国政報告

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質問主意書

質問第一九号

北部訓練場ヘリパッド移設工事に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

平成二十六年二月二十日

糸 数 慶 子

参議院議長 山 崎 正 昭 殿

北部訓練場ヘリパッド移設工事に関する質問主意書

沖縄の米軍・北部訓練場では、現在、ヘリパッド造成工事(N四-二地区)が進められているが、沖縄防衛局は、本年一月二十一日、さらにN一地区の二か所のヘリパッド造成工事を発注した。このままでは、N四-二地区の工事と並行してN一地区でのヘリパッド造成工事も始まるおそれが強まっている。

現在進行中のN四-二地区、そして今回発注されたN一地区のヘリパッド工事について、以下質問する。

一 沖縄防衛局が実施した「北部訓練場ヘリコプター着陸帯移設事業環境影響評価」(いわゆる「自主アセス」)は、オスプレイの運用を前提としたものではなかった。そのため、沖縄県は二〇一二年十月十二日、沖縄防衛局に対してオスプレイの運用を前提とした環境影響評価(以下「再アセス」という。)を実施するよう求める文書を送付した。さらに沖縄県は、二〇一三年十月四日、沖縄防衛局の事後調査報告書に対して、県の環境影響評価審査会の答申を受け、再アセスを求める環境保全措置要求の文書を沖縄防衛局に送付している。また、本年一月二十七日、高江地区住民らが沖縄県に要請行動を行ったが、その際にも沖縄県の又吉知事公室長は、再度、沖縄防衛局に再アセスの実施を要請すると回答した。

ところが沖縄防衛局は、「沖縄県の環境影響評価条例でも航空機の機種変更がアセス手続をやり直す要件になっていない。」、「当局が自主的に行った環境影響評価は、騒音レベルがオスプレイよりも大きいCH型ヘリを対象としているので再アセスの必要はない。」等と主張し、沖縄県の再三の要請を拒否し続けている。

しかしオスプレイは、CH型ヘリと、飛行の形態、高度、経路、エンジンの出力等の性能が異なり、その運用に伴う騒音、低周波音並びにエンジンからの排気ガスの風圧及び排気熱による生活環境や自然環境への影響についても大きく異なる。

したがって、沖縄防衛局は、沖縄県の再三の要請を受け入れ、再アセスを実施するべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

二 今回工事契約が締結されたN一地区の二か所のヘリパッドに続いて、今後、H地区、G地区でもヘリパッド造成が予定されている。狭い範囲に四か所ものヘリパッドが造成されることとなっているが、この周辺は、北部訓練場の中でも特に豊かな自然が残された地域である。例えば、沖縄防衛局の「北部訓練場ヘリコプター着陸帯移設事業(仮称)環境影響評価図書」でも、この一帯ではノグチゲラの営巣や多くの貴重種が確認されており、特にG地区は「他の地区に比べ比較的多く見られるヤンバル特有の種の保護が必要」と指摘されている。

同環境影響評価図書によれば、この四か所はいずれも「米軍との協議の結果」、「米軍の要求」により選定されたものであるが、何故、このような狭い範囲に四か所ものヘリパッドを集中して設置する必要があるのか。計画そのものを見直すべきと考えるが、いかがか。

三 今回、沖縄防衛局が発注したN一地区、さらにその後に予定されているH地区、G地区のヘリパッド工事に当たっては、砕石等を積載した大量のダンプトラック等の工事車両が高江の集落内の道路(村道下新川線)を通過することが危惧される。しかし、この村道は曲がりくねった急勾配の道路で、幅員も狭い。また、小学校や多くの人家があり、子どもたちやお年寄りが行き来する住民の生活道路であることから、工事車両の通過は絶対に認められない。

本年になって、高江地区住民らは二度にわたって沖縄防衛局に工事車両が集落内の道路を通過しないよう申入れを行った。武田沖縄防衛局長は、本年二月八日、局長自ら現地に赴き、この集落内道路の現状を確認した結果、「道路に沿って学校や人家があることも十分認識し、狭くなっているところも多いこともよく分かりました。」と認めた。しかし、「適切な対応をしてまいりたい」、「(工事車両は)原則として県道七十号線から訓練場内の道路を使用する」とあいまいな発言を続けたため、住民が、「「原則」を外し、絶対に集落内の道路を使用しないことを確認せよ」と求めても、「原則」という言葉を外すことを拒否し続けた。また、本年一月二十七日、沖縄防衛局の担当者は、「仮に集落内の道路を使わせていただきたいということになれば、地元自治体(東村)と調整させてもらいます。」とも発言している。これらのことから判断すると、現在、沖縄防衛局は工事用車両が集落内の道路を通過することを想定していると考えざるを得ない。

ヘリパッド造成のための工事車両に高江地区集落内の道路(村道下新川線)を絶対に通過させるべきでないと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

四 N一地区、H地区、G地区のヘリパッドは、北部訓練場の米軍施設が集中した区域から県道七十号線を隔てたところに位置している。G地区のヘリパッドへは延長約一・三キロメートル、幅員三メートルの進入路を造成するとされているが、今後、N一地区、H地区、G地区のヘリパッドが完成し、米軍の演習が始まった場合、米軍車両は県道七十号線からいかなるルートを経由してこれらのヘリパッドに行き来すると想定しているのか明らかにされたい。

米軍車両に、高江地区集落内の道路(村道下新川線)を絶対に通過させるべきではないと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

五 本年度のN四-二地区のヘリパッド工事は、工期が本年二月二十八日までであるが、現状では大幅に遅れており二月末までの竣工は不可能な状態となっている。そのため沖縄防衛局は、本年二月十日、工期を本年三月三十一日まで延期する変更契約を締結した。しかし、毎年三月から六月末まではノグチゲラ等の希少生物の繁殖期に入るので、「土工事等の建設機械を使用する作業を控える期間」とされている(「北部(H二十四)着陸帯移設工事特記仕様書」)。

この趣旨は、工事の騒音等が繁殖期に入ったノグチゲラ等の希少生物に悪影響を与えるからであって、土工事はもちろん、その他の工事も許されない。また、メインゲートからN四-二地区に続くう回路をダンプトラック等の工事車両が往復することの影響も大きい。

したがって、三月以降は建設機械を使う作業は一切行わず、ダンプトラック等の工事車両についても使用するべきではないと考えるが、いかがか。また、二月末までにN四-二地区から全ての建設機械、ダンプトラック等の工事車両を搬出するべきと考えるが、いかがか。

六 昨年度のN四-一地区のヘリパッド工事と同様に、本年度のN四-二地区の工事においても、沖縄防衛局は作業員らを環境劣悪な工事現場近く(米軍への提供施設内)に泊まり込ませて作業に従事させている。いわば二十四時間の拘束を続けたうえで働かせているが、政府としてこれらの作業員の労働実態を把握しているか。また、このような労働実態に問題があるとは考えないのか、政府の見解を明らかにされたい。

右質問する。

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