置を積極的に行います。特に重要なことは、被害申告をためらう方が大変多い案件でありまして、その親族の協力を得て説得するなど、一歩踏み込んだ対応を推進してまいります。

また、警察署長による積極的な指揮、警察本部による指導、支援、全都道府県警察に設置する連絡担当官による綿密な連携により、迅速的確な組織的対応を推進してまいります。

今後とも、国民の安全、安心を確保するため、ストーカー規制法を始めとする各種法令の積極的な運用、適用により、この種事案の未然防止に全力を尽くすよう、全国警察を指導してまいります。

糸数慶子君

ありがとうございました。

再びこういうことが起こらないように、よろしくお願いしたいと思います。

次に、カジノと沖縄振興についてお伺いいたします。

私、さきの委員会で沖縄振興特措法について質問いたしましたが、時間がなく積み残しましたので、その中で一問だけ伺います。

新たな沖縄振興計画の中で、その柱の一つになっておりますのが観光振興です。今、多くの県民が危惧しておりますのが、実は沖縄県が観光振興の起爆剤として位置付けているカジノの誘致であります。これ、明白にカジノは賭博であります。この沖縄の観光振興の一役を担うような考え方はカジノではないというふうに私は確信をいたしますけれども、沖縄の自然環境の保全、それから社会の風紀、さらに地域社会のきずな、文化、教養、教育と、私、カジノはこの沖縄そのものを崩壊に導くものであるという認識に立ってお伺いいたしますが、政府のカジノに対する御所見をお伺いいたします。

大臣政務官(園田康博君)

先生には本当に沖縄振興のために様々な御提言をいただいておりますことに心から感謝を申し上げます。また、今、国会、参議院でも御議論をいただいておりますけれども、新たな振興法、本当に与野党を超えてしっかり御議論を、御指導をいただいていることに心から改めて感謝を申し上げたいと思います。

その上で、今御質問ございましたいわゆるカジノでございますけれども、賭博の禁止の規定がありますのは刑法百八十五条と百八十六条でございますけれども、これとの関係でありますとか、あるいは沖縄の地元の皆様方、地元住民の意向等々の様々な課題があるというふうに私どもとしては認識をいたしているところでございます。現在、そういった面では、提出をさせていただいております沖縄振興法、ここの中には御指摘のいわゆるカジノに関する規定というものは盛り込んでいないという状況でございます。

お伺いをいたしますところ、沖縄県においても、このカジノの導入に関しましては様々な御議論があるというふうに聞いておりまして、県内でもやはり賛否両論があるというふうに伺っておりますけれども、県内における検討及び意見の集約、これを私どもとしては見守ってまいりたいというふうに思っておるところでございます。

糸数慶子君

今御答弁いただきましたように、県民の中にはもちろん賛成もいらっしゃいます。ただし、一部でありまして、ほとんどの県民が、やはり沖縄の観光の方向はカジノではないということを言っております。是非、今の御答弁どおり、県民の意思をしっかり聞いていただきたいというとを強く要望いたします。

次に、防衛省にお伺いいたします。

まず、環境影響評価書についてでありますが、昨日二十七日、沖縄県の仲井眞弘多知事が沖縄防衛局に提出をいたしました環境影響評価書に対する知事意見について政府の見解を是非お示しいただきたいと思います。

これ、知事意見の冒頭には、さきに提出いたしました飛行場建設事業に対する意見と同様に、今回の埋立て事業においても普天間飛行場の名護市辺野古への移設は不可能と明記されておりますし、その上、環境影響評価に対する調査の不備など、四百件にも及ぶ意見が出されています。政府として知事意見にどう対応されていくのか、お伺いいたします。

大臣政務官(神風英男君)

環境影響評価書に対する知事意見に対しての見解についての御質問でありますが、普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価書につきましては、先月二十日に沖縄県から提出をされました沖縄県環境影響評価条例の対象であります飛行場の設置に係る知事意見に加えまして、昨日、環境影響評価法の対象であります公有水面の埋立てに係る知事意見を午後三時五十分ごろ受領したところでございます。

この知事意見におきましては、今先生から御指摘がありましたように、地元の理解を得られない移設案を実現することは事実上不可能であるとし、評価書で示された環境保全措置等では環境の保全を図ることは不可能と考える等の厳しい御意見、御見解を示されつつ、約四百件の意見を含むものとなっているところでございます。

今後は、こうした知事意見の内容を十分に精査をして、科学的、専門的観点からの検討を加えて、評価書の補正を行うこととなります。

なお、普天間飛行場の移設につきましては、同飛行場の辺野古に移設するとの現在の計画は引き続き唯一の有効な進め方であると考えておりまして、政府としては普天間飛行場の危険性を一刻も早く除去するとともに、できるだけ早く早期の負担軽減を追求するべく、沖縄の皆様の御理解が得られるように今後とも誠実に説明を尽くしながら、全力で取り組んでいく覚悟でございます。

糸数慶子君

それでは、具体的にお伺いをしたいと思います。

この移設の問題、今おっしゃっていただいたんですけれども、県民の思いというのは今の答弁とは違います。

まず、埋立てに関してでございますが、埋立土砂の調達計画、これを具体的にお伺いいたしますが、埋立てに必要な土砂の量は幾らで、どのように調達をするのか。要するに、土砂の調達から搬入に至る調達計画を明らかにしていただきたいと思います。これは知事意見の中で最も重視している点であります。

現在、沖縄県議会におきましても、県の担当者は、土砂が陸上から運搬されるのかあるいは海上運搬によって環境に与える影響が違ってくると県の方で答弁しておりまして、土砂の調達計画の重要性を指摘しておりまして、土砂調達計画の詳細、このことも明らかにされておりませんけれども、このことについて是非明らかにしてください。

大臣政務官(神風英男君)

埋立土砂の調達計画についての御質問でありますが、埋立てに必要な土砂はおおむね二千百万立方メートルであろうかと理解をしております。こうしたおおむね二千百万立方メートルの土砂のうち、おおむね二百万立方メートルは事業実施区域内の辺野古ダム周辺の土砂、及びおおむね二百万立方メートルにつきましては事業実施区域内の既存陸上部の整地により発生する土砂を利用する予定でございます。残りのおおむね千七百万立方メートルの土砂につきましては、現段階においては確定しておりませんが、沖縄県内の砂材等の購入のほか、しゅんせつ土を含む建設残土の受入れや県外からの調達等を含めて検討を行うこととしているところでございます。

なお、これら埋立土砂の購入につきましては、供給元における土砂の採取による環境への影響に配慮されていることを確認するなど、埋立土砂の調達に伴う環境への著しい影響がないよう慎重に判断をしていくこととしているところでございます。

糸数慶子君

今御答弁ございましたけれども、実はその土砂、一千七百万立方メートルの調達がまだ不明だというふうにおっしゃっていらっしゃいますけれども、沖縄県内での識者の話なども今朝の新聞にも報告が出ております。

今回のこの知事意見の目玉なんですけれども、今、私御質問いたしましたように、この埋立土砂の問題ですが、辺野古新基地建設、膨大な量の土砂を搬入して海を埋め立てるということですが、これは実は、二〇〇九年度の沖縄県の年間海砂の採取量、一千七百万立方メートルというのは十七・五年分に相当するという量なんですね。これをどこから持ってくるかまだ分からないという状態ですが、もし県内からそういうものを調達するような状況であれば、沖縄県の環境を本当に破壊をするという、そういう現実がこの中に立ちはだかっているということを指摘したいと思います。

次に、埋立申請についてでありますが、政府は沖縄県知事に対して埋立申請を行うのでしょうか。もし行うのであれば、その時期を明らかにしていただきたいと思います。

大臣政務官(神風英男君)

公有水面埋立申請につきましては、環境影響評価が終了した後、沖縄防衛局長から沖縄県知事へ申請を行うこととなりますが、現在は、昨日までにいただいた知事意見を勘案をし評価書の補正をするなど、法令等に基づき適切に対応しているところでありまして、埋立申請の具体的な時期について申し上げる段階になく、まだ決まっていない状況でございます。

糸数慶子君

私の立場から申し上げますと、この埋立申請についてでありますが、野田首相を始めとして今沖縄詣でを繰り返す閣僚の全てが県民の理解を最優先として、申請に関しては強行突破というのを拒否しています。現在その県民の理解が得られるかというと、やはり埋立申請、県民の理解は得られるはずもなく、知事からその埋立ての許認可を取り上げないということを野田首相はおっしゃっていらっしゃいますけれども、それからいたしますと、防衛省それから外務省の官僚は、この辺野古への移設に向けた環境影響評価書を沖縄県に提出をし、それに対する県知事の意見を今受け、その知事意見に沿って丁寧に受け答えをして、今年の秋でも埋め立てるというようなスケジュールを描いているのではないかというふうに県民は思っております。

もしそういうことであればこれは大変な間違いでありまして、やはり、この沖縄に対して新たな米軍基地を建設するということは県民が断じて許しませんし、建設は不可能だというふうに思っております。この沖縄県民の新基地建設に反対するその意思は今、日を追って強固なものになっております。政府がもし仮に知事の懐柔策に奔走しても、県民は絶対にこのことを許すわけにはいきません。

改めて、今私が質問いたしましたこの環境影響評価に対するいわゆる国の思い、それから、具体的に伺いました土砂の搬入に関する沖縄県のいわゆる環境破壊、そして、最後に申し上げましたように、本当に今のこの県民の状況を無視して国は沖縄に新たな新基地を押し付けていくのかどうか、改めて政府の見解をお伺いしたいと思います。

大臣政務官(神風英男君)

特に、千七百万立方メートルの土砂の内訳についてのお話もありましたが、この土砂等の調達先及び調達量等につきましてはその時々における土砂の需要供給の状況により変わってまいります。具体的な調達時期が決定されていない現段階においてその内訳を確定することは困難であろうかと思っておりますが、いずれにしても、供給元における土砂の採取が関連法令に適合していること、また、採取に伴う環境への影響に配慮されていることを確認するなど、埋立土砂の調達により環境への著しい影響がないように適切に実施をしていく所存でございます。

今先生から承った御意見を防衛省としてもしっかりと受け止めながら、普天間飛行場の移設につきましては、同飛行場を辺野古に移設するとの現在の計画が引き続き唯一の有効な進め方であると認識をしておりますので、政府としては、普天間飛行場のこの危険性を一刻も早く除去することに集中しながら、できるだけ早く早期の負担軽減を追求すべく、沖縄の県民の皆様方の理解を得ながら誠実に対応してまいりたいと考えております。

糸数慶子君

私は、今年の一月の二十二日から四日間におきまして訪米をいたしました。これは、山内徳信参議院議員とともに二十四人の沖縄の県民が、国会議員、それから県議会議員、市町村議員、併せて一般の市民の皆さんも一緒に訪米をいたしまして、ワシントンで十二名の国会議員、それから六十名のその国会議員の補佐官などにもお会いしてまいりました。

その中で、私たちの訪米要請団に対してアメリカの上院議員、下院議員の方々のお話の中で、県民がやはりこの県内に普天間の基地の移設は反対だというその思いを強く訴えてまいりますと、歓迎されないところに基地は造らないという思いと同時に、今アメリカのやはり国防費を削減するというアメリカの経済の環境の中で、多くの方々が、実はこの沖縄ではなく、こういう米軍の基地は太平洋の中でオーストラリアであるとかハワイであるとかグアムであるとか、そういうところへのいわゆるローテーションを組んでの海兵隊の演習もきちんとやっていくという動きがあるわけです。なぜそのことを日本政府は聞き入れないのでしょうか。

私は、その県民が反対をしている、これは県知事もそうです、名護市長もそうです、そして、改めて、当選をいたしました宜野湾市長も今この普天間の基地の県内移設というのを反対しておりますが、県民の負担を軽減すると現政権おっしゃりながら、なぜ沖縄県内に危険な普天間の基地を移設しようとするのか。今具体的にその環境アセスが提案されても、そして今の答弁を伺いましても、沖縄の環境を破壊するような、例えば砂を採取するということ一つに関しても誠実に今、回答していらっしゃいません。

時間がありませんので終わりますけれども、実は、前回私が伺ったことに関しましても、これは二〇〇九年の六月五日にこの海砂に対する質問をいたしました答弁書の回答にもございましたけれども、やはり今、どこからこの土砂を調達するかにおいては、現段階において確定しないというふうに今回答弁されていますけれども、前回は、やはり県外からの調達も含めて具体的に検討するというふうに記述をされておりましたけれども、今回の評価書では、具体的にという文言も削除されておりまして、むしろそのアセスに対する答弁というのもとても後退しているというふうに思えてなりません。

県民の負担の軽減というふうにおっしゃるのであれば、是非ともこの普天間の基地、県外、国外だということをアメリカの動きに合わせて是非再度検討していただくことを強く要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。

ありがとうございました。